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エンタープライズアプリケーション志向

成功は気づきと行動から生まれる。

感想文:不機嫌な職場

2008年02月24日 17時14分52秒 | 感想文
タイトルからは、不機嫌になる職場の具体例を上げて、
おもしろおかしく話が展開されるのかと思いきや、
全然、そんなことはなくもっと堅めの話でした。

社会心理学、社会交換学、社会認知学のような言葉が
出てきて、マジメな内容。

本書は実際に現場からの視点ではなく、
アカデミックな視点、
企業の職場を研究者的な目線で分析する内容です。

読んでいて「おぉ!」と思うことはありませんが、
自分の職場に照らし合わせて読むと
思うこともあり、なかなか考えさせられる本でした。

それにしても、ギスギスした職場は自分の場所だけではなく、
日本全体に蔓延している病気みたいですね。

上は下が悪いと言い
下は上が悪いと言う

状況を改善するには、互いが歩み寄り、協力するしかないと思うのですが、
上は下を一方的に評価する立場なので、 やはり上が有利。
(下が上を評価する仕組みがある会社もある)
結果的に下が一方的に奉仕せざるを得ない状況に追い込まれる。
それが目に見えてるから、ハナから期待しない下。

そんな負のスパイラルはよくある話…

願わくば、楽しい職場で働きたいものですね。

戦わない経営

2007年06月16日 12時21分08秒 | 感想文
売らずに取っておきたい本がまた一冊増えました。
「戦わない経営」から感じたこと。

人の頭に残るもので、
何かの一番と二番との差はとてつもなくでかい。
これは改めて、考えると本当にそうだなと感じました。
(ネットではGoogleのトップに表示されるかどうかとか)

しかし、参加者が多いところで一番になるには難しい。戦わなきゃいけなくなる。
でも、小さなところの一番なら比較的まだ簡単というのが本書の主張。

だから売上を伸ばすために市場規模の大きなところに進出するのは実は間違ってる。
市場規模が大きいからある程度、儲かるだろうと思ったら間違い。
後からの参入は不利だし、競合が多すぎる。
競合が多ければコンペで負けやすいし、差別化も難しい。
結局、市場からの退場を余儀なくされてしまう。

だから小さいところから徐々に大きくするのが一番。
時間のかかることだと認識すべし。
拙速な行動は命とりだ。

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの教室1(POSの発展の歴史)

2007年05月22日 22時57分07秒 | 感想文


「ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業1」を読んでいます。

本書は高知工科大学で行われている実践的なソフトウェアエンジニアリングの授業を
本にしたもので、内容は教科書的ではなく、
先生が話している口語体で分かり易い言葉で書かれているため、
非常に読みやすくなっています。

読者の対象はシステム開発を独学でやってきた人や
これからやっていく初心者向けです。

我流でやってきた人も一度、初心に立ち返るためにも
基本を見直すと新しい気づきがあるかもしれません。

基本的にシステム開発は個々のプロジェクトで
担当の人が独自にやっていくため、標準的なものがありません。

一応、業界の標準化団体なるところが策定してはいるのですが、
よく引き合いに出される製造業と比べれば
現場への浸透率は格段に低いのではないでしょうか。

標準化の一つにISOというものがあり、
品質マニュアル等を作成することを義務付けていますが、
これもとりあえずISO認証取得のために、
作るだけで実際に使われているかどうかは疑問です。

同じシステム開発というのはありませんし、
開発の自由度が高すぎるので、標準化は難しいのが現状です。

実際のモノであるプログラムも動いて仕様を満たすからといって、
その保守性、拡張性などが十分かどうかなんて、
はっきりいってわかりません。

しかし、その場ではとりあえず、動くのでいいということになってしまうのです。

そんな我流でやっている人に基本はこういうものだよ
という一つの指針となるのが本書です。
名前に1と付いていますが、全部で2巻構成になっています。
顧客と折衝をする立場になった新米リーダにも有効です。

