今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋ポテトスナック。1位、「おとなじゃがりこ」新製品。カルビーのライバルは、カルビー?

2013年06月05日 | 2013年前期トピックス


ある調査レポートによると、米国の子供たちは、1日に約3回おやつを食べているといわれます。それも、2才頃からたえず
間食をとる傾向があり、食べだしたら止まらない子供たちが増えているわけです。こういったケースは例外としても、お菓子
には、食べ続けたくなる不思議な魔力がありますね。とくにポテト系のスナック菓子は、お酒のおつまみに食べられることも
多く、スナック菓子は3割以上がおつまみとして食べられており、お酒を楽しみながら、サクサクつまむのに適しているよう
です。こういった視点でスナック菓子を見ていくと、おやつで食べるタイプとお酒のお伴のスナック菓子では、ちょっと違い
があるかも知れませんね。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPO
SBANKのデータに、最近のお菓子事情があらわれてきました。

グラフ1.は、ポテト系スナックカテゴリー日別販売数量推移です(第13週~第22週)。第22週の上位5商品の推移を
見たものです。そのうち、「おとなじゃがりこ カマンベール」と、「堅あげポテト にんにくしょうゆ」の2商品が期間限
定新商品。その他の3商品が、じゃがりこブランドの定番商品です。つまりカルビーの既存ブランドと新商品が競い合う形の
上位5商品のランキングです。グラフ上では定番3商品が安定した推移を見せていますが、3月30日の土曜日を皮切りに、
10週間にわたって土曜日ごとに小さなピークを記しています。アウトドアに持ち出したり、自宅でくつろいだり、ビールや
ワインといったお酒のつまみにしたり、エナジードリンクと一緒に楽しんだり、3商品ともカップ入りスナックですから、フ
ットワークの効いたOFFを過ごしているのでしょうか。ただ、「おとなじゃがりこ カマンベール」が発売された第22週
では、定番3商品の推移グラフが少し低下気味。普段はカルビーの「じゃがりこ」を食べている人が、お酒のおつまみにした
ら美味しそうな「おとなじゃがりこ カマンベール」にトライアルしたのかも知れませんね。いってみれば、カルビーのライ
バルは、カルビーというわけですね。  

表1.は、ポテト系スナックカテゴリー売れ筋ランキングです(第22週)。売れ筋1位に、「おとなじゃがりこ カマンベ
ール」がランキングされています(太字)。とくに目立つのが、2位以下の3倍以上の販売数量構成比で、期間限定新製品に
よく見られる、発売当日の集中購入が推察されます。さらに購入客層を見ると、若者女性と成年女性の構成比が高めで、女性
に人気のチーズ、とくにカマンベールの魅力が大きいと思われます。男性客層が多い期間限定新製品の「堅あげポテト にん
にくしょうゆ」と比べると、男女の好みは対照的なようです。これから、ビールがおいしい季節です。「おとなじゃがりこ 
カマンベール」や、「堅あげポテト にんにくしょうゆ」がおつまみになる機会が増えそうです。首都圏250店以上のコン
ビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKの売れ筋データで、今後のウオッチングを心掛けたく
なります。
    

                             売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                                   POSBANK

                     
     グラフ1.ポテト系スナックカテゴリー日別販売数量推移グラフ(第13週~第22週)

 
     表1.ポテト系スナックカテゴリー、売れ筋ランキング(第22週)。 


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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