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村上ファンドと物言う株主

2005年10月12日 04時20分09秒 | ビジネス・ニュース
前回に続き村上ファンドについて少々考察してみましょう。

前回述べたように、ファンドとは多くの人から資金を集めて、その多額の資金力を元に、色々な企業の株式・国債などの債権、などに分散投資をし、多額のリターンを狙うものです。1つの株式に投資をするよりも、分散投資するために非常にリスクが低くなります。

有名どころでは、米フィデリティ、米バンガード、英ハーミーズなどが上げられる。米フィデリティというと思い浮かぶのはマゼランファンド!!なんとファンドの資産は1000億ドル超(12兆円超)だったこともあったというから凄い!! 米バンガードはインデックスファンドで最大のファンドで、600億ドル超(7兆円超)の資産を扱うこれまたバカデカいファンドである。まあ、こちらはインデックスファンドなのでさほど大変ではないとは思うが・・・しかし、額が凄い。

・・・と説明しても、凄い額が飛び回っているな~っとちんぷんかんぷんかもしれないので、皆様にはもっと身近なところでファンドというものを体験して頂きたい。米フィデリティの「Fidelity Japan Fund(フィデリティ日本株ファンド)」である。2005年夏の時点で投資先上位は以下の通り、(1)三井住友FG、(2)日揮、(3)みずほFG、(4)日本石油、(5)ヤマダ電機、(6)帝人、(7)イトーヨーカ堂、(8)セガサミー、(9)松下電器産業、(10)大丸。と、まあ上位10社でファンド全体の30%弱を当しています。

フィデリティ日本株ファンド2005年中間報告書:http://content.members.fidelity.com/epro/POP/315910885/?format=HTML&app=RETAIL

今回の村上ファンドの阪神電鉄への投資も、このような投資先の中の1社に過ぎないということ。当然投資により損失を出すことは自らの信用を失うので、助言・提言などを行い企業価値を高め、しいては株価上昇・維持を図る。ファンドを運営するファンドマネージャーにとって、この顧客からの信用は非常に重要になります。まさに死活問題!!だから村上さんも必死なんです。損失を出せば当然顧客が減り、ファンドの資産も減ります。そうなると、望んだ投資先への投資、分散投資が計れなくなりファンド自体が死に至ります。まあ、大きすぎるのも問題だと思います(世の中に与えるインパクトが強すぎて思ったように運用できない可能性も)。という理由で、村上さんは色々と提言をしてるんです。その結果、企業価値も高めるのだから、Win-Winの関係が築ければいいですよね~ っとそんなに簡単でないのが実情。経営者というのは自らのビジョンを持っているもの(そうでないぐうたら経営者もいると思いますが・・・)。横から口出されるのは嫌なんですよ!だから大抵の場合は揉める。今回の村上さんの提案もなかなか面白くていいと思うんですが、やっぱり揉める(笑)

物言う株主、特にファンドでぱっと思い浮かぶのは年金基金です。米カルパース(カリフォルニア州公務員年金)、ティア・クレフ(大学教職員年金)などはその典型であり、様々な提言を行いますし、株主総会で議決権行使において反対票を提出したりします。現在の所謂「物言う株主」の流れを作ったのはこの年金基金でしょう。とにかく資産総額が半端じゃないので、絶大の発言力を持っています。クレフは資産総額は3000億ドル弱(約35兆円弱)という・・・国も買えちゃうんじゃないっていう額!!

どのようなファンドにしろ、損失を出さないために必死に助言・提言を行っているんです。本当はその結果、企業とファンドがWin-Winの関係になれればいいと思うのですが。ファンドも企業価値を高めるために助言・提言を行っている訳ですし、邪魔している訳じゃないんですが、簡単にいかないもんですね・・・(悲)皆さんには、今回の村上ファンドの件などは、ファンドの本質を理解した上でニュースなどを見てみて欲しいです。そうすると、メディア、特にテレビのアナウンサーはホントくだらないこと言ってるのがわかりますよ。テレビに踊らされず、自らの頭を磨いて真実を見抜いてください(笑)

TIAA-CREFサイト(英語):http://www.tiaa-cref.org/
フィデリティサイト(英語):http://www.fidelity.com/
バンガードサイト(英語):http://www.vanguard.com/

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