
どんどん進んで行くと、観光客がめっきりいなくなって、町の人ののどかな生活圏に入ってきた。
犬と遊ぶ子供、家先で籾を踏むお年寄り。
そして窓から聞こえるマージャンの音。覗き込んだ。
よくわからんマージャン。
手持ちに2/3枚の牌を持ち、ひとつずつ同時に出し、山から持って行く。あまり感情的なマージャンにはなっていない。
遠くにトラックの走る道があって、大きな鉄の橋が架かっている。
来た時バスが通った道だろうな。
戻ろう。


また少しずつお店が増えてきた。
思い出せないが、路上のおばさんから栗を買って橋の欄干で食べたことを記憶している。
欄干から、橋の脇にある家が丸見えだ。
高校生くらいの子が勉強をしている。
子供の頃、やはり、路地から家の中が見える生活をしていた。隣との生活の隔たりが今ほどなかったと思う。
そんな環境がこの町にはあるような気がした。


その欄干の脇に喫茶店が有った。そこへ口直しに入った。
中はなんとなく、日本の郊外にある、小さな手作りの喫茶店のように見える。
メニューに柳麺ジャパンスタイルと壁に有った。
日本風と云うのは、あっさりしてわけのわからんない物の入っていないラーメンを云うのかな?あっさりとした具の少ないラーメンが出てきた。でも麺は中国麺。太さにバラつきが有り長さにもバラつきがある。全部食べれた。量は少なかった。
コーヒーとトーストも戴く。


ここから、戻るには大きな橋を渡らないといけない。
20元で入場口まで運河を船でいける。
乗っていこう。
一人でも行ってくれる。これは、切符を売る人が仕切っており、「乗船一人でも文句を言うな」であり、日本の駅前タクシーが「近くても文句を言うな」と云うのに似ている。乗客の新陳代謝を優先している。


いきあたりバッタリの文になってしまったが、いい街だと思う。ゆっくり過ごそうと思えばできるし、江南古鎮の街の雰囲気を満喫しようと思えばできる。でも食事は???
今日は日帰りでまた世紀飯店に帰る。
来たバスはに乗って帰ることになる。早く来た人は早くかえって行く。僕のように遅く着た人は遅く帰って行く。
だから少し夕焼けのある町をあとにして帰ることができた。