今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋乳酸菌飲料。インフルエンザ感染者急増。明治ヨーグルト「R-1ドリンク」、急上昇。

2014年01月22日 | 2013年後期トピックス


  先週15日、この冬で最高の冷え込みを見せた日本列島。その翌日には、都心の最低気温が僅かながらですが
氷点下を記録。いよいよ冬将軍の到来、インフルエンザの季節というわけです。空気の乾燥とともに5℃を下回る
低気温では、インフルエンザが流行しやすいといわれています。厚生労働省によれば、先週に入り感染者が急増、
例年通り今月末から2月上旬にかけて、流行のピークを迎えることが予想されます。さらに今年は、昨年、一昨年
に流行したウイルスと違うタイプのウイルスの感染が増えており、感染を防ぐためには、ウガイ、手洗い、マスク
の着用など、予防の徹底がアナウンスされています。その点、この2~3日前から朝の通勤電車を見渡すと、あち
こちに不織布の「マスクの花」が開いているのが目立ちます。人ごみの中で、インフルエンザを拡散させないエチ
ケット、感染しない防衛策が進んでいますね。それに加え、この時期になると毎年、体の防衛機能である免疫力を
高め、インフルエンザを予防する働きがあるヨーグルト、とくに乳酸菌飲料が人気になります。今年の状況も、首
都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデー
タに、しっかりと現われ始めています。

 グラフ1.は、乳酸菌飲料カテゴリー、日別販売数量推移グラフで(第46週~第3週)、第3週の売れ筋上位
5商品の推移を見たものです。このカテゴリーは、明治のドリンクヨーグルトが上位を占めることが多いのが特徴
ですが、グラフを見ると、とくに明治ヨーグルト「R-1ドリンク」が大きな「山」の高さで連続して推移してい
るのが分かります。年末最後の週末は、会社も、学校も休みに入っているので「山」は低く出ていますが、注目は
1月に入ってから。インフルエンザの感染報告が増え始めた6日過ぎに最初の「山」、翌週に第2の「山」が続い
ています。中でも、第2の「山」のピークになっている15日、16日あたりは、寒さと感染者が急上昇した日。
ほかのヨーグルトドリンクに比べて、「山」の大きさだけでなく、グラフの上昇角度が急峻になっています。イン
フルエンザの広がりとともに、急いで「R-1ドリンク」を購入した様子が推測されます。ちなみに、免疫力を高
め、インフルエンザを予防する働きがあるといわれる明治ヨーグルト「R-1ドリンク」に使用されているのは、
R-1の由来になっている、「1073R-1乳酸菌」。この乳酸菌の働きで、乳酸菌インフルエンザウイルスが
体内に侵入した際に攻撃をするNK(ナチュラルキラー)細胞の活性・増強によって、インフルエンザウイルスに
対する優れた感染防御力を発揮しているのです。

  表1.は、乳酸菌飲料カテゴリー売れ筋ランキングです(第3週)。明治ヨーグルト「R-1ドリンク」が、
約23%の販売数量構成比で売れ筋1位を占めていますが、POSBANKのデータベースで数量の前週比を見る
と、先週、先々週よりも、それぞれ販売数量構成比が10%強伸びています。この2週間で、それだけ「R-1ド
リンク」が購入される比率が高くなったわけで、ここでもインフルエンザ感染者急増ぶりが反映しています。感染
者急増=「R-1ドリンク」急増、ということになります。ところで、インフルエンザのピークは、2月上旬です。
首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、いち早く売れ筋とトレンドが捉えられるPOSBANKのデ
ータをチェックする機会が、まだまだ増えそうです。

                  売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                      POSBANK
  

      グラフ1.乳酸菌飲料カテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第46週~第3週)


      表1.乳酸菌飲料カテゴリー売れ筋ランキング(第3週)

      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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