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2006 8.15 小泉総理インタビュー 備忘録

2006-08-19 22:17:00 | 国会議員

 

 

小泉総理インタビュー

平成18年8月15日

【質疑応答】

【質問】 総理、今回はどのような気持ちで参拝されましたでしょうか。

【小泉総理】 これは毎回申し上げているのですが、日本は過去の戦争を踏まえ反省しつつ、二度と戦争を起こしてはならない。そして今日の日本の平和と繁栄というのは、現在生きている人だけで成り立っているのではないと。戦争で尊い命を犠牲にされた、そういう方々の上に今の日本というのは今日があると。戦争に行って、祖国の為、また家族の為、命を投げ出さなければならなかった犠牲者に対して、心からなる敬意と感謝の念を持って靖国神社に参拝しております。今年もこの気持ちに変わりはありません。

 今までの過去5年間の私の靖国神社参拝に対する批判をね、よく考えて見ますと、大方、3点に要約されるんじゃないかと思います。まず一つはね、中国・韓国は不愉快であると反発しているからやめろという意見。これはどうですかね、私は日中・日韓友好論者なんです。就任以来、現に中国や韓国との友好交流、様々な分野で拡大を続けております。そういう中で、どの国ともね、一つや二つ意見の違い、対立あります。それで、一つの意見の違いがある、不愉快なことあると、それによって首脳会談を行なわないことが良いのかどうかと、私はいつでも首脳会談を行う用意があると言っているんですよ。しかも、靖国神社参拝を条件にしてね、この参拝をしなければ首脳会談を行うと、するならば首脳会談行わないというのが、果たして良いのかどうか。私は、これはよろしくないと思っています。

 日本の首相というのは、民主的な手続によって選ばれた首相であります。日中間、日韓の間には様々な課題もある。私は今までの日中首脳会談、日韓首脳会談においても、未来志向で友好を図っていこうと、お互い、相互互恵、相互依存関係、これを深めていこうと、中国の発展、韓国の発展というのは日本に脅威というよりも、むしろ日本にとってもチャンスなんだという事をはっきり表明して、未来志向で友好、交流を進めていこうということを申し上げているんです。それに対して、私を批判する方、これは、しかし中国が嫌がっていることはやるなと、突き詰めて言うと、中国・韓国が不快に思うことはやるなということでしょ、これについて批判する方をどう思うか。

 もし私が一つの問題で私が不愉快に思う、仮にね、中国・韓国が日本の安保理常任理事国入りに反対しています。これは日本にとっては不愉快だと、だから私は中国・韓国と首脳会談行わないといったらどちらを批判するでしょう。私は中国が反対しても、韓国が反対しても、首脳会談いつでも行いましょうと言っているんですよ。今回もそうですね、私が拒否しているんじゃないんです。という事は、中国の嫌がることは止めなさいというのが靖国参拝批判の一つですね。中国に不快な思いをさせちゃいけません。中国のいうことを聞きなさい、韓国のいうことを聞きなさい、そうすればアジア外交が上手くいきます。私は必ずしもそうじゃないと思いますね。一つや二つ、どの国も意見の違いや対立あります、そういうのを乗越えて未来志向で友好関係を進展させていくのが、日本としても他国にしても大事じゃないでしょうか。

 中にはね、小泉はアメリカと親しいと、アメリカのブッシュ大統領が靖国参拝するなと言えばしないだろうと。そんなことはありません、ブッシュ大統領が靖国参拝するなと私に言ったとしても、私は行きます。もっともね、ブッシュ大統領はそんな大人気ないことは言いませんけどね。

