はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

「こんな美しい夜明け」/「うっかり八兵衛半生記」

2015-03-13 19:33:11 | 記録:本

毎日時代劇チャンネルで 「大岡越前」を見ておりますが、急に、

「出演者の裏話を聞いてみたい」


と思い調べてみると、全15シリーズ出演した


加藤剛さん
 と 高橋元太郎さん


が本を出版されてるとのこと。早速手に入れてみました↓ 

こんな美しい夜明け (岩波現代文庫)
加藤 剛
岩波書店

 

うっかり八兵衛半生記―多力本願
高橋 元太郎
アスペクト

 

どうですか。タイトルはもちろんのこと、この装丁の違い
まぁ、出版社も違うので、目指すものも違ったんでしょうけど。

 

加藤さんは、「岩波文庫」ですからねしかもタイトルが「こんな美しい夜明け」ですよ
まるで、文芸小説家のエッセイのような、真面目で、それに若干のしゃれっ気があって、「お堅い」んだけど、さらっと読めるものでした。
そう、プロの小説家のように「読みやすい」エッセイでした。

自叙伝的エッセイですから、生い立ち、家族、俳優を目指すまで、舞台人として、それから経験から得た世の中への思い・・・さまざまなことが端的に、それでいて力強く書かれていました。

そんな中、ライフワークのように40年もかかわった「大岡越前」について、1項目書かれていました。はぎお的には「えらく短文だなぁ」と思わざるを得ませんでしたが光景が思い浮かぶような微笑ましく、そして悲しい内容でした。
濃密な思いは、「長文」でなくとも十分伝わるのだな・・・と改めて実感

それにしても加藤さん、お父様が実直な校長先生、ご自身も早稲田大学出身、青年座養成所時代にデビューと、「堅い」家庭に育って、出会う人にも恵まれ、その経験を踏まえた上で、ご自身がテレビで拝見するとおりの真面目な方なんだと、内容からも、文体からも伝わってきました。

真面目だけど、ものすご~く謙虚で、なんとなく「おっとり」した、ちょっとワンテンポ遅い印象。そこがまた可愛らしい(失礼)けれど、だからこそ、周囲が「放っておけない」存在なのかなと。そんなエピソードもチラホラ。

 

 

元太郎さんは、根っからの明るい・・・という役柄とは違いました。
装丁は皆さんご存知の「うっかり八兵衛」の明るい笑顔で、ご本人もそんな感じ、文体も「明るく楽しい」ものだと思って読み始めましたが・・・意外や意外(失礼)真面目でとてもクールな方という印象を受けました。

こちらは、お父様を早くに亡くし、若いうちから芸能界デビュー。あれよあれよという間にアイドルスターになりながら、冷静に「どこか違う」と分析してすぐにグループを脱退。そして、ジャンルの違う「役者」それも「時代劇」でデビュー。人生ってわからないものです

文体も、とても真面目。加藤さんと比べると、若干「冗長」な印象もありますが、事実を淡々と、茶化したり大げさに書いたり・・・ということは一切ありません。それに、どこか「冷静」な印象を受け、みんなが思ってるような「明るく楽しい」八兵衛さんのイメージはあまり見受けられません。それが逆に新鮮で、面白かったです。

先日もNHKの「スタジオパーク」に出演されていたのを見ましたが、その時も同様の印象でした。
普段は「しっかりもの」(あおい輝彦さん言)で、しかも「小食」だそうで。

時代劇デビューは、実は「八兵衛」ではなく、「大岡越前」の「すっとびの辰三」なんですよね。全く未知の世界で、観るもの聞くものすべて新鮮で勉強になったこと。周囲のベテラン・大御所たちから、いろんなことを学んだこと。
そして、一番影響を受けたのは、やはり「初代」ご隠居、東野英治郎さんだそうで、晩年までそばにいてお世話をされたそうです。

そういうさまざまな経験を踏まえ、こちらも、世の中への思いも綴っていました。

お2人とも「真面目」、そして実に「謙虚」なんですね。

 

読んでいくうちに、加藤さんが元太郎さんに引っ張ってもらってる・・・・そんな印象を受けました。
きっと、現場では「立場逆転」な雰囲気だったのでは。

想像するだけで、楽しくなりました


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2 コメント

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両極端! (リューザキ弾正)
2015-03-13 23:15:15
表紙&タイトルからして両極端ですね(^^;)
スミマセン。まだ未読ですが・・・

加藤剛さんは、絶対に良いお人柄だろうなぁと察せられます。
御子息二人に、大河ドラマ「風と雲と虹と」での役名と
ドラマ「剣客商売」の役名を付けたことは存じ上げております。
穏やかな、きっと、こちらのイメージ通りの御方だろうなと、思えます。

高橋元太郎さん。NHKのスタパ、私も見ました。
穏やかな笑顔の方ですが、確かに「八兵衛」とは、良い意味で違う方ですね。
人を笑わせる演技が出来る方って、冷静な人間観察眼をお持ちの方が多いですけど、
著書を読むと、そういう感じなのでしょうか。

今度、読んでみます!
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Unknown (はぎお)
2015-03-14 18:01:17
>リューザキ弾正さん
こんにちは。

>表紙&タイトルからして両極端ですね(^^;)

そうでしょう^m^私も笑っちゃいました。

加藤さんは、なんというか「四角四面」という表現がピッタリ?!真面目で謙虚で。みなさんがイメージする通りの方ではないかと思います。でも、ユーモラスで、楽しそうな方のようで。

反面、元太郎さんは、登場するだけで思わず笑みがこぼれそうなほど、「笑顔」がお似合いの方ですが、実はクールな方。

>冷静な人間観察眼をお持ちの方

まさに、そんな印象。どこか物事を「遠くで見ている」そんな感じの方です。

どちらも新刊ではないので、Amazonの「中古品」で取り寄せました。よろしければぜひ!
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