ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「恋せよまりも」早瀬亮・著 イラスト・音鵺 二見書房シャレードパール文庫

2008-09-22 11:35:53 | 読むんじゃなかった
 「恋せよまりも」早瀬亮・著 イラスト・音鵺 二見書房シャレードパール文庫
 2008年1月15日初版 132ページ 476円+税

  久々にコメディが読みたくなりまして、タイトルからしていかにもコメディなこの作品を買ってみました。

ストーリーは・・・
 隔世遺伝の緑色の瞳がコンプレックスの真は、憧れの会社へ入社が叶ったのを機に、勇気を出して黒いカラーコンタクトを外した。ところが出社早々他の社員たちに「この色はまずい」とコンタクト装着を義務づけられてしまう。なぜなら、副社長である吉村は極度の緑色好き―ミドリイロマニアだったからだ。見た目はいいのに変わっている変態…いや、上司から身を守れと言われ戸惑う真。果たして噂の吉村は、緑色をこよなく愛し、仕事ができるイケメン、でも実は恋愛恐怖症なのにセクハラをしかけてくるという忙しい男で…。  というもの。


●この設定を許容できるか
 コメディ作品って、難しいですよね。明らかに小説よりは映像向けの素材だと思います。
 BLとなると、そのルーツ(!?)と思しきJUNEなんかだと、どっちかといわれなくても暗くて重厚なお話がおおかったので、読んで笑えるような作品は殆どなかったように思います。

 さて、この作品。コメディとするには少々厳しいのですが、明るい、いわゆる「ラブコメ」を目指したのは間違いないと思います。それが成功しているかは別ですが。
 
 「恋せよまりも」というタイトルですが、本当の毬藻が主人公なわけではなく、主役の真が隔世遺伝で緑色の瞳を持っており、「まこと」という名前だからなのか「まりも」と呼ばれるのです。「ま」しか同じはないじゃないか~!!というつっこみは、作中でもなされています。
 真の瞳が緑色の理由ですが、祖父がイギリス人で隔世遺伝らしい・・・という説明がなされています。しかし、祖父はすでに亡く、真自身、あまり実感ができていません。それ以上に納得できなかったのが真の実の父親で、真の瞳が緑色であることで、母親にあらぬ疑いを向け、DNA鑑定をしたり、お土産でもらった毬藻を「真の瞳を連想させる」という理由からなのか、トイレに流したりして、あげくのはてに母親と離婚します。離婚理由は真の瞳が緑色だったから・・・らしいです。
 
 自分の瞳のせいで父親に捨てられたことがトラウマとなり、真はカラーコンタクトで黒い瞳を装うようになります。そして社会人となって、企画会社に入社。そこで「自分を偽ることはしたくない」と思い、裸眼で会社生活を送ろうと思うのですが、そこには緑色が大好きなミドリイロマニアの吉村がいました。社員は「真の顔は吉村の好みだから、その上、瞳が緑色ともなれば、真の貞操が危ない」と言い出し、再びカラーコンタクトをつけることになります。
 カラーコンタクトをつけたにも関わらず、吉村は真にセクハラを仕掛け、押せ押せムードの中、話は進みます。

 いろいろ突っ込みどころはあるのですが、まず、真の父親。
 真が隔世遺伝ということは、真の母親はハーフなわけですよね?(今はハーフって使っちゃいけないんだっけ?)
 そうなると、顔つきも外人っぽかっただろうから、そこ子供(クォーター)に隔世遺伝が出て、なぜそこまで驚くのでしょうか?母親はまったく日本人にしか見えなかったのかしら・・・。ハーフと結婚したら当然、そういうことも起こりえる・・・とは思えなかったのでしょうか?
 真が生まれた時にはイギリス人の祖父は存命していなかったのかもしれませんが、結婚時から既にいなかったのでしょうか?結婚時にいなかったとしても、ハーフ顔の母親は「父はイギリス人なの」と言わなかったのでしょうか?
 なんというのか、真のトラウマの作り方があまりにも不自然な気がしました。

 次に、吉村が「ミドリイロマニア」という設定ですが、これもずいぶん、珍妙ですよね。BLには、いろんな「マニア」が登場しますが、なんつーのか、物語を盛り上げるための設定なわけで、それが受け入れられるかどうかで、そのお話を楽しむことができるか決まると思います。
 私の場合、「ありえね~」と思われる設定が話の冒頭から続き、イラストのあまりの下手さも手伝って、とても読めたものではありませんでした。
 真がセクハラ(会社で乳首もまれていたり、押し倒されたり・・・という、かなり問題となりそうなセクハラ)を受けていても、何とも思わない社員たち。「ありえね~」と思う以上に、恐ろしいと思いましたよ。そんな社員がいると小説に書くセンスを疑います。そういうハチャメチャな作品ならまだしも・・・。

 小説もさることながら、イラストもひどかった。いかにもデジタルな彩色に、狂ったデッサン・・・巷の同人誌の作画レベルのほうが上だと思います。
 エロは非常に薄いです。パール文庫って、エロ増量路線かと思っていましたが、違うのかしら・・・。
 表紙を見て、「ダメだろうなぁ~」と思い、ネタのつもりで購入しましたが・・・その結果がこれなので、今度からは自分の直感を信じたいと思います。
 

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