はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

「やすらぎの郷」を見終わって 。

2017-10-01 10:05:36 | 気になる:テレビ番組

始まった当初にも取り上げましたが、すべて見終わりましたよ。珍しく(連続ドラマは「梅ちゃん先生」以来かなぁ~)一本も見逃さずに。

面白かったなぁ
終わってしまって、完全に「やすらぎロス」です。これから、何を生きがいに生きていけばいいの(な~んて)
最近では初めてです。ここまで入り込めたドラマ。

 

以下、ネタバレです。
ご覧になってない方には、全く伝わらないと思いますので、ご了承ください

 

年を取れば丸くなって、穏やかに。そうとは言い切れないんだなと。

諦めの部分もあるけれど、ますます意固地になって、怒り、妬みや嫉みが増して、でも、恋愛感情もあって。
(男の人は(いや女性もか)、自分が年をとっても、「若い人」にときめくようで

・・・大先輩には足元にも及ばないけれど、最近自分も、昔は感じもしなかったことに「怒り」や「妬み」を覚えることが増えてきた気がする

 

連続ドラマなので、ホントにいろいろありましたねぇ。
面白い週もあれば、「この話いる?」みたいな週も(失礼
それでも飽きなかったのは、やはり「後期高齢者が主人公の連続ドラマ」というのが魅力だったかもしれません。きっと、後にも先にももうないと思います。
40代のはぎおでさえ、共感できる、身につまされる話が多かったですから。

 

一番笑えた(いや、笑えなかったかも)のは、「絶対人には言うな」という話が、あっという間にダダ洩れになること。特に年を取ると、『秘密の共有』が生きがいになるらしいです。(いや、若くてもそうかもしれないなぁ

 

寓話のような楽しい話もあれば、リアリティのあることを、皮肉たっぷりに描いていたり。
リアリティ、シビア、皮肉。結構倉本先生ってこういう路線で来られた方ですよね。
そういうブラックな部分を、おとぎ話のようなユーモアをもって描いていたので、「渡鬼」の息詰まるようなリアリティとは違って、苦笑しながら楽しく見ることができたかもしれません
 

色々あったけど、一番印象に残っている回は、犬山小春(富士真奈美さん)の件かな・・・
かつてのスターは自らが起こしてきた言動が元で、何十年経っても未だに多くの人から嫌われ、久々の再会にも必ずしも喜ばれなかった。
しかも、一緒に来たプロデューサーにその場に捨てられ、一文無し。
ホームの歓迎会で、まるで華やかなショーの様に自分の経験を語りだし、拍手喝さいを浴びた後、淋しく去って、孤独に自らの命を絶つ・・・

初期の方ですが、あれが一番強烈で、切ない回でした。
脚光を浴びた人でも、その後の人生は誰にも分らない。
過去の過ちを詫びても許してもらえず、孤独死。しかも、スターではなく、一老女として。

倉本さんのインタビューを読んで納得しました。
この本を書くきっかけになった一つのエピソードとして、大原麗子さんの孤独死があったとのこと。
彼女もかつて脚光を浴びながら、病気をきっかけに第一線から退く形になり、そして孤独死。
・・・芸能界に限らず、誰にでも起こりうることですよね。
誰かが言ってました。「人間死ぬときはひとり」だって。

ラストの方で、創設者(現役最高齢?織本さん熱演!)が、「やすらぎの郷」を作るきっかけになった一つの理由として、実際話題にのぼっていましたね。そして、そのモデルの女優として、大原さんを「出演」までさせてました。あの写真と声・・・ドキッとしちゃった
やはり、あのニュースは芸能界にとって大きな衝撃だったという事でしょうか。

 

次は、このホームの住人・職員たちの良き相談相手・理解者である菊村先生自身の家庭問題。

一度も顔を見せた事のない息子夫婦たちが、先生に無断で、彼が生まれ育った家と土地を勝手に売って、都内のマンションに移り、海外旅行を楽しんでいるという・・・そして、孫は孫で、自分の彼氏の不始末を、本来得られる「遺産」を生前贈与してもらって補いたいなどと願いに来る・・・(孫は祖父母の姿を見て、いろいろ考えていたところもあったようですが)

もし、こんなことが実際に起きているとしたら、鳥肌が立つほど怖かったはぎおは本当に世間知らずだなと。
まぁ、先生のような遺産とは縁遠い貧しい家庭なので、関係ないと言ってしまえばそれまでだけど、この話を聞いた時、『世も末じゃ』と言葉が出てしまいました・・・

 

あとは、ネットでもちょっと話題になった、心身ともに傷ついた人への接し方。
「あそこまで描かなくても」という意見が多かったけれど、実際問題、身近に起こったら自分ならどう対応するか。話としては短い展開だったけれど、そういう『問題提起』のような回も多くて、

「自分ならどうする?」

と考えたテーマも多かったです。
彼女の場合は、孤独ではなく、先輩・仲間が身近にいて、普通に接してくれることで、自然と癒されていった・・・と理解していますが・・・

 

 

それにしても、年金、遺産問題、孤独死、老人介護、認知症、終末期医療・・・

世の中にはさまざなな問題がありすぎて、「老後をのんびり」なんて言ってられないんだなぁと。
生き辛い世の中です。

(先日「会社物語」を見たから、余計に老後のことを考えてしまうのかしら)

 

ただ、人間関係って面倒かもしれないけど、「仲間」がいて「会話」があるってことは幸せな事だなと。「社会とのつながり」は、年をとっても若くても、本当に大事なことだと。そして、「健康」であるということの大切さ。
特に今年は、はぎお自身、こういうことに身につまされてきたので、余計に入り込んで見ていたのかもしれません。

 

 

