冥土院日本(MADE IN NIPPON)

『原発は核兵器製造所 その5』

前回の続きです。


■原子炉は軍事利用が目的で開発された

世界初の実用原子炉は地上用ではなく、潜水艦に搭載されたものである。通常型潜水艦はディーゼル機関を使用し、潜航時は蓄電池に蓄えた電力を利用する。電力がなくなれば浮上してディーゼル機関により発電機を回して充電しなければならない。

一方原子炉内における核反応には空気を必要としないために、水中においても発電機を回すことが出来る。乗組員の酸素が続く限り、原子力潜水艦は潜航を続けたまま軍事行動を継続する事が出来る。これは戦略的、戦術的に大いに有利となる。

動力源としての原子力の利用方法として、過去には商船や観測船などが作られたが製造・運営コストが高価なことと安全性が確保できない事、廃船の際原子炉の解体や核廃棄物の処理にこまるなど安全性の面からいずれも廃船となってしまった。

現在も原子炉が動力源として継続利用されているのは航空母艦や巡洋艦、潜水艦など軍事用の艦船に限られている。その理由は一度の燃料補給で、長期間、長距離を航続可能な事。船内スペースの多くを占有する燃料タンクを、航空機やミサイル搭載スペースに転用できる等のメリットがある為だ。軍事利用においては経済性や安全性等は優先されないのだ。

現代の技術システムというのは「経済的合理性」と「安全性」の両立が無ければ実用化はあり得ないし、継続的に利用される事はない。この二つが両立して成功した典型的な例としては、開業以来人身事故ゼロを誇る日本の新幹線システムであろう。

発電システムというものを考えた時、熱源に「原子炉」を使う事は「経済的合理性と安全性」を満たさず、理に叶ってない事はいまさら言うまでもない。資本主義の理論からすれば原子力発電はとっくに廃棄されるべき技術なのだが、何故ゆえに原子力発電が被爆国日本に導入され、狭い国土に54基もの原子炉が設置され現在に至ったのか? 

その理由は次回で。

コメント一覧

may
はじめまして。
ミスターフォトン様

是非、ブログの更新「その6」をお願いいたします。
ちゃまたろう
待ってました!
フォトンさんのブログ再開に今日気づきました。せっかく2012年になったので、アセンションで何が変わったのかも教えて欲しいです。今後も期待しています。
tm
ケネディ大統領は錬金術でアメリカの貨幣価値を変えようとしてユダヤ人に殺されたらしいです。
tm
ケネディ大統領は錬金術でアメリカの貨幣価値を変えようとしてユダヤ人に殺されたらしいです。
Ham
お久しぶりです!
先ほど、久し振りにブログ巡回をしていましたら、
フォトンさんのブログが再開されているではありませんか!

嬉しくなって、早速、
「原発は核兵器製造所:のその1からその5まで、
贅沢にまとめ読み致しました。

国民には決して見せない政府の裏側の政策が、
こうした結果を生み出してしまったことが、
とても残念に思います。

これからも更新楽しみにしています。
ありがとうございました! ^^

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