書籍レビュー。
以下、本書籍の対象者の説明。
やりたいことができないのはあたりまえのことなのか、
休みがほとんどゼロなのはどれくらい異常なのか、
給料は他社と比べて高いのか・安いのか、
実力主義でない人事制度にみんな満足しているのか......。
客観的に会社の位置づけを分析できたなら、余計な不安に陥ることなく、
もっと合理的なキャリア判断ができたのではないか…
と、少しでも思うところのある人は読むと面白い。
以下、本書のハイライト。
■自分の価値を高めるための会社の条件
1、平均年齢が若い(楽天)
2、人材を輩出している(野村證券、リクルート)
3、規制がない(JTB)
要は若い会社ってこと。
若い=若い新人にもそれなりの仕事が回ってくる。
最近、リクルートは「3年がんばってみないか?」
という広告で人材募集してますが、
リクルートは平均年齢を抑えるために、
35才ぐらいで退職する仕組みになっているらしいです。
(というか、それ以上、在籍しようとすると退職せざるをえない状況に追い込まれます)
リクルートから人材が多く輩出しているのは
数年間の密度の濃い実務で得た能力を使って
そこから起業する人が多いから。
実務内容も起業に役立ちそうな、
企画とか人を動かす仕事っぽいですしね。
正直、自分の価値を高めるためには経験積まないといけません。
だから、実際にそれなりの仕事を任せてもらう必要があります。
下積み時代が長い会社では、それまでに時間かかってしまうのです。
■長期安定志向の人向けの会社の条件
そんな会社の業種
・インフラ(JAL,ANA,JR各社,電気・ガス,NTT各社)
・大手メディア(大手新聞社,民放・NHK,大手出版)
・国内金融トップ(日本生命,東京海上,三菱東京UFJ銀行)
・電気連合系メーカー(NEC,富士通,日立,松下)
・自動車(トヨタ,日産,ホンダ)
なぜか?
これらの業種はどれも新規参入がしにくい業種なのです。
航空、電車、電気、ガス、NTTどれを取っても
ベンチャーが入れる業界でないのはわかりますよね?
テレビも同様。
これは電波法とかで国が保護してます。
法律的に不可侵な領域。
だから、ライブドアとか楽天が獲りに行ったという話しもある。
自動車の製造には無数の会社、部品が関わりあっていて
連携プレーの上に成り立っています。
だから、突然、自動車作るとか言っても無理です。
つまり、新規参入がない=敵がいない=価格が安定=業績が安定。
この場合、敵は外ではなく、内にいます。
社内競争に一度でも負けると、トップ昇格組には一生負けることになります。(国内系金融)
↑この差で、ウン千万の生涯給料の差が出ます。
また、上司が絶対の社風が多いみたいですね。
評価するのは上司ですから、
上司に少しでも嫌われたらいけないわけです。
さらに、仕事は安定しているので、
仕事の結果では大した差はつかないんです。
ただ、内ばかり気にしているので、
外で生きていく力は身につきにくいそうです。
賃金は年功序列。
利益は安定して儲けているので
給料は良いみたいです。
新聞、出版、メディア系は突出して良いみたいですね。
ただし、規制緩和が起こると外に敵が出来る、
価格下落が起こる等、
非常に困る事態になるというリスクがあります。
郵政事業民営化にあれだけ反対してたのも納得できますね。
■教育・研修
キャノンと日立が手厚い。
論文書かせるとことかあるみたいですね。
以下、気になった文章を抜粋。
キャノンや日立は、1社に骨を埋めることを前提に
人材育成がプランされている。
今後は「再チャレンジ推進」を掲げる政府のもと、
正社員の法的地位(解雇要件など)が弱まる見通しが強い点には
十分、留意しておく必要がある。
(デキない正社員のポストは、再チャレンジを目指す、
デキる契約社員や派遣社員にとってかわられる時代になる)
■子会社社員の運命
鉄則。
自分の権限でやりたことをやりたければ子会社には絶対に入るな!!!
つまりは、重要なポストには親会社から天下ってくるので、
その人の下で働くことを強制されるよ、ということ。
■JTB
優秀な人ほど辞める会社。
結果を出すより、上司をヨイショするのが上手い人が出世するカルチャー。
絶対に行きたくない会社。
ただし、市場原理の中で戦いたくない人にとっては居心地の良い場所です。
公務員みたいなもんです。
仕事で頑張らなくていいんです。
しかし、自分より給料がずっと高くて、
仕事のデキない、エバり腐った上司の下で
働き続けられる人限定です。
以上、どこまで本当かわからないが、
結構読んでいて面白かったです。
実際に、各社の社員にインタビューした結果を
まとめた本らしいので、
一側面の情報としては信用できる本かなと。