はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

時代劇の灯が・・・ 。

2021-01-10 17:33:28 | 記録:歴史・時代劇

年明けから、寂しいニュースが飛び込んできました。

「5万回斬られた男」の異名のある斬られ役、福本清三さんの訃報。エキサイトニュースより

時代劇ファンには、斬られ役の中でも超有名な方ですが、一般の方にとってはおそらく「誰?」という方も多いと思います。でも、新聞・ネットで大きく取り上げられていたことに、正直驚きました。そして、不謹慎かもしれないけど、嬉しかった。


子どもの頃から、「名前はわからないけど知っている斬られ役」の方。名前を憶えてからは、勝手に「あ、今日も福本先生が斬られてる」とニンマリしながら見ていました。

その先生が一役脚光を浴びたのが、ハリウッド映画「ラストサムライ」。
この出演、本当に驚きましたが、ご本人も相当驚かれ、一度断ったとか。

そのくらい、「裏方」として、いかに「主役を引き立たせながら自分の存在感を出すか」ということに徹した方でした。

でもね、一度顔覚えちゃうと、「今日はどんな役かな?」とか「どんな斬られ方かな?」とか、どうしても目がいっちゃう、そんな方でした。

 

そんな裏方に徹していた福本さんが、唯一主役を演じた

太秦ライムライト

寡黙だけど仕事に徹する「斬られ役」は、まるでご自身そのもののようで、とても温かく、力強い作品でした。

今から7年前の映画。当時、かなり話題を集め、新聞やテレビのインタビューに引っ張りだこ。はぎおもその時初めて素顔に触れましたが、顔は怖いけど、ご本人は、とっても照れ屋で、気さくな優しいおじさんで、ギャップにホッコリさせられました。

ご本人のモットーは「どこかで誰かが見ていてくれる」。
これって、誰にでも、どんな仕事でも当てはまることだなって、その時つくづく感じました。
この思い、忘れかけていましたが、今回改めて思い出させていただきました。


その映画の後から、ずっと病と闘ってこられたとのこと。
そんな様子はみじんも感じさせず、数少なくなった時代劇で、いつもと変わらず斬られ役として活躍され、時代劇専門チャンネルでは「朝だよ!ごぼう先生」という体操番組で、一生懸命体操に取り組んでいる姿を見せてくれていたのに・・・


あの鋭い顔と、エビぞりが見られなくなるのは、本当に寂しいです。
今までありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りします。

 

 

それにしても、ここ数年で、時代劇に携わってきた、いわゆる「裏方」の方の訃報が相次いでいます。
殺陣師の宇仁貫三さん上野隆三さん、脚本の大西信行さん、美術の西岡善信さん、監督の井上泰治さん・・・知らないだけで、まだまだ多くの方がいらっしゃると思いますが、ただでさえ少なくなった「時代劇」のプロたちが、少なくなっていくのは、本当に残念です。

時代劇ができる役者さんも少なくなりました。

落語や歌舞伎、講談が話題を集める中、どうして時代劇だけ衰退していくのでしょうか。
BSやCSでは、少しずつ増えていますが、地上波で普通に見られる日はもう来ないのかな・・・

なんで他の国の時代劇ばかりがもてはやされるのか、時代劇ファンとしては寂しい限りです。そんなに時代劇って古臭いのかな。「半沢直樹」みたいに、「現代劇」であんなに勧善懲悪が面白がられたのにねぇ。

 

追記:同じ斬られ役で有名な、峰蘭太郎さん。昔の時代劇の現場や、今の日常の記録など、峰さんも優しい人柄を感じさせるブログを楽しく拝見していたのですが、昨年7月から更新されていません。とても心配です・・・


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