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読書レビュー JAGAE 夢枕獏

2022-07-31 07:18:00 | 書評 読書忘備録





JAGAE ジャガエ 織田信長伝奇行  夢枕獏

蛇替え の意味 織田信長でこの言葉は繋がる読者は少なくないだろう だが ファンにとっては釈然としない、というかやや欲求不満気味の読後感かもしれない

物語は織田信長と加藤弾蔵の二人が二本のレールとなって戦国という時代を読者と作品世界の住人を導いてゆくものだが 蛇替えは導入の一章のみ 戦闘シーンも無く ひたすら先進性と合理主義のかたまり信長と妖怪じみた術師弾蔵の友情と殺し合いのやり取りが積まれてゆく

おもしろいのに この本に書かれてることの大半はすでに獏さんや他の人がどこかで書いたり描いたりしているように感じてしまって困った。 

もしかして獏もそう思っているかもしれぬな 

くひひひ 
だからもう一冊 帰蝶の孕んだ腹を裂く信長の小編を書けば良いな 

それは誰も読んでないでな 
それを能でも絵本でもアニメにでもすると良い 
腹を割いて出てきた赤児が段蔵の声で喋ったりするとなお良いな 

くかかかか。






最終章はお約束通り本能寺であり敦盛である
人間五十年 この下りは過去沢山の役者がドラマで演じて来たが中途半端に器用な信長役が多く、この夢枕獏のような物語を読めば読むほどそれらの違和感が鼻につき馴染めない。
小野的には、過去見た中で1番の出来は渡辺謙の信長だ。
画面いっぱいに正面から渡辺謙がアップでカメラを睨むように人間五十年を謡う いや謡うというよりは腹の底から節も音階もあったもんじゃない怒号で吠える敦盛なのだった。
なるほど ! とその時、自分はこの役者の才能とここに至った研究に思い感心極まったことを覚えている。 役の解釈とはこういうものか!?と
その後、これを超える人間五十年は未だ巡り合っていない。


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