本書にPOSシステムの発展の歴史があったので引用させていただきます。
1、バーコードによる販売業務の効率化
2、商品の販売データを仕入れ管理と発注管理に利用
3、配送業務の効率化と在庫の削減
4、商品の仕入れ戦略の立案に利用
5、新商品の企画に利用
6、広告戦略の立案に利用
7、製造メーカに対する情報提供と、その情報をもとに共同でオリジナル商品を開発
8、ネットショッピングとの連携
9、銀行業務への展開、郵便局との連携

POSを利用する業界といえばコンビニですね。
この発展の歴史はコンビニの辿ってきた道と言っても過言ではありません。

POSの弱点は購入顧客の情報しか見ていないということです。
新規顧客開拓や、なぜ買わなかったかについては分析対象外です。

WebのHPではアクセス分析により、平均滞在時間や
どのページが人気があるかどうかがわかります。

これをコンビニに当てはめるとどうでしょうか。
もし、実現できたらば、
買い物をしなかった客の動向も把握でき、平均滞在時間もわかります。
(ただ、立ち読みしてただけとか)

どのページが人気があるかをコンビニに当てはめるならば、
どの商品に客が興味を示したか。

さすがに見ただけではカウントのしようがないので、
商品を手に取った回数はどうでしょうか。
手にとったけども買わなかった、買ったの回数がわかれば、
色々分析のしようもあります。

RFIDタグが最近、普及しつつありますが、
これを使って手にとったかどうか判定するなんてことも試みられています。
(ちょっとネットで調べてみたら、そういうサービスを提供している企業も出てきているようです。)

RFIDはその価格がネックとなり、普及に歯止めをかけていますが、
最近ではかなり下がってきているようです。
RFIDがバーコードに取って変わるようになれば
POSと連携して新しい道が開けそうですね。

ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ

2007年04月17日 22時53分10秒 | 感想文


以前にロジカルライティングの本を読んでいたのですが、
基本のロジカルシンキングを読んだことがなかったので、
HRインスティチュートのロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウを読みました。

このロジカルシンキングという思考法にはコンサルタントのノウハウが詰まっています。

以下のキーワードは人に説明出来るぐらいご存知でしょうか?
■3つの思考法
ゼロベース思考
フレームワーク思考
オプション思考

■3つの基盤スキル
コミットメント
ストラクチャー
コンセプト

■3つのツール
ロジックツリー
マトリックス
プロセス

ロジカルシンキングはこれらのスキルを駆使し、
論理的なわかりやすい解答を導き出します。

システム開発にもフレームワークはありますが、
これらのスキルはコンサルタントのフレームワークです。

最近のビジネスパーソンに求められるスキルに
このロジカルシンキングがありますが、
それは、より戦略的な思考、仮説と検証を実行する能力が
求められているからではないでしょうか。

トヨタの「なぜを5回繰り返す」もこれに通ずるものがあります。
ロジックツリーにはWHYツリーというものがあり、
なぜ、なぜ、なぜ、を繰り返して、その流れをツリー状に書き、
原因を突き止める方法があります。

そして、その課題解決にHOWツリー、
どのようにして、を繰り返すものがあります。

全体的にコンサルタント発のスキルなので
経営戦略に関することが多く書かれていますが、
個人ベースでも十分に活用できるものであり、活用すべきものです。

PDCAサイクルがありますが、あれを回す時に
このロジカルシンキングにより、
より論理的に分析・課題抽出を行えば、
より効果的にサイクルを回すことができるでしょう。

とにかく、ロジカルシンキングは物事を整理して、
課題解決するのに役立ちます。

この本は読みやすいので、ロジカルシンキングってどんなのなの?という方にはオススメです。

Amazonのレビューを見ると、入門者にはオススメしないとか、
少々、批評が目立っているようです。

ちなみに、ロジカルシンキング界の古典的名著に
バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」という書籍があります。
ただ、翻訳した文章がわかりづらいそうです…
原文はいいらしい。

若者はなぜ会社選びに失敗するのか

2007年04月02日 01時06分39秒 | 感想文


書籍レビュー。

以下、本書籍の対象者の説明。

やりたいことができないのはあたりまえのことなのか、
休みがほとんどゼロなのはどれくらい異常なのか、
給料は他社と比べて高いのか・安いのか、
実力主義でない人事制度にみんな満足しているのか......。
客観的に会社の位置づけを分析できたなら、余計な不安に陥ることなく、
もっと合理的なキャリア判断ができたのではないか…

