四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

何を探しているの??リンクが一杯です。お探しのものありませんか??探しますよ・・・!!!

校長室

2008-01-28 23:37:53 | Weblog
「おじさん何が釣れるの・・??」子供の声に振り返ると親子4人ずれが立っていた。見ると上品な母親とビジネスマン風の父親そして小学生と幼稚園くらいの男の子二人である。(旅行者かな??)と思いながら「ココは色々な魚が釣れるんですよ」「ふ~ん」「そこの魚篭(ビク)を見てみな!!」と言って魚篭の方を指差す。父親が「おおでかい魚ですね~カレイですか??いや、平目かな??」と問いかけるので「ああ、平目ですよ、そして、此方がアオリイカですよ。」と言うともう一つの魚篭を見せる。「ほう、素晴らしい所ですね。徳島は・・」と答え「私たちは京都の方から旅の途中です。」「実は妻の実家が近くで寄ったのですよ」と続ける。子供たちはイカに興味を示すので・・「一つ食べてみる??」と聞くと「うん」と元気良く答える。少し大きなイカを袋に入れて・・「ハイ」と渡すと「有難う」と言って駆けて行く。「すみません、良いんですか??」と母親がたづねてくる。「ああ、いつも釣ってますので徳島の味をみてください」と答えると「良かったね」と子供に声を掛けて「お邪魔しました」と帰る。
数分後「先ほどはすみませんでした」振り返ると清楚で上品な母親が手に缶コーヒーを持って「あの、お礼と言っては失礼ですが。」と缶コーヒーを差し出す。
頂く時に少しですが母親の美しい手が釣り師の無骨な指に触れる。
電気が走ったように前身を駆け抜ける。衝動を釣り師は抑えるのに夢中でした。
母親が帰った後の静寂が釣り師を余韻に浸らせる。
そして、・・・・「晋一なんしよん・・」遠くでトリオの一人が抜けた。
二人、修と正志である。日曜日の早朝に「遊びに行かんか!!」と誘いに来る。
「どこに行くや??」「あそこに行きたいんじゃ」と晋一が答える。
そこは四国山脈の尾根<竜王山1059,9m>である。
「遠いのう」「いつも見下ろされとるけん、たまには見下ろしてやるんもエエのう」「よし行くか」と三人は出発した。
途中で修が「腹減ったのう、こんなにあるとは思わんかったわ」「何処かでパンでも買うか?処で何ぼもっとうや?」修は「俺150円」「俺は30円しかないぞ」
と晋一、そして正志も「50円じゃ」「なんな230円しかないんか、まあええわ
それでなんか買おう」と小さなお店を見つけてえびちくわとパンを買って又上り始める。「遠いのう」「よっしゃ、近道しよう」と杉林の中に入っていく。
残雪のある杉林を登ると県境に出る。「やっとココまで来たのう」「下見てみ、みんなちいさいわ」小さな小道を見つけて入ると炭焼き小屋のようなところがある。
そこに入ると弁当が・・・「おおええもん見つけたわ」「あかんぞ・・見つかったら、大変じゃ」「三つあるけん一つだけにしたらええんじゃ」「そうじゃのう」と三人で一つの弁当を食べて「旨かったのう・・はよう出なんだらばれるぞ」とそして測候所の百葉箱に記念の住所と名前を書いてくる。
数日後の校長室・・・晋一と修、正志の三人は校長に呼ばれて校長室の応接間のソファに座っていた。「待たせたのう・・」と校長先生「実はのう、山で弁当食べた奴がいて、それが内の生徒らしいと言われて調べとんじゃ、知らんか??」「・・・!!」修が「先生は悪いことはみんな俺らと思うとんじゃのう」「そうじゃそうじゃ」と相槌を打つと「日曜日にお前らが山に登るのを見た人が居るんじゃ」「悪いことはできんのう」と付け足す・・・「・・・!!!」「お前らももうすぐ社会人じゃ、エエ事言うたるけん覚えとれ。<数多の人に使われて始めて人を使う道知る。>ッてのう伊達に校長しよん違うぞ。・・学校のことは何でもわかるんじゃ」と猪子校長は三人に説教した。お前たちもいつか人の子になる。その時に俺の言葉を思い出せと言って・・・最後に「てんごはもうエエやろう・・ほどほどにのう」と言われる。晋一は自転車で帰る道々(こりゃほんまに人生を考えんといかんのう)と思うのでした。
・・・(この物語はフィクションであり現実の人物地名は参考でありなんら関係有りません)

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