2011年8月で箆柄暦が創刊100号を迎えるのを記念して、音楽祭を開催することにしました。全国の箆柄暦読者の皆さん、そして各出演者のファンの皆さん、万象繰り合わせの上、是非ご来場ください。
■箆柄暦創刊100号記念 ぴらつか音楽祭『八月の沖縄』
同時開催:『箆柄暦の表紙展』
出演:ちえみジョーンズバンド
大工哲弘 with マルチーズロック
SAKISHIMA meeting(新良幸人・下地勇)withサトウユウ子
会場:桜坂劇場ホールA
日程:2011年8月21日(日)
時間:開場15:00 開演15:30 終演19:00
料金:前売3000円 当日3500円 1ドリンク別途300円
未就学児童入場不可
チケット発売日:2011年6月2日(木)
販売店:桜坂劇場窓口(098-860-9555)
チケットぴあ(Pコード:142-343)
ローソンチケット(Lコード:89139)
イープラス
コープあぷれ(098-941-8000)
問合:箆柄暦編集室 050-3120-5754(はぎの・高橋)
チケット予約メールは[こちら]
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さて、出演者3組について、少し思いを語らせて欲しい。
いずれの出演者も、8年間沖縄のイベント情報と格闘し、色々なミュージシャンと知り合ってきた中から、音楽的にも活動のスタンス的にも、箆柄暦の読者に聞いてもらいたいと思うアーティストで、中でも箆柄暦と縁の深いみなさんにお願いした。
●ちえみジョーンズバンド
女性シンガーソングライター・ちえみジョーンズの演奏は、6年くらい前から聴いてきたが、その間ソロだったり、バンドだったり、いろんな時期があった。現メンバーのTOMAさんのギター、ユウサックのカクテルドラム&マリンバの組み合わせは本当にすばらしい。
ようやく心地良く音楽に打ち込める場所を見つけたように、今、楽曲のクオリティ、ライブの完成度共に充実期を迎えていると思う。まだ聞いたことのない多くの皆さんに、是非聞いて頂きたい。
●大工哲弘 with マルチーズロック
大工哲弘さんといえば、八重山民謡の名手として知られている。その一方で、「ジンタ」をライフワークとして歌ってきた。「ジンタ」とは、明治時代に軍楽隊の音楽として入ってきた西洋音楽が大衆化したもので、分かりやすく言えば「チンドン」のルーツ的音楽だ。
昨年、栄町市場のジプシーロックバンド・マルチーズロックがヨーロッパ公演を行う前の壮行公演で、大工哲弘さんと共演して「生活の柄」を演奏した。その演奏がとても良かった。この組み合わせで「ジンタ」を演奏したら、きっと素晴らしいと思い、今回お願いした。マルチーズロックのリーダー・もりとも、大工さんとのジンタに可能性を感じていたそうで、純沖縄産の「ウチナー・ジンタ」が実現することとなった。
東日本大震災の後、大工さんのもとに「がんばろう」などのジンタナンバーを聞いて元気をだしているという声が届いているそうだ。「ウチナー・ジンタ」で東北を元気づけたいという大工さんの気持ちとも重なって、良いライブが期待できると思う。
●SAKISHIMA meeting(新良幸人・下地勇)withサトウユウ子
八重山白保出身の新良幸人さんは、あらゆる意味で箆柄暦の原点にあるアーティストだ。沖縄に来る前から好きだったし、沖縄に来てからも、演奏はもちろん、ミュージシャンとしてのあり方も、いろんな意味で尊敬している。おこがましくも、彼のようなアーティストの活動を応援したくて続けてきたのが箆柄暦なのだ。
宮古島久松出身の下地勇さんは、箆柄暦を始めて間もない頃に、初めてインタビューしたいと強く思い、出会ったミュジシャンだ。明るく爽やかなパブリックイメージと、ミャークフツの歌詞に込められた哲学者のような詞の世界。真面目さと、全てを破壊したい衝動が、一人の人間の中でマグマのように渦巻くところに、彼の魅力はあると思う。
この二人が出会ったSAKISHIMA meetingは、最初の頃はちょっとした試みのようでもあったが、ステージを重ねるごとに、どちらか片方だけでは実現し得ない魅力を放つようになり、今や確固としたSAKISHIMA meetingとしての音を確立している。
今回はさらに、ジャズピアニストのサトウユウ子さんに加わってもらうことにした。昨年、新良幸人&サトウユウ子の演奏を聞いたとき、唄三線とピアノという組み合わせの新しい段階を感じて、ずっと気になっていた。唄三線と洋楽器の組み合わせは、これまでも様々な試みが行われ、進化の道を歩んできた。大島保克&ジェフリー・キーザーの演奏を聞いて“ここまで来たか”と感じたが、新良幸人&サトウユウ子にはぜんぜん違う切り口で、新鮮な驚きを感じさせてくれた。
今回は、この三人の演奏がどんな形を見せてくれるのか、私にも全くわからない。楽しみで仕方がない。
●同時開催『箆柄暦の表紙展』
箆柄暦の表紙が、アーティストの姿とインタビューが融合した形の今のスタイルを確率したのが2008年の1月からだった。これ以降の表紙を、一挙に展示しようと思う。また、創刊号からの全バックナンバーの閲覧もできるようにする予定。ついでに、初期のバックナンバーを放出しようかと思っている。モノクロ時代の幸人さんや勇さん他のインタビュー号を手に入れるチャンスだ。
最後に
今回はちょっと早い時間にライブを行うことにした。沖縄のライブは20時とか21時ころ始まることが多いが、日曜のライブでこれだと、流石に翌日に堪える。余裕を持って昼酒をかっくらい、こころおきなく素晴らしい演奏を楽しんで欲しいと思った。また、月曜は仕事に行かなければならない県外からのファンの方には、20時以降の最終便なら間に合う時間を想定した。
そしてなにより、早く撤収して、楽しい打ち上げに突入したいというのも本音。いつも、スタッフの皆さんが打ち上げの席に付くのは、日付が変わる時間も近くなってから。今回は、もっと早くから、みんなで打上まで楽しみたいと思っている。私の大好きな出演者同士にも、交流を持ってもらえたらと思っている。
そんなこんなで、いろんな意味でこれまで思っていたことを試してみる音楽祭にしたいと思う。ちょっと偏っていると言われるかもしれないが、きっと聴き応えのある内容になると思う。是非早めに、前売りチケットと、航空券を確保して、全国津々浦々から、お運びいただければ幸いです。
(2011年5月29日初掲)