今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

お茶、女性の売れ筋ランキング。1位、十六茶。2位、ジャスミンティー。上位に、緑茶が見当たらない!

2013年06月13日 | 2013年前期トピックス

 

数年前の農林水産省のレポートに、緑茶と緑茶飲料、どちらをよく飲むかという調査があります。それによると、若い世代ほど
緑茶飲料を飲む比率が高くなっています。ペットボトルの定着度から考えれば当然の結果とも思われますが、時代性といいます
か、新しいお茶文化の到来を感じてしまいます。また一般的に、女性の方が男性より、茶葉で飲む比率が高いともいわれます。
そういう時代なのですが、この3年ほどの傾向として、毎年この時期になると、緑茶以外の無糖茶を購入する若い女性が増えて
いるのです。その理由のひとつには、お茶の好みの多様化があるのでしょうか。それと、普段からオフィスや自宅にいるときに
茶葉でいれたお茶を飲んでいる女性は、自分だけで飲むお茶として、緑茶以外のペットボトルのお茶を選びたくなるのかも知れ
ません。とくに最近は、おいしそうなお茶、体によさそうなお茶が好まれる傾向があるといわれ、その点が、首都圏250店以
上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータにあらわれ始めたようです。

グラフ1.は、お茶カテゴリー(小型PET・びん)、女性層・日別販売数量推移です(第14週~第23週)。第23週の女
性の売れ筋上位5商品の推移を見たものです。各世代、男女を含めたいわゆる全客層のランキングでは、上位5商品を緑茶系が
占めているのですが、女性に限ると正反対というわけです。ここ10週間の女性だけの推移グラフを見ていくと、ある特徴が見
られます。1位のアサヒ「十六茶」から、新登場のキリン「にっぽん米茶」まで販売数量の上下があるのですが、比較的安定し
た推移を見せている点です。キリン「にっぽん米茶」以外は、定番商品と、そのリニューアル商品ということもあり、嗜好の多
様化にマッチした好みのお茶を継続して飲んでいる女性たちが多いのでしょうか。この5商品をよく見ると、カラダにやさしい
お茶ばかり。カロリーゼロ・糖類ゼロ・カフェインゼロの「十六茶」といい、カフェイン少なめ・ジャスミンの花の香りでリラ
ックス効果をもたらせる伊藤園「リラックスジャスミンティー」といい、健康志向の女性が選んでいると推測されます。

表1.は、お茶カテゴリー(小型PET・びん)、女性層・売れ筋ランキングです(第23週)。上位に、緑茶以外のお茶がズ
ラリとランキングされています。女性のお茶の嗜好は、多様なのが分かります。また、購入時間を見ると、早朝から午前中の早
い時間帯に購入が集中(太字)。朝5時から10時過ぎまでの購入が約40%~45%の比率ですから、朝の出がけ時や仕事前
に購入する人が多いのでしょうか。

表2.は、お茶カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキングです(第23週)。こちらは全客層(男性+女性)のラン
キングデータですが、女性客層だけのランキングと比べると志向の違いが分かります。緑茶の購入比率が高めの成年男性と熟年
男性、緑茶以外のお茶の購入比率が高めの若者女性と成年女性。お茶の嗜好にも、世代の差、男女の差というわけです。そうす
ると、POSデータから新しいお茶文化が見えてくる? 首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレン
ドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータウオッチングが欠かせなくなってきました。   

                         売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                              POSBANK

                     
        グラフ1. お茶カテゴリー(小型PET・びん)、女性層・日別販売数量推移(第14週~第23週)


        表1.お茶カテゴリー(小型PET・びん)、女性層・売れ筋ランキング(第23週) 


        表2.お茶カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第23週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~
            (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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