 もう一つはね、A級戦犯が合祀されているから行っちゃいかんという議論。これはね、私は、特定の人に対して参拝しているんじゃないんです。この戦争でね、苦しい思いをされ、できれば避けたかった、戦場に行きたくなかった多くの兵士がいるんです。そういう方々の気持ちを思ってね、何という苦しいつらい体験をせざるを得ない時代に生まれたのだろうかと、そういう犠牲者に対してね、心からやっぱり哀悼の念を表すべきだなと、これ日本の文化じゃないでしょうか。特定の人がいるから後の人のことは考えなくていいと、一部の、自分では許せない人がいるから、それより圧倒的多数の戦没者の方々に対して哀悼の念をもって参拝するのが何故いけないのか、私はA級戦犯の為に行っているんじゃないですよ。多くの戦没者の方々に哀悼の念を表す。二度とこのような苦しい戦争をさせてはいけない、そういう気持ちで参拝しているんです。

 それと第3点、憲法違反だから靖国神社参拝しちゃいかんという人がいます。これもね、憲法第19条、第20条、これを良く読んで頂きたい。私は神道奨励するために靖国神社行っているんじゃありません、今説明したように。また過去の戦争を美化したり、正当化したりするために行っているんじゃありません。また軍国主義を称揚する、そういうような気持ちで行っているのではありません。今申し上げたように、二度と戦争を起こしてはいけないと、戦没者に戦争に行って斃れた方々、こういう方々の犠牲を片時も忘れてはいけないと、そういう気持ちでお参りしているんです。そして、第19条の思想及び良心の自由はこれを侵してはならない。これどう考えますか、正に心の問題でしょ。これを日本の首相が日本の施設にお参りする、お祈りする、それを、外国の政府もっともだといって、小泉はいかん、小泉を批判する。これが本当に良い事なのかどうか、今の日本の誰にでも許されている自由という問題をどう考えるのか。

 私は伊勢神宮にも毎年参拝しています。その時には何名かの閣僚も随行しています。別に私は強制していません。そして、皆さんの前で神道形式に則って伊勢神宮に参拝しています。その時に憲法違反という声起こりませんね。何故なんでしょうか。私はこういうことから、賛否両論あっていいんです、日本は言論の自由認められていますから、今までもこういう事を私は答弁なり、普段の話でしているんです。今回も全くその同じ気持ちで参拝しているんです。

【質問】 何故、今回、終戦の日の8月15日を選ばれたのでしょうか。

【小泉総理】 これはね、最初、多くの方々が8月15日だけはやめてくれと、様々な方から言ってまいりましたね。そういう方々の意見も聞かなきゃいかんなということでね、敢えて15日を避けて参拝してきました。8月13日、或いは4月、10月、1月と、しかし、8月15日を避けても、いつも批判や反発、そして何とかこの問題を大きく取り上げようとする勢力、変わらないですね。いつ行っても同じです。ならば、今日は適切な日ではないかなと。これから戦没者の追悼記念式典もおこなわれます。私はこれから千鳥が淵の戦没者墓苑にお参りをします。戦没者の追悼式典にも出席します。適切な日だなと判断いたしました。

【質問】 去年、参拝した際は、昇殿をせずに、記帳もしませんでした。今回の参拝では、モーニング姿で、内閣総理大臣と記帳して、昇殿もしたということなんですけれども、その理由についてお聞かせください。

【小泉総理】 今、お話したようにね、今日は戦没者の追悼式もありますし、千鳥ヶ淵の戦没者の墓苑にもお参りしますし、その時にはこの服装で行きますしね、私は、きっちりと昇殿、本殿に参拝した方が、今日は皆騒いでいますから、あのような、去年みたいな形でいくと警備の方も大変でしょ。皆さん、大勢の方々が見えてるしね、そういうことも考えて本殿に参拝するのが適切じゃないかなと思いました。

【質問】 2回目の参拝の時の所感の中では、総理は、終戦記念日やその前後の参拝にこだわって、再び内外に不安や警戒を抱かせることは、私の意に反するとしていました。今日の参拝は、その所感と矛盾するのではありませんか。

