会長スピーチ

綾部ロータリークラブ会長スピーチを収録します。これは週報に掲載されたものをそのままコピーしたものです。

「武士道」

2008-06-10 10:52:59 | 会長スピーチ
                                
 昨年、地区大会の講演者であった藤原正彦氏の著書であり、ベストセラーにもなった『国家の品格』のなかで、「道徳・倫理観は、外国では、すべて宗教が基本となって培われている。しかし日本では、仏教にしても神道にしても、少々意味合いが違う。かつての日本は、世界の人が驚嘆したという道徳観・倫理観がありました。では、その基本となている源は何であるかというと、それは、『武士道』の精神であろうと」と言っています。

 『武士道』というと、私は切腹等あまり良いイメージを持っていません。と言う事で新渡戸稲造氏の『武士道』を読んでみました。
『武士道』は何百年という年月をかけできあがってきたものですが、 基本となっているのは、仏教、神道、孔子の教えなのです。
武士道の中核は、慈愛、誠実、勇気、正義、忍耐、礼儀、名誉、そして惻隠(そくいん)の情です。惻隠の情とは、弱者や敗者を思いやる心、卑怯を憎む心です。これが、日本人が昔から持っている武士道の美しい形です。

  と、ここまで聞かされると、なるほど武士道が道徳・倫理の基本になって来たのだと納得できます。 ところが現在、これらの日本人のすばらしい所が、どんどん失われつつあります。人間の心や気持ちを律するのは、法律や規則ではありません。一人ひとりの道徳観、倫理観なのです。
今我々日本人が、この『武士道』を取り戻さなければ、どんどん世の中が悪い方向に行くと思われるのです。

(週報2008/06/06)