ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「哀しみは雪のように」いとう由貴・著 イラスト・上田規代 心交社ショコラノベルズハイパー

2009-12-11 17:15:07 | ア行作者未分類
「哀しみは雪のように」いとう由貴・著 イラスト・上田規代 心交社ショコラノベルズハイパー
 2009年2月10日初版 226ページ 850円+税

 ストーリーは・・・普通の高校生だった越智葵は、義父の借金から暴力団、宗和会に己の身を売ることになった。友好の証にとロシアマフィアに贈られた葵は、性奴として淫蕩の限りをつくされ、躰を淫らにつくりかえられていく。老齢で葵を抱けないボスは、養子で組織のナンバー2のロジオンに葵を抱かせ、歪んだ欲望を満足させていた。絶望的な境遇の中、優しさを示し、愛称で呼ぶことを許してくれたロジオンに葵は惹かれていくが―。怜悧な美貌のマフィアと日本人の少年のデッドエンド・ラブストーリー というもの。

 無理やり拉致された日本人の受けが、外国のヤクザ組織のヘッドにどうにかされて、調教役の男が別にいて、調教役に優しくされて惚れるんだけど、調教役が受けに優しくしたのには理由があって・・・・・・と、いとう先生の「月に濡れる密約」 http://blog.goo.ne.jp/pecoroma/e/1fee41198fd7dde9b4ecd2e574ae3a12とかなりかぶっています。

 エロ度はこちらのほうが上かもしれません。

 「俺は誰も愛さない」みたいな攻めが、受けをだまくらかす。
 受けが攻めのために何かしたところで、「お前なんて愛してない。目的達成のための道具だ」と攻めが暴露。
 受けは傷ついて、あれやこれやあるのですが、受けのけなげな心が攻めの氷の心を溶かす・・・・・・なんか、おとぎ話のフォーマットと同じですね。
 よくあるBLのフォーマットっていったらそうなんですけど、私はいとう先生はこの手の話の書き手としては、一歩、抜けていると思います。
 というのも、受けのけなげさに攻めがぐらっとくるところは一緒なんですけど、受けはけなげさ+アルファがあるんですよ。
 どれだけ身体を汚されようと云々~とかじゃなくて、たとえば今回の話の場合、愛していた攻めに裏切られ、それでも攻めを愛している受けは、攻めの憎む祖父から攻めを開放しなければ・・・・・・と、思い、攻めのためにマフィアの前のドン(攻めの祖父)を殺そうとします。無論、お約束で攻めが間に合って受けが殺人を犯すことはないんですけどね、単にけなげ、なだけではなく、もうひとつ理由があるのがいとう先生ならではだな、と思います。

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