会長スピーチ

綾部ロータリークラブ会長スピーチを収録します。これは週報に掲載されたものをそのままコピーしたものです。

「花粉症を防ぐ」

2008-02-26 14:48:27 | 会長スピーチ
                     
 先週、アレルギー(花粉症)と免疫とは裏腹の関係にあると申しました。免疫力が癌を攻撃すると言うまでには、非常に複雑な過程があります。
その中で、リンパ球のヘルパーT細胞(HT)と言うのが大きなウェイトを占めます。HTには細胞性免疫のHT1と、液性免疫のHT2の2種類があります。HT1の割合が高くなれば免疫力が高くなり、HT2の方の割合が高くなると免疫力は落ち、花粉症になります。免疫力をあげて花粉症にならない為には、HT1の割合を上げてやれば良いわけです。

 では、HT1の割合を高くするにはどうすればよいかと言う事ですが、これには3つの方法があります。
1番目は、結核菌の感染です。しかしまさか結核にわざわざなるわけにはいきません。今から30年ほど前に、丸山ワクチンというものがありましたが、あれは丸山博士が、結核患者の中には癌が非常に少ないと言う事に着目して、結核菌の病原性をなくしたものを利用したのが丸山ワクチンです。現在は殆んど使われていませんが、BCG療法というのがあります。

 2番目は、大腸菌の感染です。先々週申しました、東京医科歯科大学の藤田教授の教室では、全員がサナダムシを大腸に飼っていて、
全員花粉症も無く、免疫力は高いと言う話をしましたが、この話と見事に合致します。しかしサナダムシを体に入れるのには少々抵抗があります。

 3番目の方法は、アガリクスとかAHCCとかの、きのこ類を摂取する事です。これだと誰でも簡単に実行できます。

以上、申し上げましたことは、色々な情報を集めて私なりに考えた仮設です。実話ではありません。本当にどこまで効果があるのかは不明ですが、
花粉症の方は試してみる価値はあると思います。因みに私はこの10年来、シイタケ菌糸体を服用しています。花粉症にはなった事はありません。

(週報2008/2/22)

「アレルギーと免疫力」

2008-02-19 10:55:48 | 会長スピーチ
 最近、多くの方が花粉症で苦しんでおられますが、50年前には無かった病気です。花粉症はアレルギーの一種ですが、このアレルギーと免疫力とは裏腹の関係です。アレルギーは外部から体内に入った異物に対して反応するわけですが、それが過剰反応した結果あの様な症状になります。
免疫と言うのは、細菌など外部からの異物に対して、攻撃してやっつけてしまうと言う事で、同じ様なことなのですが、癌に対する免疫は少々異なります。

 癌と言うのは、発癌物質などにより、細胞の遺伝子が傷つくことで癌細胞となるわけですが、外部から侵入する敵とは違い、自分の体の中で生じる事なので、少々ややこしいのです。癌に対する免疫は、先ず遺伝子が傷ついた細胞を見つけ出して、これが増殖しては困ると言うように認識した時に、細胞を攻撃して、その細胞を殺してしまうという作業をします。

 我々のからだのあちこちで、癌細胞は発生しているのですが、初期の段階で免疫力の力で退治しているわけです。ところが、免疫力が何らかの原因で低下している場合に、どんどん大きくなってしまって本当の癌となるわけです。

 癌を予防するには、ストレスを避ける、発癌物質(例えば食品添加物、農薬、排気ガス、勿論タバコもそうです)を取り込まないと言うことが大切ですが、実際は日本に住んでいる以上不可能な事です。という事は免疫力を高める事が必要な事です。冒頭に申しましたが、アレルギーと免疫は全く裏腹の関係ですので、花粉症にはならなくて免疫力が高くなると言う、全く自分なりに研究している仮説がありますので、次回に紹介したいと思います。

(週報2008/02/15)

「清潔志向」

2008-02-13 11:36:02 | 会長スピーチ
                     
 戦後、日本は急速に清潔志向が進んで、細菌という細菌全てを排除してきました。最近の抗菌グッズなんかはその最たるものです。
ハエ一匹で大騒ぎをするようになりました。私は、これはちょっと行き過ぎではないかと思います。 本来人間も動物の一種です。動物は我々人間からみると、考えられないほど不潔な環境の中で生活しています。(勿論、病原性を発揮するコレラ、チフスのような菌は排除しなければなりませんが)、人間は、様々な菌と共生しているのです。

 ところが、清潔志向は、人間にとって必要な菌をも排除して来ました。東京医科歯科大学に、藤田紘一郎という教授がおられますが、
沢山の著書の中で『清潔は病気だ』と題するものがあります。その中で、花粉症やアトピー性皮膚疾患など、最近増加している病気は、
戦後DDT散布と、回虫の集団駆除から始まったもので、日本がひたすら進めてきた『無菌化への道』が起こしてきたことではないかと
言っておられます。O-157とかジオネラ菌など、新しく出現した病原体に悩まされている一方、抗生物質に耐性を持った結核菌、MRSA等も出てきています。

 この教授は、寄生虫学、免疫学が専門です。日本の『無菌化』は、感染症に対する日本人の『弱さ』をもたらしただけでなく、
1960年代後半から多発してきた花粉症、アトピー性皮膚疾患、気管支喘息などのアレルギー性疾患が、実は『無菌化』と
密接な関係を持っているとの事です。アレルギーだけではなく、免疫力の低下と言う、大変な問題も起こしています。

 世界にまだ存在しています、低開発国の原住民は、我々から見れば、随分不潔な生活を営んでいますが、多分花粉症は一人もいないでしょうし、
癌の発生もごく少数だと思います。最近は、共生菌の排除だけではなく、汗の匂いすらも消す傾向にあります。我々が生物であると言う事自体を、
忘れてしまおうとしているとしか思えません。


(週報2008/2/8)

「けいこ」

2008-02-05 15:45:14 | 会長スピーチ

 京都の花街、上七軒の芸舞妓、梅嘉さんが、記者の質問にいろいろと答える一つに「けいこ」について語っているのを新聞で読みました。
 「おけいことは、あるべき形式美を追い求め、同じ事を何ん度も繰り返すことどす」と。
(H19? 京都新聞にて)
 弱冠39才(当時)の彼女が、けいことは自分の弱点と向き合うことなどと、大変重い意味のあることを、紙上からですが、何か簡単そうに語っていることに、まず驚きました。
 けいこというものは何度も繰り返さねばならないこと位は承知していながら、いざけいこを始めたら「まあ、これ位でよいか!」と身勝手ないたわりから中断して終うのが常ではないでしょうか。だからその程度のけいこしか出来ない者には、自分の弱点と向き合える筈もないのかも知れません。
 梅嘉さんが何才から、どんな思いでけいこ事を始めたのかは知りませんが、決して楽とは云えないけいこから逃げることなく、しかも何度も繰り返す日々の積み重ねてゆくうちに、つかみ得た心境・感慨なのだと思います。
 けいこ事の真似をしている一人として、素晴らしい新聞記事に会えたこと、けいこの意味を少しは知ることが出来たこと、驚き教えられ感服したことなど、皆さんにお伝えしたかったのであります。

(週報2007/02/01)