全く存在を知らなかった方ですが、直木賞を受賞してからとても気になっていました。
そこへきて、映画化の話。
これは読まねば
続けての時代小説ですが、昼休憩の気分転換に挑戦してみました
蜩ノ記 | |
葉室 麟 | |
祥伝社 |
ストーリーはこちら(ネタバレです)↓
羽根(うね)藩。
城内で刃傷騒ぎを起こした檀野庄三郎(だんの しょうざぶろう)は、家老・中根兵右衛門の温情で切腹を免れたものの、7年前に藩主の側室との不義密通の罪で10年後の切腹と家譜の編纂を命じられ、向山村に幽閉されている戸田秋谷(とだ しゅうこく)の監視を命じられる。
秋谷の切腹の期日まで寝食を共にし、家譜の編纂を手伝いながら秋谷の誠実な人柄を目の当たりにするうちに、庄三郎は秋谷に敬愛の念を抱き、次第に秋谷の無実を確信するようになる。やがて庄三郎は、秋谷が切腹を命じられる原因となった側室襲撃事件の裏に隠された、もう1人の側室の出自に関する重大な疑惑に辿り着く。
戦国時代の「のぼうの城」とは全く違う、武士の世界が確立している江戸時代の話。
ページを開いた瞬間から、珍しく一気に惹きこまれました。
何しろ、文章が美しい
理不尽な武士の世の中と、一言もなく服そうとしている人物の背景が、ミステリータッチで進んでいく「ピンと張りつめた緊張感」とともに、田舎の土や風や木の匂いが感じられる。
一転、権力争いが渦巻く城下は、ホコリっぽい無機質な感じを受け、対照的でした。
それにしても、武士の世界は理不尽ですよねぇ。最後まで読んでも、なぜあそこまで陰謀を張り巡らせて権力争いを貫き通そうとするのか、疑問が残ります。(いや、もしかしたら現代社会にも通じるものはあるかもしれない)
それを、その日を迎えるまで、あれだけ穏やかに淡々と過ごすことができるか。
その生き方から、農民から武士に至るまで、周囲の人々は尊敬の念で見守っている。
主人公同様、秋谷の人物像に憧れますが、その心境に至るまでの過程をもう少し知りたかったなぁ
お勤めで失態を犯した主人公の心境の変化。
一家の大黒柱が数年後に死を迎えることを知りながら、ともにあえて「普通」に過ごそうとしている家族。
そして、その息子と農民の息子の友情。
オーソドックスですが、とても惹きこまれました
直木賞選考では、「ベテランならではの深みのある作品」との高評価があった反面、「清廉すぎる」「驚きがない」との意見もあったようで。
確かに、ラストは読み始めた時から感じられたし、目新しい事件があるわけではない。
でも、何というか、久しぶりに「王道な時代小説」を読んだ気がします。
アットホームでもあり、サスペンスもあり、アクションもあり、そしてその時代の空気感、さらには武士道を感じる・・・結末はわかっていても、読後はスカッと清々しい気持ちでした
葉室麟さん、結構好きな作家さんかもしれない
さて、この映画化では主人公に岡田准一くん。そして秋谷には役所広司さん。
絶対間違いない・・・とは思うんですが、もっと目新しい配役でもよかったのかなぁ~
いや、時代劇は安定感のある方たちにやっていただくのが落ち着くのかな
でも、この映画、結構秋谷の息子役が重要だと思うんですよね。
配役を見ても知らない方でしたが、さて、どうなるか??
公開を待ちかねている映画です。
両方に出ている人(「るろうに剣心」では左之助役)は、
こちらでは、どのような役でしょうか。
黒澤組スタッフと、役所さん岡田さん。
とても、楽しみです。
こんにちは。
「るろうに剣心」懐かしいですねぇ。
映画は未見ですが、アニメちょくちょく見てました。
宝塚ファンとしては、涼風真世さんが声優として出られるということで注目してましたが、結構はまってましたよね?!
左之助役の青木さんは、「蜩~」ではまだ何の役か発表になっていませんが、結構キーマンになるんじゃなかろうかと。
私も楽しみにしています。!