今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋コーラ。今回1位は、「バニラ コカ・コーラ」。定番より、新製品に手が伸びる?

2013年08月07日 | 2013年後期トピックス


炭酸飲料に関する調査やアンケートをみていくと、同じような傾向が目に入ってくることがあります。たとえば、飲んで
みたい炭酸飲料と、よく飲んでいる炭酸飲料の回答が似通っていたりするのです。コーラ系でいうと、第1に「コカ・コ
ーラ」。次に、「コカ・コーラ ゼロ」、そして、「ペプシ ネックス」あたりが挙げられています。非コーラ系では、
やはり「三ツ矢サイダー」、「ファンタ」、「スプライト」、「C.C.レモン」あたりになるようですが、これは、首
都圏250店以上ものコンビニPOSデータで集計されている、POSBANKの売れ筋ランキングの商品とかなりオー
バーラップしています。総体的に飲んでみたいという商品への願望と、飲んだ商品がだいたい一致していることになりま
すが、ある意味では、コーラをはじめとした炭酸飲料が定番化しているわけです。ただ、この炭酸飲料カテゴリーでは、
定番ブランドには見られない個性的な新商品の登場が時々見られます。その点、第30週まで、6週連続して1位を続け
ていた定番のコカ・コーラに代わって、第31週で売れ筋ランキング1位を占めた新発売の「バニラ コカ・コーラ」が
挙げられます。その理由は?  

グラフ1.は、炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第22週~第31週)で、第31週の
コーラ売れ筋上位6商品の推移を見たものです。直近の10週間、グラフ全体にわたって「コカ・コーラ」のひときわ大
きな推移が目に入ります。そのあと、ゼロ系の「コカ・コーラ ゼロ」、「ペプシネックス」、そしてトクホの「ペプシ
 スペシャル」、キリン「メッツコーラ」と、波乱のない安定した推移を見せているのが分かります。そして、7月末に
「バニラ コカ・コーラ」が新登場しましたが、発売初日から定番の「コカ・コーラ」を、大きく上回る推移を見せてい
ます。週の前半では、「バニラ コカ・コーラ」が上昇した分、「コカ・コーラ」の推移グラフが低下しています。「コ
ーラ・コーラ」の愛飲者が、今回はちょっと新しい「バニラ コカ・コーラ」にチャレンジをした様子が、推測されます
ね。ところで、この「バニラ コカ・コーラ」、実は10年ほど前の2003年に、本国アメリカでの評判を受けて日本
でも発売された商品の復刻版。今回は発売前からネットで話題になっていた経緯もあり、発売と同時にピークを示したの
は、それだけ期待感の賜物といえるのでしょうか。   

表1.は、炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキングです(第31週)。上位には、コーラ系のブランド
がズラッと、並んでいます(太字)。「バニラ コカ・コーラ」の購入者は、若者男性と成年男性の比率が高め。「バニラ
 コカ・コーラ」の愛飲者が好むように、バーガー系の食べ物とのマッチングの良さがあるので、他のコーラに比べて男性
比率が高いのかも知れません。今週末は、またまた猛暑日の予想。熱中症予防もありますが、どのコーラに人気が集まるの
でしょうか。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、いち早く売れ筋とトレンドが捉えられるPOSBANK
のデータベースに注目したいものです。


                          売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK

                     
     グラフ1.炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第22週~第31週)


     表1. 炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第31週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