第1章 顧客はセルフレジを求めている
第9条、第10条
【2009年10月13日(火)】
◆第9条 改善点を修正して実行する
改善点が見つかれば、改善点を修正する方法を考え、実行することになる。マネジメントサイクルの1つにPDCAサイクルがある。Plan(計画)‐Do(実行)‐Check(評価)‐Act(改善)を順次行い、次のPDCAサイクルにつなげて、これを繰り返すことで、継続的に業務改善をしていこうというものだが、原理は同じである。改善点を修正する方法を考え、実行し、また改善点を見つけて、改善の方法を考え、実行するということの繰り返しである。ここで大事なことは、改善点は、一度、修正して実行すれば、改善が終わるというものではないことを知ることである。
第8条で、改善点は必ずある、改善点は顧客の態度や行動の中にある、と説明した。改善点は必ずあるという前提に立てば、1つの改善ができても、新しい改善点が必ず見つかるはずである。それは、顧客はセルフレジを求めており、改善点は顧客の態度や行動の中にあるからである。顧客の要求は常に変化し、それは態度や行動に表れる。
改善は大きく2種類ある。1つ目は、仕組みを改めるような改善である。2つ目は、1つの例として、顧客への近づくタイミング、声のかけ方、話し方、サポートの仕方など、繰り返し学習する中で、顧客との接し方のスキルを向上させるような改善である。いずれの改善にも当てはまる大切なことは、セルフレジを利用する顧客に関心を持ち、顧客の動きに注意を払うことである。その関心を持つこと、注意を払うことの前提になる基軸が、顧客はセルフレジを求めている、ということと、改善点は必ずある、ということである。基軸が定まっていないと認識と判断がぶれてしまう。第1条から第6条までに挙げた「考える」ことで基軸を定めることができる。
◆第10条 仮説検証を怠らない
仮説検証にも大きく2種類あると言える。1つ目は、計画書を作成するように、きちんと文章にまとめられるような仮説を立てて、計画的に実行し、その結果を検証するというものである。本来、よく言われる仮説検証はこの形である。しかし、顧客と接する小売業の現場では、顧客の動きに対して、瞬間的に判断し、考え、行動し、反省し、次の場面でまた判断し、考え、行動し、反省し、次の判断につなげている。接客の現場では、こうした仮説検証とも言える思考を繰り返し行っている。このような仮説検証と意識しないような仮説検証型の思考が2つ目である。仮説検証を怠らない、ということは、顧客にセルフレジをよく使ってもらおう、顧客サービスを向上させよう、という向上心を忘れないことである。そういう向上心を忘れないでいると、必ず、仮説が思い浮かぶはずである。
ここでも、セルフレジの導入を成功に導く仮説を立てるためには、仮説の前提がぶれないことが最も大事な要件となる。仮説の前提がぶれると検証結果に振り回されるだけである。
第1章では、「考える」ことから始めて「検証する」ことまでを10ヶ条にまとめた。考えて、目標を定めて、実行し、検証することで、セルフレジの運用を高度化していくことができる。10ヶ条はつながり合い、関連し合っている。1ヶ条が抜けてもバランスを欠く。例えば、「顧客はセルフレジを求めている」ということを仮説とし、その仮説から始まって、この10ヶ条をめぐることで「顧客はセルフレジを求めている」ことが検証できる。「顧客はセルフレジを求めている」ということが仮説ではなく正しい説へと導かれたことで、さらに「考える」ことを深め、改善点の質を高め、セルフレジの支持率と利用率を上げ、顧客サービスのさらなる向上を可能にしていけるのである。
第9条、第10条
【2009年10月13日(火)】
◆第9条 改善点を修正して実行する
改善点が見つかれば、改善点を修正する方法を考え、実行することになる。マネジメントサイクルの1つにPDCAサイクルがある。Plan(計画)‐Do(実行)‐Check(評価)‐Act(改善)を順次行い、次のPDCAサイクルにつなげて、これを繰り返すことで、継続的に業務改善をしていこうというものだが、原理は同じである。改善点を修正する方法を考え、実行し、また改善点を見つけて、改善の方法を考え、実行するということの繰り返しである。ここで大事なことは、改善点は、一度、修正して実行すれば、改善が終わるというものではないことを知ることである。
第8条で、改善点は必ずある、改善点は顧客の態度や行動の中にある、と説明した。改善点は必ずあるという前提に立てば、1つの改善ができても、新しい改善点が必ず見つかるはずである。それは、顧客はセルフレジを求めており、改善点は顧客の態度や行動の中にあるからである。顧客の要求は常に変化し、それは態度や行動に表れる。
改善は大きく2種類ある。1つ目は、仕組みを改めるような改善である。2つ目は、1つの例として、顧客への近づくタイミング、声のかけ方、話し方、サポートの仕方など、繰り返し学習する中で、顧客との接し方のスキルを向上させるような改善である。いずれの改善にも当てはまる大切なことは、セルフレジを利用する顧客に関心を持ち、顧客の動きに注意を払うことである。その関心を持つこと、注意を払うことの前提になる基軸が、顧客はセルフレジを求めている、ということと、改善点は必ずある、ということである。基軸が定まっていないと認識と判断がぶれてしまう。第1条から第6条までに挙げた「考える」ことで基軸を定めることができる。
◆第10条 仮説検証を怠らない
仮説検証にも大きく2種類あると言える。1つ目は、計画書を作成するように、きちんと文章にまとめられるような仮説を立てて、計画的に実行し、その結果を検証するというものである。本来、よく言われる仮説検証はこの形である。しかし、顧客と接する小売業の現場では、顧客の動きに対して、瞬間的に判断し、考え、行動し、反省し、次の場面でまた判断し、考え、行動し、反省し、次の判断につなげている。接客の現場では、こうした仮説検証とも言える思考を繰り返し行っている。このような仮説検証と意識しないような仮説検証型の思考が2つ目である。仮説検証を怠らない、ということは、顧客にセルフレジをよく使ってもらおう、顧客サービスを向上させよう、という向上心を忘れないことである。そういう向上心を忘れないでいると、必ず、仮説が思い浮かぶはずである。
ここでも、セルフレジの導入を成功に導く仮説を立てるためには、仮説の前提がぶれないことが最も大事な要件となる。仮説の前提がぶれると検証結果に振り回されるだけである。
第1章では、「考える」ことから始めて「検証する」ことまでを10ヶ条にまとめた。考えて、目標を定めて、実行し、検証することで、セルフレジの運用を高度化していくことができる。10ヶ条はつながり合い、関連し合っている。1ヶ条が抜けてもバランスを欠く。例えば、「顧客はセルフレジを求めている」ということを仮説とし、その仮説から始まって、この10ヶ条をめぐることで「顧客はセルフレジを求めている」ことが検証できる。「顧客はセルフレジを求めている」ということが仮説ではなく正しい説へと導かれたことで、さらに「考える」ことを深め、改善点の質を高め、セルフレジの支持率と利用率を上げ、顧客サービスのさらなる向上を可能にしていけるのである。