ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「溺れる純愛」杏野朝水・著 イラスト・紺野けい子 海王社ガッシュ文庫

2008-09-21 12:06:43 | ボーイズラブ小説
「溺れる純愛」杏野朝水・著 イラスト・紺野けい子 海王社ガッシュ文庫
 2008年8月10日初版 246ページ 552円+税

 紺野けい子先生のイラストにつられて購入。紺野先生はガッシュ文庫では初めてのイラスト作品だそうです。
 
 ストーリーは・・・
 仕事は完璧、愛想は皆無。営業一課でクールビューティの異名を持つ岸原。年に一度、神経を尖らす繁忙期を前にして、同期の都倉が栄転してきた。仕事はできても常に揶揄う口調の彼は、岸原に冷静さを失わせる…いけ好かない男。けれど、無理やり参加させられた親睦会で、酔い潰れて記憶を失った岸原はその夜、彼のベッドで目覚める。「…何をすれば帳消しになる?」醜態を晒したままなのが悔しくて…岸原は週に一回期限付きの条件で、都倉に抱かれることを承諾してしまい…。
   というもの。


●「~のかわりに抱かせろ」はBLの常套句ですが・・・
 男が男に「~のかわりに抱かせろ」ということは、実生活ではあまりないことなのでしょうが、こと、BLともなると実に「ありがち」なセリフではあります。
 
 ~の部分には、借金だったり、何らかの弱みが入るわけですけれども、今回の場合は、受けが酔って「攻めをうらやましいと思っている」みたいなことを言った・・・ただそれだけのことなのです。
 あらすじには「彼のベッドで目覚める」とありますが、ヤったわけではなく、本当に酔っていた主人公を介抱しただけなのです。
 
 泥酔して、お世話になって、「お前がうらやましい」と言った・・・たったこれだけをバラされたからと言って、どれだけダメージがあるのか。
 人それぞれなのかもしれませんが、これだけのことで、好意を抱いている相手にならまだしも、嫌っている相手に抱かれてもいいと考える岸原にあまり感情移入ができませんでした。

 それ以前に、この岸原というキャラ(受け)。
 あらすじでもクールビューティーと紹介されていますが、単に性格が悪いだけのようにしか思えませんでした。仕事はできるけれども、愛想がない。自分の仕事の担当場所にヘルプできた社員やバイトが「使えない」と、無愛想に対応し「だいぶ辛抱強くなったな、俺も」と悦に入る。
 現実世界では、いくら美形でもこういう男は女から嫌われると思うのですが、なぜか「岸原さん、美形だから」ともてはやされ続けます。

 攻めの都倉は「欲しいだろ?俺が。ちゃんと言えよ」とか「お前は何も考えずに、ただ俺に抱かれてろ」とか自信過剰としか思えない発言を合体最中に繰り返す傲慢男で、読んでいて頭が痛くなってきました。実際、こんなことを言われたら笑ってしまうとかもしれません。
 
 エリートでもなんでもない、普通の会社員2人がカップルなので、紺野けい子さんのイラストというのは理想だったと思いますが、この本は完全にイラスト負けしているというか・・・・・・この本に紺野先生起用は非常にもったいなかったと思います。

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