と、少しでも思うところのある人は読むと面白い。

以下、本書のハイライト。

■自分の価値を高めるための会社の条件
  1、平均年齢が若い(楽天)
  2、人材を輩出している(野村證券、リクルート)
  3、規制がない(JTB)

要は若い会社ってこと。
若い=若い新人にもそれなりの仕事が回ってくる。
最近、リクルートは「3年がんばってみないか?」
という広告で人材募集してますが、
リクルートは平均年齢を抑えるために、
35才ぐらいで退職する仕組みになっているらしいです。
(というか、それ以上、在籍しようとすると退職せざるをえない状況に追い込まれます)
リクルートから人材が多く輩出しているのは
数年間の密度の濃い実務で得た能力を使って
そこから起業する人が多いから。
実務内容も起業に役立ちそうな、
企画とか人を動かす仕事っぽいですしね。

正直、自分の価値を高めるためには経験積まないといけません。
だから、実際にそれなりの仕事を任せてもらう必要があります。
下積み時代が長い会社では、それまでに時間かかってしまうのです。

■長期安定志向の人向けの会社の条件
そんな会社の業種
・インフラ(JAL,ANA,JR各社,電気・ガス,NTT各社)
・大手メディア(大手新聞社,民放・NHK,大手出版)
・国内金融トップ(日本生命,東京海上,三菱東京UFJ銀行)
・電気連合系メーカー(NEC,富士通,日立,松下)
・自動車(トヨタ,日産,ホンダ)

なぜか?

これらの業種はどれも新規参入がしにくい業種なのです。
航空、電車、電気、ガス、NTTどれを取っても
ベンチャーが入れる業界でないのはわかりますよね?

テレビも同様。
これは電波法とかで国が保護してます。
法律的に不可侵な領域。
だから、ライブドアとか楽天が獲りに行ったという話しもある。

自動車の製造には無数の会社、部品が関わりあっていて
連携プレーの上に成り立っています。
だから、突然、自動車作るとか言っても無理です。

つまり、新規参入がない=敵がいない=価格が安定=業績が安定。
この場合、敵は外ではなく、内にいます。
社内競争に一度でも負けると、トップ昇格組には一生負けることになります。(国内系金融)
↑この差で、ウン千万の生涯給料の差が出ます。

また、上司が絶対の社風が多いみたいですね。
評価するのは上司ですから、
上司に少しでも嫌われたらいけないわけです。
さらに、仕事は安定しているので、
仕事の結果では大した差はつかないんです。

ただ、内ばかり気にしているので、
外で生きていく力は身につきにくいそうです。

賃金は年功序列。
利益は安定して儲けているので
給料は良いみたいです。
新聞、出版、メディア系は突出して良いみたいですね。

ただし、規制緩和が起こると外に敵が出来る、
価格下落が起こる等、
非常に困る事態になるというリスクがあります。
郵政事業民営化にあれだけ反対してたのも納得できますね。

■教育・研修
キャノンと日立が手厚い。
論文書かせるとことかあるみたいですね。

以下、気になった文章を抜粋。

キャノンや日立は、1社に骨を埋めることを前提に
人材育成がプランされている。

今後は「再チャレンジ推進」を掲げる政府のもと、
正社員の法的地位(解雇要件など)が弱まる見通しが強い点には
十分、留意しておく必要がある。
(デキない正社員のポストは、再チャレンジを目指す、
デキる契約社員や派遣社員にとってかわられる時代になる)

■子会社社員の運命
鉄則。
自分の権限でやりたことをやりたければ子会社には絶対に入るな!!!

