またまた「懐かし」ドラマ話ですが・・・
最近、なぜかCSで「山田太一作品」を目にする機会が多いんです。
正直、今まであんまり見たことがなく、あの名作「ふぞろいの林檎たち」はちゃんと見た記憶がない。
でも、知らず知らずのうちに記憶に残ってたりするものもあります。
その一つが「シャツの店」
鶴田浩二さんの晩年の作品。
なぜかこれが幼心に記憶に残っていて、職人気質の不器用な父親なんだけど、渋い役者さんだなぁとずっと思ってました。
まさか、東映の任侠映画で人気を博していたスターさんとも知らず。
あとは、「高原へいらっしゃい」。
佐藤浩市さんのリメイクで存在を知ったんですが、CSで田宮二郎さん版を見て、ほのぼのの中にもビジネスの厳しさやスタッフの様々な考え方・人生がじっくり描かれていて、これはいいドラマだなぁと。
ちょっとえらそうかもしれませんが、山田ドラマって地味な中にも時にコミカルに、時にはシリアスに、いろんな人々が生き生きと描かれてる感じで、惹きこまれますね。
で、存在は知っていたものの、ようやく、名作と呼ばれる「男たちの旅路」を見ることができました。
現在BSプレミアムでも放送中です。
ストーリーはこちら↓(ネタバレありです)
「俺は若い奴が嫌いだ」・・・
警備会社で黙々と職務をこなす特攻隊の生き残りのガードマン・吉岡。彼は、国のために死んでいった戦友たちへの複雑な思いをどうしても拭い去ることができない。そんな吉岡と、豊かな生活を謳歌する職場の若者たちの間には、どうしても越えられない壁が立ちはだかる。吉岡の決してぶれない一貫した姿勢と、古い考えは悪とばかりに吉岡を全面的に否定する若者たちの自己主張。しかし、日々ともに事件に全力で対処していく中で、若者たちは、吉岡の言葉と行動から世代や価値観を超えて人間として守るべきものがあることに徐々に気づいていく。
戦中派の硬骨漢と戦後生まれの若者たちの断絶と共感を描いた、TVドラマ史に残る山田太一の名作ドラマシリーズ。(NHK-BSHPより)
正直、こちらも不器用・堅物で、若者からすれば「めんどくさい」おじさんが主人公
でも、苦情を言われても、処分されても、若者になめられても、自分の意思を頑なにも曲げず、押し通す姿は、昔の「大人の男」そのものだと思ってしまいます。
結局若者たちも、対立しながらも、その姿に次第にひかれて、絆が結ばれていきます。
毎回起こる事件・出来事も、主人公吉岡の逃げない姿勢・熱意が伝わって、解決に向かっていきます。
展開によっては結末に後味が悪い時もありますが。。。
世代間の考え方の違いは、経験値の違いで、しょうがないと思います。今に始まったことじゃないし(年をとってきた分、余計そう思う)
でも、今の世の中、直接「本音でぶつかり合う」ことが若干変わってきて、「見えない相手」に対して「けなしあい」「誹謗中傷」みたいになってますよね。
そして「相手を理解する」「歩み寄る」ってことが無くなるつつあるかなぁと。
ネット社会になって、ますます過熱状態になり、ニュースソースだけで物事を判断することも(自分を含めて)増えてきて、正直ネットを見るのが怖い時があります
いくら世の中が進んでも、「直接話す」「語り合う」ことって大事だなぁと。
若者代表というのが、今はすっかり「渋い大人」になってしまった水谷豊さん。当時はホントに「チンピラ」役が多くて、この役も結構チャらくてウザい
でも、本音でぶつかってくる上司に負けず、逆に納得すれば受け入れるという素直な青年。こういう役、ホントに上手かったですよね~(今となっては懐かしい)
他には、吉岡に助けられ、同じガードマンとして就職するという役に桃井かおりさん。こちらは今と変わらず気だるさ全開で、はまってます
親からの愛情に飢え、孤独だった少女は、生きることに無気力。それが仲間とのつながり、仕事での経験、そして、吉岡との出会いに生きがいを見出していく。
そして、第1シリーズのみ登場の、真っ直ぐすぎる情熱青年に、今は都知事となった青春スター森田健作さん。実は吉岡に複雑な思いを持ちつつ、彼の生き方に惹かれていきます。
(あ、正論を語りつつも嫌味な幹部同僚の役で、若き日の橋爪功さんもちょっとだけ登場。北村総一朗さん同様、彼も昔は彼もああいう嫌な役が多かったですねぇ)
実際、鶴田さんも特攻隊員だったそうで、実生活の思いが重なるような「重い語り」は、じ~んと来ます
彼のような、上手い下手ではなく、登場するだけで「人生」がにじみ出る、存在感がある、そういう「重厚感」のある役者さんって、少なくなりましたね。
もう高倉健さんくらいになっちゃったかなぁ・・・
最終回はちょっと他の回とテイストが違うんですよ。
鶴田さん、桃井さん、そして水谷さんの関係性はできすぎいや、哀しすぎ・・・
若干唐突過ぎて、好みが分かれそう。
今でも十分通用する要素・ドラマ性があり、見応えがありました。(40年近く前に「高齢者問題」なんて、先駆けかも)
地上波ではドラマにあんまり興味がなくなったのに、CS・BSで知らないものでも古いドラマをやってると、途中からでもついつい見ちゃいますね。
それだけ「惹きこまれる要素」があるってことかしら。
第4部に、ゲストで、この作品でドラマデビューの京本政樹さんがいたり。
第1部レギュラーの森田健作さんは、印象にないなぁ・・・(^^;)
頑固な鶴田浩二さんと若い世代代表の水谷さん桃井さんのコントラストは良かったですね。
(第4部は、違う二人が若い警備員役になりますが)
山田太一作のドラマは、「不揃いの林檎たち」は、苦手でしたが、
「早春スケッチブック」や「終わりに見た街」は、大好きでした。
最近の、ブツ切れ気味の台詞のやり取りが苦手で、
また見なくなりましたが(^^;)
「早春スケッチブック」は、また見てみたいです。
こんにちは。
リアルタイムでご覧になってたんですね!
2部以降、森田さんの代わりに、これまた超真面目な堅物役で柴俊夫さんが登場しました。
それにしても、あのチャラい水谷さんと鶴田さんの対比は面白かったですね。
彼らを中心に、巻き起こる事件も、今でも通じるものがあり、見応えがありました。
私も実は、「ふぞろい」見てたけど、なんとなくあの「青春群像劇」が苦手で(^^ゞ
先日、鶴見辰吾さんが「早春スケッチブック」が役者としての転機となったと言われていたので、ぜひ拝見したいです!