2018年4月28日(土)、いちのせき健康の森(一関市厳美町字祭畤251番地)主催の「平成30年度自然観察会・春の妖精をみよう」(9:30~12:00、参加費:中学生以上・75円=温泉入浴料を含む)に参加しました。朝から「降水量0パーセント」の行楽日和に恵まれて楽しく過ごしてきました。4月14日(土)に行われた「自然観察会・ミズバショウをみよう」にも参加したのですが、この一週間の間に里の桜(ほとんどが「染井吉野」)すっかり葉桜になっていました。
観察場所は「巨木の森」として知られている厳美町真湯の国有林内。駐車場から芝のゲートボール場沿いの散策路(探勝遊歩道)を進むと、クロモジ(黒文字)、ブナ(橅)、カタクリ(片栗)、エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)、ミヤマカタバミ(深山片喰)、スミレサイシン(菫細辛)、イワウチワ、ニリンソウ、エンレイソウ、イタヤカエデなどが花を咲かせていました。
スミレサイシン(菫細辛)の花を咲かせているものは数株しか見つけられませんでした。
スミレサイシン(菫細辛)スミレ科 スミレ属 Viola vaginata
北海道南西部~山口県までの日本海側(北日本では太平洋側にも分布)の雪の多い山地の林内に自生する多年草。高さ5~15cm。地下茎[根茎]は太くて長いので、擂りおろして食用(とろろにして食べる)にすることから「トロロスミレ」と呼ぶ地方もある。
葉は花に遅れて地際から何枚か出す。長さ3~5cmのハート形で先端は尖る。花後の葉は長さ14cmにもなる。花期には葉のへりが内側に巻き込み、花が終わる頃に開くのが特徴。花期は3~5月、雪解けとともに花を開く。花は直径2~2.5cmほどで、ふつう淡紫色。花びらが5枚、一番目立つのは唇弁。花茎の先に花が1つずつ咲く。側弁の基部は無毛。距は長さ4~5mmで太くて短い。雌しべの柱頭はくちばし状に長くなる。分布:北海道、本州、四国
和名の「サイシン(細辛)」は、江戸時代に流行した植物に「カンアオイ」類があり、その仲間で冬季落葉性の「ウスバサイシン」(根を舐めると非常に辛く、葉柄が細いので「細辛」:ヒメギフチョウの幼虫の食草として良く知られている)の葉に良く似ていることによる。仲間には、葉の長い「ナガバノスミレサイシン」、葉が細長く山陰に多い「サンインスミレサイシン(山陰菫細辛)
f.satomii」、白花品の「シロバナスミレサイシン(白花菫細辛)f.albiflora」がある。
なお、スミレサイシン類は、日本から朝鮮半島、中国、ヒマラヤにかけて、6~7種が知られる。そのうち、日本には5種が自生するとのこと。発達した地下茎が共通の特徴。
https://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/747f551e036edf636c818055d9f85fc7 [peaの植物図鑑:奥州市前沢区・経塚山のスミレサイシン(菫細辛)2007年74月29日(日)]