「永遠のヴァカンス」愁堂れな・著 イラスト・椎名咲月 B-Prince文庫
2008年6月7日初版 324ページ 690円+税
愁堂作品には見切りをつけるべきか悩み中です。
ストーリーは・・・
厳選されたセレブのみ入島できるリゾートで、秘書・来生は社長の九条に迫られて逃げだし、夜道を彷徨っていた。そんな来生を助けてくれたのは、世界中が憧れるハリウッドスター・クリス。優しく真摯で、まるで王子様のような彼に来生は惹かれていく。しかも熱く口づけられて、来生は住む世界が違いすぎるクリスへの恋に悩み…?九条×エージェント・ビルの、体から始まるオトナの愛も収録。2カップルのトロける書き下ろしアリ。 というもの。
▼「本当に。世の中狭いと思ったよ」というセリフがすべてを表している
ごく普通の会社員・来生は勤務先の社長のお供で、「パラダイスアイランド」という超豪華リゾートにやってくる。
パラダイスアイランドというのは、中東の某国にある人工島で、世界でも有数のセレブだけが所有を許される別荘地だそうです。
先日、ドバイを題材にしたドキュメンタリーを見ていたら、これと同じような人工島のことが出てきました。ただしそちらは、ロシアの金持ちとかが投資物件として購入しているので、訪れる人はおらず、まるでゴーストタウンでしたけど・・・。
それはいいとして、来生はいきなり社長から襲われ、拒否をすると「お前の取り柄は顔だけだ」みたいなことを言われ、さらに傷つきます。社長の別荘を飛び出してトボトボと歩いていると、ハリウッドのトップスター、クリス・ケインに拾われます。
パスポート等、荷物は全て、社長の別荘に置いてきてしまったので、行き場所のなかった来生をクリスが別荘につれて帰り、なしくずしで関係が始まります。
この部分でもう、私は萎えてしまいました。「僕はゲイじゃありません」ってなことで社長を拒否した来生なのに、出会ったばかりのクリスにはあっさり身体を許します。要するに、嫌いなやつや気に食わないやつが気のあるそぶりをしたらセクハラだけど、好意を持っている人からコナかけられたらOKってやつじゃないですか。
社長と来生は知り合ってからそれなりに時間が経過しているし、来生も社長の有能なところは認めていました。でも、手を出されたら「NO」。ここまではいいのですが、ハリウッドのトップスターなら、出会って程なくやっちゃう・・・来生が節操なしに思えてしまいました。
この本には3本の話が収録されていて、
「永遠のヴァカンス」が来生とクリスの話。
「百万本の薔薇を君に」が、社長とクリスのエージェント、ビルの話。要するに、振られたもの同士がくっつく話です。
最後の「ヴァカンス イン パラダイス」が2組のその後の話です。
で、ハリウッドのトップスターと日本の普通の会社員がデキちゃうとんでもなくご都合主義な話があり、その次が1話目にできあがったカップルそれぞれに振られた人がくっつくという、ご都合主義もここにきわまれりな話なわけです。
P196に社長とビルの「それにしても偶然というのはも面白いな」
「本当に。世の中狭いと思ったよ」
「狭いも狭い。ピンポイントだな」という会話があるのですが、これはこの本を読んだすべての人が突っ込むのではないかと思います。
愁堂先生の話はあまりにも王道・・・というかヒネリがなさ過ぎるように思います。
加えて、セリフで印象に残るものもないし、多作なのですが、その分、古本屋に持っていっても、新刊でも激しく値崩れしていて・・・・・・。「北の漁場」くらい設定がぶっとんでいる話を期待します。
2008年6月7日初版 324ページ 690円+税
愁堂作品には見切りをつけるべきか悩み中です。
ストーリーは・・・
厳選されたセレブのみ入島できるリゾートで、秘書・来生は社長の九条に迫られて逃げだし、夜道を彷徨っていた。そんな来生を助けてくれたのは、世界中が憧れるハリウッドスター・クリス。優しく真摯で、まるで王子様のような彼に来生は惹かれていく。しかも熱く口づけられて、来生は住む世界が違いすぎるクリスへの恋に悩み…?九条×エージェント・ビルの、体から始まるオトナの愛も収録。2カップルのトロける書き下ろしアリ。 というもの。
▼「本当に。世の中狭いと思ったよ」というセリフがすべてを表している
ごく普通の会社員・来生は勤務先の社長のお供で、「パラダイスアイランド」という超豪華リゾートにやってくる。
パラダイスアイランドというのは、中東の某国にある人工島で、世界でも有数のセレブだけが所有を許される別荘地だそうです。
先日、ドバイを題材にしたドキュメンタリーを見ていたら、これと同じような人工島のことが出てきました。ただしそちらは、ロシアの金持ちとかが投資物件として購入しているので、訪れる人はおらず、まるでゴーストタウンでしたけど・・・。
それはいいとして、来生はいきなり社長から襲われ、拒否をすると「お前の取り柄は顔だけだ」みたいなことを言われ、さらに傷つきます。社長の別荘を飛び出してトボトボと歩いていると、ハリウッドのトップスター、クリス・ケインに拾われます。
パスポート等、荷物は全て、社長の別荘に置いてきてしまったので、行き場所のなかった来生をクリスが別荘につれて帰り、なしくずしで関係が始まります。
この部分でもう、私は萎えてしまいました。「僕はゲイじゃありません」ってなことで社長を拒否した来生なのに、出会ったばかりのクリスにはあっさり身体を許します。要するに、嫌いなやつや気に食わないやつが気のあるそぶりをしたらセクハラだけど、好意を持っている人からコナかけられたらOKってやつじゃないですか。
社長と来生は知り合ってからそれなりに時間が経過しているし、来生も社長の有能なところは認めていました。でも、手を出されたら「NO」。ここまではいいのですが、ハリウッドのトップスターなら、出会って程なくやっちゃう・・・来生が節操なしに思えてしまいました。
この本には3本の話が収録されていて、
「永遠のヴァカンス」が来生とクリスの話。
「百万本の薔薇を君に」が、社長とクリスのエージェント、ビルの話。要するに、振られたもの同士がくっつく話です。
最後の「ヴァカンス イン パラダイス」が2組のその後の話です。
で、ハリウッドのトップスターと日本の普通の会社員がデキちゃうとんでもなくご都合主義な話があり、その次が1話目にできあがったカップルそれぞれに振られた人がくっつくという、ご都合主義もここにきわまれりな話なわけです。
P196に社長とビルの「それにしても偶然というのはも面白いな」
「本当に。世の中狭いと思ったよ」
「狭いも狭い。ピンポイントだな」という会話があるのですが、これはこの本を読んだすべての人が突っ込むのではないかと思います。
愁堂先生の話はあまりにも王道・・・というかヒネリがなさ過ぎるように思います。
加えて、セリフで印象に残るものもないし、多作なのですが、その分、古本屋に持っていっても、新刊でも激しく値崩れしていて・・・・・・。「北の漁場」くらい設定がぶっとんでいる話を期待します。