リリコ雑記

徒然なるままに、思いつき日記。

NHKスペシャル ドラマ・鬼太郎が見た玉砕

2007年08月27日 17時34分41秒 | ドラマ関連





本放送は8月12日でした。
大河ドラマを見たその後、チャンネル変えずにそのまま見ていた私達家族。
なので、感想アップするのが前後しちゃいましたけど。


NHK番組公式HP「鬼太郎が見た玉砕」


実は、この戦争体験記に関しては、地元で行われた
「水木しげる展」で知っていまして。
その話がとうとうドラマになったんだなー。と思いました。

水木しげる氏は、幼い頃から妖怪に関心が強かったらしく、
戦争体験を通じてそのような思想になったとか、そういうのではなく
元々そういうものを描きたかったから、「ゲゲゲの鬼太郎」などの
妖怪漫画を描くようになったらしいです。

で、問題の戦争体験記ですが。

水木さんはあの性格なので、上官には殴られ続けだったらしく。
何かと怒鳴られ、ぶっ飛ばされてたらしい。(汗)

映画「硫黄島の手紙」でいうなら、
二ノ宮くんが演じた役みたいな感じで、散々だったらしいです。(苦笑)


因みに、父の知り合いの小父さんという人は、やはり上官に殴られ
そしてついに耳が聞こえなくなってしまったそうで。
ところが、耳が聞こえないから命令が聞こえず、また殴られ、と。
そんなお笑い的な悲劇に見舞われた人だそうで。


↑つか、上官の取った行動って、今じゃ犯罪ですけどね。
今っていい時代だなー。 って思っちゃったよ。


さて、水木さんですが。
何故に激戦地・ラバウルへ行かされたのか、というと。

配置換え希望の時に、上官から「北がいいのか、南がいいのか」と
問われ、
(↑当時、特攻隊にしてもムリヤリではなく、きちんと希望を取っていたそうですよ)

「南なら、暖かくていいな~」 

と単純に思って「南」に決めたら、
それこそ激戦地・ラバウル島へと行かされたらしい………。

そこで、色々悲惨な目に遭って、何度かの玉砕を命令され、
それでも運良く生き残り、しかし最終的には、敵の空撃にあって
左腕を失ってしまったそうで。

その後は現地人に助けられ、彼らの好意で傷は回復してゆき、
そのまま彼らと仲良くなってしまって、そこで暮らしてもいいかなー。
なんて思っていたけど、戦争が終わって帰国命令が出ていたので
「7年したら戻る」
と約束して帰国したそうで。


彼の展示会では、爆撃を受け、切断となってしまった腕の傷が
徐々に治ってゆく様子を漫画で説明してました。

緻密で、丁寧で、膨大で、それでいて、不思議な体験談は
読むのも非常に体力使いましたけどね。



さて、そんなドラマは、というと。

水木しげるさんは「ゲゲゲの鬼太郎」が好調で、売れっ子の日々。
そんな中、不可解な出来事が起こって。
身に覚えのない請求書が届き、しかも自分と瓜二つの姿をした
まったくの他人が自分の名を名乗って色々と飲食店に行ってるらしい。

そのうち、その不可解な出来事は自分の過去――つまり、
戦時中に亡くなってしまった同僚達の仕業なのだと思い当たることに。

同僚達は、生き残った水木さんに、自分たちのことを、
無念の死を伝えて欲しい、ということで、怪奇現象(?)を起こして
思い出させていたらしいですが。

そこで、水木しげるは今連載中の原稿とは別に、
己が体験した戦時中の悲惨な体験を綴ることに―――。

とまあ、そんな流れで、現実(とういうか戦後)と、当時の記憶を
行き来する水木氏の姿が描かれていました。

ドラマでは、腕を失うシーンはなく、終わりましたけど。


ところで今回は、NHKのCG技術により、
ドラマの最中に原稿から抜け出す鬼太郎やネズミ男の姿が。
勿論、鬼太郎の声は、声優・野沢さんの声で~。

しかも水木さん自身が面白い人なので、
悲惨ながらもどこかユーモラスな作りでしたけど。


それから、水木氏を演じた香川さん。

めちゃめちゃ上手くて、本物の水木さんみたいだなー。
って思いましたよ。(笑)
いや、香川さんは何やらせても上手いですけどね!


戦時中、ロクにメシも喰えず、そんな状態で激戦地に行かされる
兵士達の悲劇とか、そういうのもてんこ盛りでしたけど。
印象的なのは、戦友ふたりでイモを隠して、「後で二人で食べよう」
って約束したのに、先に戦友が亡くなってしまったり。

川岸まで行くその途中、戦友の一人が川に落ちて、
そんでワニに食われちゃって足だけが岸に辿り着いてたり。

どこかユーモラスなんだけど、悲しいエピソードが一杯で。


その水木さんですけど、食に対しては物凄い執着心があって、
原稿を書きながらも何かと食べている姿があったんですけど、
もしかしたら、その中の、飢えによる反動なのだろうかと思ってしまったり。


でも、その中で一番ムカついたのは上官。

玉砕命令出して、でも、自分は見届けるのが任務だからと
隊を外れ、傍観者に回るこの上官!


