先日 すこし興味深い番組を観ました。
それは、乳幼児の能力について、最新の調査を行った科学番組だったのですが、
内容は、
赤ちゃんが、出生直後に獲得している能力の一部は、成人のそれを超えているという従来から知られている事実をより最新の機材を駆使して調査したものでした。
そして、
「原始歩行」
「顔認識能力」
「言語獲得」 にフォーカスを絞り 取り上げていました。
そんな中でも、 顔認識の能力は大人が認識できない動物の顔まで同一個体か別の個体かを識別しているのには驚きました。 大人は、「ヒト」以外の顔に対しては、種がちがうと判断した時点で興味を失い、それ以上の識別を中止するのに対して、赤ちゃんは、目の周辺を良く観察して正しく識別しているようでした。
また、言語獲得に対する能力ですが、
生まれたての赤ちゃんに、母国語とは違う 「読み聞かせ」を再生し聞かせた場合と逆再生した音を聞かせた場合の比較において、
脳の血流から脳の活性部位を調査した結果では、逆再生した音では聴覚だけが反応したのに対し、自然に再生した場合では、言語野や前頭葉部も反応するなど、言葉を理解しようとしていることなどが観測されていました。
そして、もっとも興味深いのは、
言語を獲得するのには、映像と音を組み合わせた、現在市販されているような「教材」ではあまり効果が無いことが実験の結果からわかったそうです。
これについては、調査を行った 科学者が興奮気味に語っておられました。
そして、この言語獲得をする上でもっとも効果的なのが、ヒト対ヒト...
要するに、言葉を発し、顔の表情を読み取り、意味を少しずつ理解する行為を繰り返すことがもっとも効果的であり、
これらの能力を得るために赤ちゃんは神経細胞を大人の1.5倍ほどの密度を持ちその後使わない領域はどんどん捨て去り最終的には、大人の神経細胞密度となることがわかったそうです。
要するに 一方的なVTRやDVDのような教材では、フィードバックの環が作れないと言うことなのでしょう。
現在世の中には、パソコンやゲーム機を使った「学習教材」がたくさんありますが、
効果があると思っている商品のなかにもにも意外と全く役に立たないものがあるのかもしれません。
大人の頭でわかっているつもりの常識が子供には通用しないことがあることを、これらの結果は示唆しているようです。
大人の常識を疑うことも時には必要なのかもしれません。