やっと見ました。今日が全国公演の千秋楽です
見た率直な感想・・・やっぱ美輪さんは「化け物」だった

悪い意味じゃないですよ。
70歳は超えているのに、あの美貌、軽やかな動き、そしてあの魂の叫びのような歌声・・・普通の人間じゃありませんわ
貧しいエディットは、乳飲み子と妹を養う為街角で歌う毎日。下町育ちで下品だが、その歌声は一目引かれていた。ある日、劇場主にスカウトされ舞台デビューする。それが、フランスを代表する歌姫「エディット・ピアフ」の波乱、そして愛に満ちた人生の始まり・・・
4時間という長時間。レミゼを超える観劇史上最長記録となった。正直見る前は「長すぎるよ~」とゲッソリしたが

始まってしまえばそんな思いはぶっ飛んだ。
ピアフの歌を織り交ぜた小気味いい演出、まばゆいばかりの衣装、そして、ほとんど出ずっぱりの美輪さんの演技を超えたピアフの姿に釘付けになった
最初に見出した劇場主がピアフを紹介した時、こう語った。
「彼女には他人のわかる優しい思いやりの心があります。それは愛であります。」歌と芸術を愛し、人を愛し続けたピアフ。それがついつい美輪さんとダブってしまって。見ている側も舞台と言うことを忘れ、美輪さん=ピアフから「愛」を与えられた気がした。
美輪さんだけでなく、妹役の新橋耐子さんがとてもよかった

甘えるばかりの妹から、スターになった姉を支えるしっかり者に変わるところはさすが。
その他、周囲の芸術家たちもさすがだった。今回1番楽しみにしていたのは松橋登さん。甘いマスクとちょっと鼻声の甘い声が昔から好きで

久しぶりにお目にかかってうれしかったなぁ

役柄もフランスの作詞家で、ピアフの育ての親というのがはまり役で。最初に見出した劇場主、山谷初男さんもよかったなぁ。真面目にやればやるほど笑えるってすごい。女装?もすごかった

期待の木村彰吾君、去年の「黒蜥蜴」よりはまり役だと思う。口跡がよく、なにより舞台栄えする体格。数年後が楽しみかな。
ただ、ラストに彼が歌ったのは・・・ここだけかな演出で不満だったのは

歌手の役とはいえ、美輪さんの後は気の毒だし、しかもあんまし巧くなかったし

帰りのバスで「わざと下手に歌ったのかな」と言ってる方もいたくらいで
まぁ、それを差し引いてもいい舞台だった。「本物」を見せてもらった気がした。
カーテンコールの2回目、空から金色の紙吹雪が落ちてきた時は、美しすぎて会場からどよめきが。とにかく美しかったのさ~
やっぱ「オーラの泉」効果か、去年の「黒蜥蜴」より年齢層が下がって、若い女性が多くなってた。次の公演はもっとそれが顕著に現れそう。