[12.23 天皇杯準々決勝 千葉 0-1 鹿島 味スタ]
決勝点を決めたのは、やはりこの男だった。鹿島アントラーズの1トップを務めるFW大迫勇也である。後半19分、右サイドの西大伍からのパスを受けると、一度、自身の左にいたMFドゥトラにボールを預ける。ドリブルで仕掛けようとしたドゥトラにマークが集まると、フリーになった大迫は再びボールを受け、PA内でしっかりとコントロール。得意な形に持ち込み、ゴールネットを揺らして見せた。このゴールが決勝点となり、鹿島は2大会ぶりの4強進出を果たしている。
現役時代、ブラジル代表として活躍したジョルジーニョ監督も「チームが必要とするタイミングで点を取ることができるのは、ストライカーに必要な要素です」と、絶賛した。「現在は調子も良いですし、持てる力を発揮できています。今シーズン、彼と一緒にやってきて、どういう伸びしろがあり、どういうことに取り組めばもっと成長できるかを話してきました。それを整理して、力、能力を発揮できていると思います」と、その成長に目を細めた。そして、大迫の潜在能力の高さについて「将来的にはフル代表に君臨する力があります。技術的にも素晴らしく、ポストプレーもできる。このままの勢いで成長を続けて、そこに辿りついてほしい」と、熱く語った。
今季、ナビスコ杯を制した鹿島は、他の追随を許さない16のタイトルを獲得している。その勝者のメンタリティは、大迫にも植え付けられた。「試合前から『難しい試合になるだろう』と、みんなで話していました。その中で、勝ちにつながるゴールを取れてうれしい」と、得点以上に勝利への満足感を口にした22歳は、今季での退任が決まっている指揮官へ2つ目のタイトルを送ることを誓った。「まだ、あと2試合残っているので。タイトルを監督にプレゼントできればと思います。(準決勝の)ガンバ戦も得点にこだわり、みんなで力を合わせて頑張りたいです」と、勝利の喜びに浸る間もなく、すぐに29日のG大阪戦へ気持ちを切り替えた。
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