ともちんたん

☆日記
☆Iラブ鹿島アントラーズ

プレシーズンマッチVS 水戸

2013-02-28 17:02:29 | 鹿島アントラーズNEWS
2月24日(日)
2013Jリーグプレシーズンマッチ
鹿島 2 - 2 水戸

 (14:04/カシマ/9,576人)
得点者:17' ダヴィ(鹿島)、
30' 橋本晃司(水戸)、
41' 大迫勇也(鹿島)、
83' 山村佑樹(水戸)


試合の位置づけの違いが結果を微妙に左右した。「ボールを使ったメニューの回数を考えれば、チームが表現したものは妥当ではないかと思う」そう言って、一定の評価を示したのは鹿島のトニーニョ セレーゾ監督だ。

確かに、90分間すべての時間ではなかったが、選手たちはチームがやろうとするサッカーに前向きに取り組む姿勢を見せていた。試合前、「選手のリアクションを見たい」と話していたとおり、取り組んできた今季のサッカーがどれだけチームに浸透しているか、チェックすることが最大の目的だったことがうかがわれる。

それに対して、よりこの試合に重きを置いていたのが水戸の柱谷哲二監督である。「もう一度、今日のゲームはやり直すんだ」練習試合で結果が出なかったことを受け、そう選手にハッパをかけて臨んでいた。終盤、足が止まりかけたところで勝負を諦めることなく、同点に追いついた執念深さは、長く厳しい戦いが待つJ2のリーグ戦において、大きな自信となっただろう。「選手たちはボールを追うことを止めず、しっかりとボールを奪って前に出て行く、それを90分間続けてやってくれたと思っています。我々にとってはすごく勉強になったゲームだったと思います」試合後の会見で満足そうな表情を見せていたのも納得のゲーム内容だった。

試合は、攻める鹿島と守る水戸という構図で始まった。水戸はラインを高く設定し、なおかつ中央を固める。鹿島の2トップは大迫勇也とダヴィ。そこに野沢拓也が絡んでくることを考えれば、まず中央を固めるのは当然のことだ。鹿島の攻撃陣もディフェンスラインの裏に抜け出す動きを何度も繰り返したが、強風の影響もあり、なかなか裏のスペースに起点をつくることができない。

しかし、水戸も「選手は鹿島のすごさにびびっていたかな」と柱谷監督が述べたとおり、ボールを奪った後の精度が低かった。パスをつなぐ意識は低く、せっかく奪ってもまたすぐに相手にボールを献上してしまう。すると17分、帰ってきた野沢拓也の精度の高いCKにダヴィが頭で合わせて、鹿島があっさり先制点を奪うのだった。だが、時間の経過とともに水戸のパスが繋がるようになる。それを引き出したのは古巣との対決となった鈴木隆行。始めは体を張ったポストプレーでボールを引き出し相手のファウルを誘っていたが、徐々にワンタッチではたく回数を上げ、スピーディな攻撃に一役買う。そして30分、大きな展開から橋本晃司の前にぽっかりとシュートコースが空く。少し距離はあったが思い切ってゴールを狙うと、曽ヶ端準が伸ばした手を弾いたボールはふわりとゴールに吸い込まれ、水戸が同点に追いつくことに成功する。

嫌な流れになりかけたが、そこで突き放すところが鹿島らしい。41分、カウンターから左サイドをジュニーニョが突破し、中央へクロスを送ると、ニアサイドに走り込んだ大迫が、本間幸司の鼻先で合わせてゴールに流し込む。前半のうちに水戸を突き放した。前半は、お互いにシュートは3本ずつという静かな展開だったが、後半になると鹿島は10本、水戸が7本とゴール前のシーンが増えていく。

鹿島は、水戸の足が止まり始めた時間帯に立て続けにチャンスを迎えたが、シュートを決めきれなかった。水戸は、鹿島の左サイドに守備の厳しさがないことを見て取った柱谷監督の指示を受け、後半は近藤岳登が何度となく攻め上がる。しかし、ペナルティエリア内でもパスをつなぐなど、シュートに対する思い切りの良さが消えてしまい、せっかくのチャンスも実らずに時間が過ぎていった。しかし、このまま試合が終わるのかと思われた83分、山村佑樹がパスを受けるおとりの動きで西大伍の裏を取り左サイドを突破する。慌てて対応にきた昌子源もシュートフェイントでかわすと、右足に持ち替えて冷静にファーサイドへ流し込み、足が止まりかけていた時間帯で勝負への執念を見せ同点に追いつくのだった。

いばらきサッカーフェスティバル9回目の開催で、初めて鹿島に負けなかった水戸にとっては、大きな自信を得たことだろう。「今までやってきた試合の中で一番よかった」と抜群のポストプレーを見せた鈴木も、手応えを感じている様子だった。

一方の鹿島は、王者に返り咲く強さを身につけるには、いくつかの課題がありそうだ。ボールを失った後、ファーストディフェンダーとしてすばやくプレスにかかる動きは少なく、さらにジュニーニョと中田浩二が並ぶ左サイドの守備は、ライン際に相手を追い込んでいくセレーゾ監督の狙いを実践するには、少し物足りなかった。前からプレスがかからなければボランチが引き出されてバイタルエリアにスペースができてしまう。攻撃面でもサイドで起点をつくる動きは少なかった。とはいえ、ダヴィが全力ダッシュで守備ブロックの穴を埋めようとするなど、新監督から求められている動きは、少しずつチームに浸透している。少しでも気を緩めればやられてしまう厳しいリーグであることも、改めて思い知ったはずだ。鹿島にとっても勉強になった試合だった。

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