つまりは、重要なポストには親会社から天下ってくるので、
その人の下で働くことを強制されるよ、ということ。

■JTB
優秀な人ほど辞める会社。
結果を出すより、上司をヨイショするのが上手い人が出世するカルチャー。

絶対に行きたくない会社。

ただし、市場原理の中で戦いたくない人にとっては居心地の良い場所です。
公務員みたいなもんです。
仕事で頑張らなくていいんです。

しかし、自分より給料がずっと高くて、
仕事のデキない、エバり腐った上司の下で
働き続けられる人限定です。



以上、どこまで本当かわからないが、
結構読んでいて面白かったです。

実際に、各社の社員にインタビューした結果を
まとめた本らしいので、
一側面の情報としては信用できる本かなと。

感想文:一億積んでも欲しい人

2007年03月18日 23時51分11秒 | 感想文


「会社が放り出したい人、一億積んでもほしい人」を読みました。

始めの方に戦後の高度経済成長期から、
つい最近まで続いていた
年功序列制度の賃金形態について解説がありました。

え?今でも続いてるって?
間違った成果主義が導入されてるなんて、よく聞きますよね。
まぁ、それはおいといて。

年功序列制度は部長までは業績で出世するけど、
それ以上の役員へは気にいられたか、嫌われたかで決まるっていう。
よくいうゴマすりのウマイやつが出世するってやつ。

だから、社内でとんがってる人は出世できない世界だったと。
かといって今とは違って、転職なんてまずなかった時代です。

会社が存続していくには新しい、今までとは違ったことに挑戦し、
失敗を繰り返しながら、継続していかなければなりません。
しかし、そういうことが出来るのはとんがっているような人たちです。

つまり、どういうことが起きるかというと、
役員にはリーダーシップが発揮出来ないような人がなり、
その下で気概のある人ががんばるという不思議な状況になります。
しかも、役員にその人の人事権は握られています。

役員以上のクラスは企業間同士で手を組み、
ぬるーい世界でやってきました。
いわゆる官僚的な世界。

最近は実力主義とか言われてきましたが、
日本ではまだまだ表面でしか導入されていないとよく聞きます。

現場に近い方は導入されてきているのかもしれませんが、
おそらく役員クラスではまだまだそうではないんでしょう。

誰でも自分が一番かわいいですからね。

さて、この本ではサラリーマンとビジネスパーソンを
次のように解釈しています。

サラリーマン:
和を大事にし、与えられた作業を真面目にこなし、
問題を起こさない人。

ビジネスパーソン:
自ら考え、行動し、ビジネスを前に進めていく人。

高校や大学で、「サラリーマンにはなりたくない」なんて言葉を
ありふれた言葉を聞いたことがありますが、
私も↑で言っているようなサラリーマンにはなりたくありません。

昔の企業の人事では、基礎の出来た人で、
後は何も固定観念のない人が好まれました。
何でもがんばりますっていう人。
入社後に会社の方で教育するからです。

すでに現代では言われたことだけやってれば
例え、仕事が出来ない人だとしても
年齢に応じて、給料ももらえて
定年まで働けて退職金もちゃんともらえる。
そんな時代は終わりつつあるのかなと思います。

この本によると、
昔は仕事が出来た人と出来ない人の
退職金は数百万程度しか違わなかったそうですからね。

基本的に勤続年数によって算出されるらしいです。
(まぁ、それは当たり前か)
だから昔は転職なんてのはもっての他だったんでしょう。
ン千万の退職金と出世を捨てるのとイコールだったんですから。

今では転職市場が巨大なマーケットになってますが
昔は日本企業は基本的に中途採用者を認めない体質でした。
新人から入った人とはあ・き・ら・かに扱いが違うそうです。

政府による、護送船団方式も終わり、金融再編もあり(華麗な一族)
日本経済も大きく変わる過渡期にあります。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の台頭もあります。

と、いうか最近では中国、インドには近いウチに抜かれるなんて話も聞きます。
ものすごい個人的な感情ですが、中国には負けたくない…
ただ、インドには今後、一度は負けるんじゃないかなぁと思います。

私が定年する40年後にはだいぶ変わってるんでしょうね。

まぁ、そんな大きな話はどうでもいいとして、
学生時代の学校と同じレベルで生活の大半を占める仕事が
つまらないのは、本当につまらないなと。
なんとか楽しくやってきたいものですね。