元恋人・元妻との共演も、倉本さん一流の「皮肉」だと思いますが、それを承知で受けた石坂さんや加賀さん、そして浅丘さんって「大人」だと思います。カッコいい

他の出演者も強烈でしたね。
その強烈な出演者の中、違う意味で際立っていたのが、八千草薫さん。あの楚々として凛とした佇まいが本当に素敵でした。個性派ぞろいのホームの中で、数少ない「常識人」とでも言うんでしょうか。
それでも、ご立腹の時は「茄子の呪い揚げ」なる儀式を行うという・・・ね。

 

残念ながら、本当に放送途中で、一番元気そうな野際さんが亡くなりました。以前とは様子が違うと思いながら、それでもそこまで悪いとは全く感じさせないまま、最終回まで迎えたのは、本当に素晴らしかったです。まさに「プロ」でした。

 

 

いろんな意味で、忘れられないドラマの一つになりました。
結局、倉本先生の「理想の老後像への模索」ドラマだったのでしょうか。
(「若造が分かった風なことを言うな!」と怒られそうですが
でも、昼ドラの開始、熟年層へのターゲット、世の中への反骨精神・・・話題・影響は十分提供していただいたと思います。

(たぶん、しばらくはドラマを見ないと思います。次の「トットちゃん」も面白そうですが、徹子さんといえば「チョッちゃん」の印象がまだあるし、打って変わって「若さ全開」のドラマを見る気にはなれず・・・)

 

・・・結局、菊村先生にとって『やすらぎの郷』は安らげたのか

先生でいえばもう一つ、ちょっとした不倫関係?にあった昔の彼女の孫との微笑ましいストーリー・・・だったはずなのに。ホッコリと終っていくのかと思えば、だんだん先生の方が理性が効かなくなってきて、最終回で・・・ あの結末にはちょっとほっとしたけれど、結局先生の周りには、誰もいなくなってしまった。

入居してからいろいろあって安らげなかったけれど、結果として『やすらぎの郷』が一番安らげる場所だったということでしょうか。
「孤独」よりは「忙しい老後」こそ、安らぎの場かもしれないな~


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4 コメント

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Unknown (スナッチャー)
2017-10-06 16:25:47
はぎおさん、こんにちは!

ワタシも「やすらぎ」ロスです。

毎日録画してみてました。

深刻な話題が続くと、ガラッと変換し
老人が抱える問題を明るく、テンポよく
さすがベテラン脚本家ですね。

そして・・・この夏
母が入居しました老人施設が・・・
ちょっと似てる名前で、
ついつい言い間違え(笑

とりあえず、次のトットちゃんは様子見かな??
返信する
硬軟織り交ぜて。 (はぎお)
2017-10-07 16:39:15
>スナッチャーさん
こんにちは。

今でも完全に「ロス」です(^_^;)
たしかに、重い話の合間に、「ん?」って思うような軽い話があったり。

ベースはあっても、完全オリジナルで、何が起こるかわからないから、面白かったのかもしれませんね。

面倒くさそうだけど(^◇^;) 飽きないでしょうから、こういう施設に入りたい(⌒-⌒; )

それから、みゆきさんのテーマ曲がドラマにぴったりで、それを聞くのを楽しみにしてたのかもしれません…
返信する
終わってしまった…ぅ。 (かしまし娘)
2017-10-10 15:05:09
はぎお様
終わってしまいましたね…。
なんかアっという間でした…。
シルバー世代向けと言いながら、
作家が、
今の芸能界へ一石を投じる様な…。
かつての大スター達が、
健在ぶりをアピールしている様な…。

だから遠い話かと思ったら、
やたらと身近に感じる話題もあったりして。

菊村先生自身の家庭問題。
あれは、ギョエエエ!!でしたぁあ。
息子達が勝手に家を処分!!
あり得るのか…そんな事…。
いくらなんでも…それは…(涙)
父親と喧嘩別れしてるわけでもないんだから…。
一言あっても…。
それから孫娘。
あまりにも呆気らかんと、「遺産を頂戴」
なんて言うもんで…。しかも、ねぇあんな事のために。
菊村先生の悲しみと怒りがビンビン伝わってきました。

そうなんです!!犬山小春!!
富士真奈美!!
私は彼女の演技力にただただ脱帽して、
思いっきり引き込まれて、大泣きでした。

老人たちの噂好きも凄かったですね。
ホームに入るとああいう事とも、向き合っていかないと…。
なんて自分の未来を想像しました。

昼間のOAだったので、私は録画して観たのですが、
もっと若い世代や私の世代の人にも観てもらいたいですよね。
再放送として、真夜中とかゴールデンタイムとか。
やってくれないかなぁ。
返信する
さすがの大物たち! (はぎお)
2017-10-10 15:49:45
>かしまし娘さん
こんにちは。
淋しいですねぇ・・・
もう、倉本先生の遺言とも言うべき作品でしたね。言いたいことを全部書いて遺してやる!みたいな。

それを受け止める、役者陣も素晴らしかったですね。「身近な話題の共感」でも楽しめたのですが、皆さんの「芝居の圧」にやられた感もあります。

犬山小春・・・富士さんの圧巻の演技に私も泣いてしまいました。久しぶりです、ドラマを見て泣いたのは。あのようなお芝居は、経験を重ねたベテランでないとできませんよね。

素晴らしいベテラン俳優の活躍できる場がない。それも倉本先生が問題提起として挙げたのではないでしょうか。
若者向けのドラマばかり作る必要は無いということが、この「やすらぎの郷」の視聴率と話題性で各局ともよくわかったと思います。

とはいえ、もう二度と出来そうにないドラマ。
全部録画保存したのでいつでも見ることはできますが、若者向けに、ゴールデンタイムで再放送してほしいですねぇ・・・
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