【小泉総理】 矛盾しません。それは過去5年を踏まえて、いつ行っても問題にして、混乱にしようとする勢力があるんです。それは仕方ないんです。そういうことを踏まえて、過去の経験が生きてきたんですね。いつ行っても参拝に、なんとか争点にしようとか、混乱させようとか、騒ぎにしようとか、国際問題にしようとかいう勢力があるんです。これに対してね、いけないと言ったって、それは、日本は言論の自由が認められてるんですから、どうにもなりません。ですから、いつ行ってもこういう騒ぎにしようという勢力があるんですから、8月15日に行っても、適切じゃないかなと。

 また、むしろこだわっているのは、毎回、こだわろうという勢力がいるんですよ、私が、今まで靖国神社の問題も、質問された時以外は答えたことがないんですよ。自ら、靖国問題をこうだああだと言ったことはなくて、いつも皆さんの質問に答えて言っているわけです。いろいろな説明や他のことも言いたいんですけれども、一番マスコミが取り上げるのは靖国参拝のことでしょ。そういうのは、やめた方がいいと言っても聞かないですから、マスコミは。いつでもこだわっているのはマスコミじゃないでしょうか、或いは、私に反対する方々じゃないでしょうか。そういうのも踏まえてね、これはいつ行っても同じだなと思いました。

【質問】 来月のご退陣の前に、直接、不戦の誓いと戦没者追悼の意で参拝なさっているんだということを、中国、韓国の首脳と会って、理解を求めるためにご説明する意向はないのですか。

【小泉総理】 今までの日中首脳会談、日韓首脳会談においても、その考えを伝えてあります、何回でも。いつでも会えば、中国側が、韓国側が、靖国参拝するなと言えば、いつも、中国側、韓国側の考えと私は違うということを説明している、今、お話したような考えを説明しております。これは平行線です、外交カードにはしないと、一つの条件をつけられて、これに従うか、従わないか、それで首脳会談をする、しないを判断するというのは、私はよろしくないと思っております。私は、これからも中国、韓国と友好的に発展しようと、未来志向でね、考えた方が良いんじゃないかということを、再三、申し上げております。この考えに変わりはありません。

【質問】 今回は記帳されていますが、総理大臣の立場としての参拝ということでしょうか。

【小泉総理】 総理大臣である、人間、小泉純一郎が参拝しているんです。

【質問】 公式な参拝と受け取ってよろしいのですか。

【小泉総理】 職務として参拝しているものではありません。

【質問】 今回の参拝が、総裁選に与える影響についてはどのようにお考えですか。

【小泉総理】 それは総裁候補自体の考え方と、マスコミの皆さんが争点にしたがっている面が強いですから、それいかんでしょうね。

【質問】 改めて、靖国神社に合祀されているA級戦犯の戦争責任については、どうお考えになるか、お願いいたします。

【小泉総理】 それは戦争の責任をとって、戦犯として刑を受けているわけでしょう。それは本人達も認めているし、それはあると思いますが、それとこれとは別です。何回も申し上げているように、特定の人のために参拝しているんじゃないです。戦没者全体に対して、哀悼の念を表するために参拝しているんです。今、言った、主な3点、靖国参拝批判する人、よく考えていただきたい。考えは自由です。

 

毎日新聞 2006年8月15日

 小泉純一郎首相は15日午前、終戦記念日の靖国神社参拝について「8月15日を避けても批判、反発は変わらない。いつ行っても同じだ。ならば今日は適切な日ではないか」と述べ、01年の自民党総裁選時の公約実現を優先した理由を説明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 近隣諸国への配慮から「8・15」を見送ってきた過去5年の参拝との整合性に関しては「最初、多くの方々が8月15日だけはやめてくれと言ってきた。あえて15日を避けて参拝してきた。しかし、いつ行っても騒ぎにしようという勢力がいるんですから。矛盾しない」と強調した。