言ってしまえば「お前たち、行って死んで来い」
っていうのと同じ。

しかも、玉砕して全員死んだとばかり思われていた同胞が、
実は生きていたと知るや、その人たちをも再び「玉砕命令」にて
殺そうとしている。

これは立派な殺人犯で、いわば
BC級戦犯と同じじゃん!!


と、私は思ってしまったわけでして。
(ちなみに、「A級戦犯」って、最初から罪が決まってたわけじゃなくて後で
罪状を付け加えたらしいですよ?)


だからマスコミが一生懸命になって騒ぐ「A級戦犯」の意味が
私には理解し兼ねるんですけどねー。
先にBC級戦犯の方々の事を綿密に調べてからにしろと言いたい。



さてさて。
それはそうと、あのような激戦区。
たとえ生き残って、無事に日本に帰国しても、あれじゃあ辛すぎるよ。

と思うと、水木さんって、凄い精神力の人だなー。
なんて思ってしまうわけでして。


一種投げ遣りにも聞こえる彼の言葉があるみたいですけど、
激戦地で戦い、生き延びただけでも満足で、精一杯で、
だからこその言葉なのかと。

まあ、そんな風にも思ってしまったワケなのですが。



硫黄島でも見ていて思ったんですけど、
こういった南国での戦争映画なり、ドラマを見る時は

クーラーの無い、蒸し暑い部屋の中で、汗をたらして
見るのが一番
だと思います。
臨場感も悲壮感も絶望感も、これでばっちし。

(なんちゃって)

いやでも、クーラーの効いた部屋じゃあ、分らないと思うしね。
その時の壮絶な体験なんて、実感湧かないと思うし。


まあ、ウチはクーラー無かったから、本当に臨場感ありましたよー。
見ててめっちゃ辛かったけど。


でも、思ったのは、生き残ってもそれでも地獄だなー。 と。

あんな体験してきて、それでも報われないってのは
あまりに酷すぎるから。
未だに、何万もの兵士の遺骨は南国の島々に眠ってるそうだし。

でも、政府の方針で遺骨収集は打ち切られているらしいし。


そんな複雑な思いを抱いた、南国での激戦。
海が青くて美しいのが、殊更に絶望感を煽りますけどね。


水木氏が久々にラバウル島に行って、その時大声で笑ったの、
何となく分るような、でも、悲しい気持ちになってのも事実ですけど。


あの美しい島に眠る、戦没者へ祈りを込めたいと、
そんな風に思ったドラマでした。


◇あらすじ◇
「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の水木しげる氏が、自らの壮絶な戦争体験を描いた自伝戦記漫画をドラマ化。
鬼太郎や目玉おやじなど、おなじみのキャラクターもアニメで登場する。
西岡琢也脚本、柳川強演出。

1943年末。二等兵の丸山(香川照之)は、すし詰めの船に乗せられ、ニューギニアのバイエンに送られた。
そこは米軍と対峙(たいじ)する最前線。陣地構築のために木材運搬や穴掘り、食料調達の日々を送る初年兵の丸山は要領が悪いため、毎日のように上官に殴られた。
米軍よりも上官の暴力におびえた。
敵襲に備える過酷な日々の中、丸山の周りでは戦友たちが次々と命を落としていく。



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3 コメント

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ああ、コミケ。 (くみ)
2007-08-29 00:58:17
コミケって何かしら毎回、個人的に笑い、というか事件が怒りますよね。

わたしが買い物を頼んだ友人は、あまりの暑さに、八重洲で、一人でビアレストランに入り、ジョッキ大を平らげ、新幹線の中で爆酔して、地元掛川をスルーして浜松まで行ってしまいました。
で、次の日も日帰りコミケ・・・。

別の友人は買い専ですが、コミケだけでは飽き足らず、インテにも行くそうです。
掛川から大阪って・・・金が・・・わたしと同じ会社に勤めているのに、どうしてそんな金が・・・。

萌えの力ってすごいですね。
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すいません。 (くみ)
2007-08-29 00:59:16
上の記事にコメントするつもりで、間違えてしまいました。
返信する
こんばんわ~vv (リリコ)
2007-08-29 21:40:34
くみ様、いらっしゃいませ。

行ってきましたよ。
おたく最大の祭典へ!(笑)

それにしても、くみ様のご友人は豪快な方が多いですね。
日帰りコミケなんて、凄いです。
自分は地方出身者なので、それは不可能ですけど。


いやあ、それにしても萌えの力って、本当に凄いですねー。
って、そういう私も同じですけどねっ。(笑)
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