心・・・・

照代に恋人のできた事を告白された晋一は「よかったな・・・大切にしてもらえよ」そう言いながら川面をにらむ。「ほな、帰るな・・もうすぐクラブ終わるから」と自転車を颯爽と走らせる照代の後姿を眺め・・（俺にも心から愛せる人は出来るかな～）とつぶやいた。
学校の図書室で本を読んでる晋一に「何読んどん？？」と圭子が声を掛けてきた。
「石川達三のわが人生観じゃ」「ふ～んむつかしいん読むんじゃね」と圭子が続いて「晋ちゃんはその文章わかるん？？」「あほにすなや・・自分のこれからを見つめる時、本はええぞ・・」と言ってところで「圭子は何読んどんじゃ？？」と聞くと圭子は「推理小説よ・・シャイロックホームズ（まだらの紐）や読んでみ・・夜おしっこ行かれんのじゃけん」と言って「女の子がこんなおしっこの話やしたらいかんな～」と無邪気に笑う・・・（笑い顔がかわいいな～）と晋一は心で叫ぶ・・
図書室を後にして晋一は自転車置き場に・・グランドからは運動部の掛け声が響く
照代がそこで伊藤幸一を待っていた。「よ・・彼氏待っとんか？？？」「うん、もう帰るん？？」と照代が声を返す・・そこに落第トリオと呼ばれる悪の三人組が
「おう、晋一もう帰るんか？？」「これから丸八スーパーへ万引き行くぞ」「一緒に行かんか？？」「オウそれとな、明日の朝脇町に行くぞ・・・明日は映画が面白いけん、見に行くんじゃ」「一緒に行かんか！！」と誘われ映画も見たい晋一は「うん、わかった。行くわ」と返事する。
翌朝学校とは反対の方向へ通う４人の高校生の姿があった。
・・・（画像は記事とはかんけいありません）・・・・