 また、中韓両国の反発については「中国や韓国の言うことを聞けばアジア外交が良くなるとは思わない」と主張。A級戦犯合祀(ごうし)問題に関しては「戦没者全体に哀悼の念を表すため参拝している」と説明し、憲法違反との指摘には「思想信条であり、心の問題だ」と語った。

 また、本殿に上がるなど04年以前の参拝形式に戻したことについて首相は「今日は戦没者追悼式もあるし、千鳥ケ淵の戦没者墓苑にもお参りする。その時にはこの服装(モーニング)で行くし、きちっと本殿に参拝するのが適切と思った」と説明。公私の区別については「総理大臣である人間・小泉純一郎が参拝している。職務として参拝しているものではない」と述べた。【中澤雄大】

毎日新聞 2006年8月15日 東京夕刊

 

 

朝日新聞 2006年8月15日

小泉首相、「いつ行っても批判勢力変わらぬ」

2006年08月15日11時49分

 小泉首相は15日の参拝後、首相官邸で記者団に対し、「あえて15日を避けて参拝してきたが、いつも批判、反発がある。そして何とかこの問題を大きく取り上げようという勢力は変わらない。いつ行っても同じ。ならば今日は適切な日ではないかと判断した。これから戦没者追悼式典も行われる」と語った。

 02年4月の参拝時、首相は「終戦記念日にこだわり、内外に不安や警戒を抱かせることは意に反する」との所感を発表したが、所感との整合性については「矛盾しない。過去5年を踏まえ、いつ行っても問題にしようという勢力がある。仕方ない」と語った。

 また、首相は「戦争で尊い命をなくされた方々の上に今日がある。心から敬意と感謝の念を持って参拝している」とし、「総理大臣である人間小泉純一郎が参拝した。職務としてではない」と述べ、私的参拝の立場を強調した。

 内外からの批判については、自ら3点挙げて反論。中韓両国に対しては「一つの意見の違いが不愉快だからと首脳会談を行わないことがいいのか」と主張し、「中韓両国は日本の国連安保理常任理事国入りに反対している。不愉快なことだが、私が首脳会談を行わないと言ったら、どっちを批判するのか」と述べた。

 A級戦犯合祀(ごうし)については「特定の人に参拝しているのではない。圧倒的多数の戦没者の方々に哀悼の念をささげるためだ」とし、「(A級戦犯は)戦犯として(東京裁判で)刑を受けている。それとこれ(参拝)とは別」と語った。

 憲法上の疑義については「私は神道を奨励するために行っているのでも、過去の戦争を正当化、美化し、軍国主義を称揚するために行っているのでもない。憲法上の思想及び良心の自由、まさに心の問題だ」と述べた。

 

読売新聞 2006年8月15日

「A級戦犯のためではない」首相、参拝理由を説明

 小泉首相は15日午前、終戦記念日に靖国神社に参拝した理由について「8月15日を避けても批判、反発は変わらない。いつ行っても同じだ。ならば、今日は適切な日ではないか。戦没者の追悼式典も行われる。千鳥ヶ淵の戦没者墓苑にもお参りする」と説明した。

< 首相官邸で記者団に語った。

 参拝の立場については、「総理大臣である人間・小泉純一郎が参拝している。職務として参拝しているのではない」と述べた。

 また、首相は、自らの靖国参拝への批判は、<1>中国、韓国の反発<2>靖国神社にA級戦犯が合祀されている<3>政教分離を定めた憲法に違反――の「3点に要約される」と指摘した。

 中国などの反発については「『中国、韓国の言うことを聞けばアジア外交はうまくいく』(との意見は)必ずしもそうじゃない」と強調。A級戦犯の問題では「A級戦犯のために行っているわけではない」とし、憲法との関係では、「神道を奨励し、過去の戦争を美化、正当化するために行っているのではない。(参拝は)心の問題だ」と語った。

2006年8月15日11時15分  読売新聞)
 
          




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