「リロード」 いおかいつき著 イラスト:國沢智 2006/05/25初版 218ページ
「トゥルース」 いおかいつき著 イラスト:國沢智 2006/11/25初版 224ページ
主人公の河東一馬は警視庁の検挙率NO.1の刑事。科学技術捜査研究所(科捜研)に中途採用された新人研究員の神宮聡志とはソリが会わない。
1作目「リロード」では女好きの河東と、ゲイだがバリタチの神宮はあるきっかけから肉体関係を持つが、どちらとも「攻め」・・・という話に、神宮寺が大学の助教授を辞めてまで科捜研にやってきたのか、という事件が絡む。
2作目「トゥルース」では一応、お付き合いを始めた2人の話。フランス人の天才科学者ジュールが来日し、空港でたまたまジュールと関わった河東が、ジュールのボディーガードをすることになり・・・というドタバタ話。
いおかいつきさんはBLでは結構冊数を出している方で、人気もあるのだろうけど(少なくともこれだけ本を出せるということは、それなりに売れてないと無理)、これまで、何冊か読んだけど全く印象に残っていない。文章が下手だったり、話が破綻しまくってたりするとそれはそれで印象に残るのだが、そういうことはないんだけれども。代表作は「真昼の月」シリーズなんですかね。これは未読ですが。
さて、この話。「リロード」のほうはそれなりに読めました。サスペンスの部分はまぁ、BLのレベルだったけれども、「攻め」×「攻め」のやり取りはそれなりに楽しめた。
だけど2作目の「トゥルース」はかなりグダグダ。
山田ユギさんが「BLは『恋が成就するまで』の話がメインなので、出来上がってしまうとどうしても・・・」のようなことをインタビューでおっしゃってましたが、この話の場合、恋の成就+どっちが攻めなのかにも、1作目で一応、決着が出てしまっていた。
その上での2作目なので、続きを書くのが難しかったのではないか・・・とは思いますが、残念ながら失敗してしまったのだと思います。
まず、河東が刑事という職を離れて、ジュールのSPとなってしまった(期間限定だけど)。神宮寺も無理やり通訳としてジュールに同行することになり、警察と科捜研という職場から離れることとなってしまった。結果、「リロード」であった組織の対立構造がなくなり、作品として失速してしまった感がある。せめて数作、警察と科捜研での話を書いて、番外編的に職場外での二人・・・となっていればよかったのではないかと思う。
1作目で無理やりヤられてしまった河東だったが、2作目でリベンジどころか、なし崩し状態の上、別の男にまで手を出されてしまう。1作目の「どちらが攻めか」という見所が、2作目ではとっとと切り捨てられてしまっていた。これはちょっと勿体無いように思った。
2作目の準主役級、ジュールは最初のころ「日本語ができない」という設定だったので、主人公の河東とコミュニケーションが取れない。となると、どうしても小説の場合、描写が難しくなる。力量がある作家さんなら、それも上手く書いてしまうのかもしれないが、この作品では完全に足かせになっていた。
会話ができない二人が恋仲で好意は抱いているのに、伝えられない・・・そんな話ならまだよかった気がするが、河東は神宮寺とデキちゃってるので、ジュールを相手にすることもしない。
「トゥルース」はいろいろ設定を作ってみたものの、上手く活かせなかったように思う。文章も説明文ばかりで、読んでいてかなりつらかった。
1作目が2006年5月に出版で2作目が2006年に11月出版というスケジュール。1作目の評判がよかったので2作目が決定したのか、最初から2冊出す予定だったのかわからないが、2作目のデキがこれでは1作目だけで終わらせておけば・・・と、思わざるを得ない。
「トゥルース」 いおかいつき著 イラスト:國沢智 2006/11/25初版 224ページ
主人公の河東一馬は警視庁の検挙率NO.1の刑事。科学技術捜査研究所(科捜研)に中途採用された新人研究員の神宮聡志とはソリが会わない。
1作目「リロード」では女好きの河東と、ゲイだがバリタチの神宮はあるきっかけから肉体関係を持つが、どちらとも「攻め」・・・という話に、神宮寺が大学の助教授を辞めてまで科捜研にやってきたのか、という事件が絡む。
2作目「トゥルース」では一応、お付き合いを始めた2人の話。フランス人の天才科学者ジュールが来日し、空港でたまたまジュールと関わった河東が、ジュールのボディーガードをすることになり・・・というドタバタ話。
いおかいつきさんはBLでは結構冊数を出している方で、人気もあるのだろうけど(少なくともこれだけ本を出せるということは、それなりに売れてないと無理)、これまで、何冊か読んだけど全く印象に残っていない。文章が下手だったり、話が破綻しまくってたりするとそれはそれで印象に残るのだが、そういうことはないんだけれども。代表作は「真昼の月」シリーズなんですかね。これは未読ですが。
さて、この話。「リロード」のほうはそれなりに読めました。サスペンスの部分はまぁ、BLのレベルだったけれども、「攻め」×「攻め」のやり取りはそれなりに楽しめた。
だけど2作目の「トゥルース」はかなりグダグダ。
山田ユギさんが「BLは『恋が成就するまで』の話がメインなので、出来上がってしまうとどうしても・・・」のようなことをインタビューでおっしゃってましたが、この話の場合、恋の成就+どっちが攻めなのかにも、1作目で一応、決着が出てしまっていた。
その上での2作目なので、続きを書くのが難しかったのではないか・・・とは思いますが、残念ながら失敗してしまったのだと思います。
まず、河東が刑事という職を離れて、ジュールのSPとなってしまった(期間限定だけど)。神宮寺も無理やり通訳としてジュールに同行することになり、警察と科捜研という職場から離れることとなってしまった。結果、「リロード」であった組織の対立構造がなくなり、作品として失速してしまった感がある。せめて数作、警察と科捜研での話を書いて、番外編的に職場外での二人・・・となっていればよかったのではないかと思う。
1作目で無理やりヤられてしまった河東だったが、2作目でリベンジどころか、なし崩し状態の上、別の男にまで手を出されてしまう。1作目の「どちらが攻めか」という見所が、2作目ではとっとと切り捨てられてしまっていた。これはちょっと勿体無いように思った。
2作目の準主役級、ジュールは最初のころ「日本語ができない」という設定だったので、主人公の河東とコミュニケーションが取れない。となると、どうしても小説の場合、描写が難しくなる。力量がある作家さんなら、それも上手く書いてしまうのかもしれないが、この作品では完全に足かせになっていた。
会話ができない二人が恋仲で好意は抱いているのに、伝えられない・・・そんな話ならまだよかった気がするが、河東は神宮寺とデキちゃってるので、ジュールを相手にすることもしない。
「トゥルース」はいろいろ設定を作ってみたものの、上手く活かせなかったように思う。文章も説明文ばかりで、読んでいてかなりつらかった。
1作目が2006年5月に出版で2作目が2006年に11月出版というスケジュール。1作目の評判がよかったので2作目が決定したのか、最初から2冊出す予定だったのかわからないが、2作目のデキがこれでは1作目だけで終わらせておけば・・・と、思わざるを得ない。