ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「禁断の花園」牧山とも・著 イラスト・しおべり由生 オークラ出版プリズム文庫

2008-12-01 23:03:56 | ボーイズラブ漫画
「禁断の花園」牧山とも・著 イラスト・しおべり由生 オークラ出版プリズム文庫
 2007年11月23日初版

 「禁断の花園」とは何なのか。それは・・・

ストーリーは・・・
 不本意にも女性下着メーカーに就職した千歳は、女子社員に人気の織田が教育係になったことで、同じ課の女性陣から敵対視されるハメになる。そんな四面楚歌のなか、女性の下着をつくることに抵抗を覚える千歳の気持ちを改善させようと、織田が千歳に商品をためせと強要!女性用下着を無理やりつけさせられ、つけ心地や伸縮性、はては吸水性まで確認させられることになってしまい!?というもの


 タイトルの意味を普通に考えると、職場である「女性下着メーカー」が主人公にとっての「秘密の花園」になると思うのですが、残念ながら本作では「秘密の花園」がまったく活かされていません。
 
 主人公の千歳は、下着メーカーの創業者一族の息子なわけですが、なぜか会社の社員たちから苛められます。その主な理由というのが、社長の息子ってことで労せずに就職したことと、女性社員の憧れの的の小田が千歳の教育係になり、千歳が小田に迷惑をかけているから・・・という理由。いや~、まったくリアリティがないと思いました。
 普通、社長の親族が入ってきたら、苛めますか?
 小田はかっこよくて有能だから女性社員に人気がある(結婚したい、と狙われている)、それはいいとして、社長の息子でしかもハンサム・・・とくれば、千歳を狙う女性社員が出てもおかしくありません。放蕩息子ならともかく、それなり以上の大学を出たピカピカの新卒です。
 いくら有能でも一介の社員と、いずれ会社の幹部、もしかして社長になるかもしれない御曹司。どっちが玉の輿かは歴然としています。

 会社で浮いている千歳は、なんとか挽回しようとはりきって新商品のアイディア(シルク製のブラとショーツ。ホック部分はプラチナという爆笑モノ)を出しますが、当然、社内会議で一蹴されます。
 そんな千歳を小田が優しく慰めるのかと思いきや、ひたすらセクハラをしまくるのです。無理やりキスに始まり、身体をまさぐったり。挙句の果てには「プレゼンに失敗したのは、商品を理解していないからだ」と言い出し、自分の前で女性の下着をつけることを強要。つけた状態で犯します。一応、千歳も感じて、きわまってしまうのですが、まぁ・・・・・・強姦ですよね。
 私はこの、セクハラ→強姦(アマアマに書いてはいるけど)を受け付けることができませんでした。
 
 小田が千歳にセクハラをしかけるというのは、小田はもとからゲイって設定ですよね。で、特段嫌がりもせずにそれを受け入れる千歳ももとからゲイなのかと思いきや(少なくとも男性とキスしたりすることに抵抗感を持たない・・・・という設定じゃないとおかしいですよね)と、思いきや、入社するまでは女性とつきあってたり~~ということが書いてある。
 なんというのか、このあたりの描写の稚拙さ、BL小説に出てくる男はホモに決まってるだろ!!的なところはは二次創作出身の作家さんを思わせました。

 とにかく、千歳も小田も、仕事中だろうが会社の中だろうがヤリまくっているだけで、女性下着メーカーで働く男たちという面白い設定をまったく生かせていません。
 その上、小田が「お前の弟、食った」と、千歳の姉(小田の上司)に言っても千歳の姉は「そう」と簡単に許してしまいます。ここまでくるともう理解不能です。
 もともと千歳がホモであることを受け入れていて、「千歳にいいパートナーが現れるといいな」なんて思っていたのならまだしも、いきなり「(ホモではなかった)千歳がホモ(行為をしている)」と聞かされ、しかも相手が自分が信頼している部下・・・。そんなシチュエーションで「じゃ、いいわ」と言う姉。大物なのか、人間としての感情が欠如しているのか・・・。
 
 それまで男性が好きだとか思ったこともなかったのに、男からセクハラを受けても拒否らしい拒否もせず受け入れる千歳。
 自分の会社の社長の息子(上司の弟)に平然とセクハラを行う攻めの小田→普通の会社員なら、千歳が騒ぎ立てた段階で解雇間違いナシ、下手したら警察沙汰なので、よほどの覚悟が無い限り、セクハラなんてできないですよね?
 弟がホモに手篭めにされてもなんとも思わない千歳の姉。私なんて、もし、男兄弟が居たら、その人がホモだとわかっただけでもショックですけどね。
 この話に出てくるキャラクターを一人として理解できませんでした。


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