ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「あなたの指は僕を奏でる」結城 瑛朱・著 イラスト・ すがはら 竜 (イラスト)

2010-02-07 15:58:19 | 読むんじゃなかった
「あなたの指は僕を奏でる」結城 瑛朱・著 イラスト・ すがはら竜 ワンツーマガジン社アルルノベルズ
 2009年4月10日初版 242ページ 857円+税

 結城先生は調べたことを全部書きたい人なんでしょうねぇ。
 読まされるほうの立場になって考えたらもうちょっとマシになるでしょうに。

ストーリーは・・・『いつか、必ず夏生を迎えにくる』―十年前の約束通り、音大生になった夏生の前に外科医・宮本は現れた。優しげな面影が精悍な大人の余裕に変わっていても、その手を待ち続けていた夏生にためらいはなかった。しかし夏生に知らされたのは、異母兄が夏生を売ったという事実で!?夏生を所有物と言い放ち、その立場を思い知らせるように暴力的なまでの快楽を与える宮本。だが、まるで大切な者を呼ぶような声音に、夏生はいつしか惹かれていき…というもの。

 とにかく台詞回しが大仰。
 「・・・・・・時折、俺は神とやらに試されるような気がしてならない。そんなふうに、思うことがある」
 「・・・・・・僕も、神様の存在を感じる時があります」「たとえばJ・Sバッハの円熟期に書かれた曲を弾いているとき、彼のスコアは緻密に描かれた設計図のようだと思うときがあります。それを解き明かし、彼の音楽を奏でられた時、穏やかで優雅。そして輝かしいばかりの神々しい光に満ちた、荘厳な世界が僕の前に現れる。人の世は矛盾ばかりだけど(後略)」(P108-110あたり)
 こんなんがヤッたあとのピロートーク。

 今回、受けがピアニスト志望ってことで、きっと結城先生はいろいろ調べられたんだと思うんですよ。レッスンの時にどんな曲を弾くとか。
 で、せっかく調べたんだから、「私はこんなに調べたのよ!」というのを披露したいと思ったんでしょうか。なんかやたらと書いてあります。
 それがストーリーに絡んでいればいいんですけど、完全に脇のエピソードなので、私にはすごくウザかったです。
 たとえば125ページの最後数行から、受けのある日の練習風景がかれているのですが、「いつものように、アルペジオとスケールからはじめ、J・Sバッハの「平均律クラヴィーア曲集』、フレデリック・ショパンのふたつある練習曲集のうち「練習曲集作品10』と『練習曲作品25』、フランツ・リストの『超絶技巧練習曲』『パガニーニによる大練習曲』(攻略)」とその後、数ページにわたり、どんな曲を練習しているかがだらだら説明されています。

 表現にメリハリがないし、10年前の約束云々で予定調和の話だし、面白いと思えるポイントがひとつもありませんでした。
 イラストもダメでした。

 そもそもJ・Sバッハって書き方、どうなんでしょうか?
 ミドルネームとラストネームの間にも・打ったっていいんじゃないかと。

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