6/13 JST 22.51分頃 日本の小惑星探査機「はやぶさ」君が、大役を果たし大気圏突入とともに
燃え尽きました。
NASA より転載
「はやぶさ」のミッションの詳細はJAXAのホームページに詳しく記載があるのでここでは割愛しますが、大まかにいうと 火星と木星の間ににある小惑星帯から熱変成を受けていない原始宇宙の岩石サンプルを採取するのと同時に、「イオンエンジンによる航行」の二点に集約されるのではないでしょうか。
初めての技術要素が多数あり、相次ぐ故障に帰還さえ危ぶまれ、「イトカワ」にランディングした当時は、相次ぐトラブルに「日本の技術」はまだまだなんだ..と思ったことを思い出しました。
なにしろ そのときは惑星間をボイジャーやパイオニアが当初のミッションを順調にこなした上で、追加ミッションを与えられて太陽系を航行し続けていたわけですから..
しかし、昨晩の「はやぶさ」は太陽から大きく離れない場所で太陽風や放射線にさらされながら7年間も機能し、搭載されていたリチウムイオン電池は寿命末期の性能しか維持できなかったのにもかかわらずミッションを達成しました。(もっとも現時点ではイトカワのサンプルが採取されているかどうかは不明ですが)
この「はやぶさ」の自律的な制御を支えた、三個のマイクロプロセッサであるSH3 (現ルネサステクノロジ)は、日本を代表する高性能なマイクロプロセッサで、はやぶさの制御は、CPUクロックが60MHzと惑星探査機のコントローラとしては高い周波数で動作し、OSは産業用として自動車や当時の携帯電話などに採用例の多かったuITRONが使われ、核となる技術が国産であることは誇りに思います。
運任せ的な要素は多かったものの「運も実力」のうちです。 今後は安定した性能を発揮できるような 第二の惑星探査機を建造し夢を与えてほしいと思います。
さて..昨晩の「夢のある物語」でとても気分がよかったのですが何かが足りないことに気がつきました。
それは、TVによるライブの中継がなかったことです。
幸い和歌山大学がストリーム配信をするということでそちらを観ていたのですが、アクセス増大で途中音声が途切れ初め、すこし心配しましたが、ストリーム配信サーバーが持ちこたえ、奇跡の一瞬の感動を楽しめました。
しかし本来このような国家プロジェクトは、本来日本のTV局..
特にNHKが率先して放映すべきでは無いでしょうか?
昨晩のTV番組表をみると NHK総合はW杯(セルビアx ガーナ) 事情はわからなくもありませんが、NHK教育放送は通常の放送をしただけですし、民放に至っては ドラマやバラエティ番組を放映しています...
この、「夢が現実になる瞬間」のすばらしさを臨場感も込めて伝えていないのですから、昨今の子供が科学離れをおこすのは当然かもしれませんね。
このような「夢のあるお話」に価値観を見いだせなかったNHKは反省すべきでしょう。
少なくとも「和歌山大」のような少ないスタッフでもライブ配信はできたわけですから、NHKも教育放送などの放送枠を使い放送できたのではないでしょうか。
「はやぶさの帰還」は、魅力的なコンテンツであれば、小さな事業者によるネット利用による放送配信の大きな可能性と(ストリーム配信とTwitterの組み合わせの可能性)、
対照的に既存のシステムにしがみつく旧態然とした大きな組織の放送局であるNHKがひどく陳腐化し存在意義を失った瞬間でもありました。
NHKはJAXAの三倍の予算を使い、そのうち37億は税金です。
国家プロジェクトを魅力的に放映せずになにを放映するというのでしょうか?