会長スピーチ

綾部ロータリークラブ会長スピーチを収録します。これは週報に掲載されたものをそのままコピーしたものです。

「歴史的発掘過程(Ⅲ)」

2008-01-29 13:11:01 | 会長スピーチ
           
 
 以前の会長スピーチで申し上げましたが、ポールハリスを中心にロータリークラブが発足し、会員は増加したのですが、まだその時は、奉仕を旗印とした訳ではなかった、という所までお話したと思います。


 その当時、クラブに集まる人々は、事業家、職業人でありますので、話題と言えば商売の話であります。お互い困った事の相談や、取引やサービスの提供となって、実利的にも便利な存在となりました。

 しかしロータリーに、一つの転機が訪れたのです。それは、アーサーFセルドンの入会です。その人は経営学者で、この様な仲間の営利ばかり考えている会は、長続きしない。広く社会的に有効な団体となる、立派な旗印が必要であると考えました。

 そこで、当時のシカゴを見渡したところ、金の亡者の集まりで商売道徳は退廃し、酷い状態でした。が、破産倒産が相次ぐ中にも、なお商売繁盛を続ける商家のあるのに気づきます。その秘密は、相手の身になって励む事でした。
そこで、「最も良く奉仕する者、最も良く報いられる」の標語を掲げて会の指針とし、『超我の奉仕』を唱って職業奉仕団体としての性格を明らかにしました。ここに初めて、ロータリーの中に奉仕と言う文字が入ってくるわけです。

 その結果、ロータリアンの職場はいづれも活気を取り戻し、着々と成功者も出てきました。この職業奉仕の成果によって、ロータリアンは大きな信念を持つことが出来るようになりました。この時から、ロータリーのマークが、車輪のマークから、相互扶助のギアのマークに変わりました。すなわちこの「相手の身になっての言動、奉仕の理想」は、職業の成功ばかりでなく、より良い社会を作るのに大切な信条であるということであります。

 あらゆる生活の場に、この奉仕の理想を持って行動する事が、住みよい社会を作る道であり、これこそがロータリーの責任と名誉であり、ロータリアンはそこの先達であり、指導者である事を心に刻むようになっていったのです。

(週報2008/1/25)
               

「通し矢」

2008-01-24 14:07:40 | 会長スピーチ
                                
1月14日は成人の日でしたが、その日は毎年、京都の三十三間堂で、恒例の行事が行われます。通し矢です。
毎年新成人が弓を射ますが、特に晴れ着姿の新成人が弓を射る姿がテレビで放映されます。
 
 三十三間堂の庭で、60m先の的を射ます。本来の競技では約30mの距離で行われますが、その倍の距離ですから、なかなか当たりません。
ところが、本来の通し矢とはそんな生易しいものではありません。三十三間堂の西側軒下(縁)長さ120mを、南から北へ矢を射通す競技の事を意味します。一昼夜に射通した矢の数を競います。

 西暦1100年代から行われていたという話もありますが、明確な記録があるのは1606年からであります。江戸時代には盛んになり、
各藩の弓の名手が、藩の威信を賭けて挑戦しました。軒下で射るのですが、幅2、5m、高さ5、5m、長さ120mを通すのですが、
立位では無理なので、座して弓を射ました。暮れ六つ、夕方の6時から、何と24時間射続けます。記録はどんどん更新されて、
最高記録は1686年、紀州藩の若干18歳であった『和佐大八郎』が残した、13053本中通し矢8133本という記録です。率で言えば62%、
1時間に544本、1分間に9本を射る速さで、弓の強さ、技術、そして精神力は想像を絶するものです。以後、この記録は破られる事はありませんでした。この競技は江戸時代で終っています。

 では、現代人が通し矢を行ったらどうなるのかという事で、1987年今から約20年前に、プロジェクトを組み実験的に通し矢を行いました。
芦川という5段の腕前である人が、100射して通し矢が9本。弓は炭素繊維をいれ、特別に強くしたものを使ってのことです。
多分現代では、普通の腕前の人が射ても、1本も通らないと思います。

 江戸時代の武士は、現代人では考えられないほどの体力、精神力、技術を持っていたのだろうと驚くばかりです。

(週報2008/1/18)

「新年を迎えて」

2008-01-15 13:48:19 | 会長スピーチ
        
 あけましておめでとうございます。ご家族お揃いで、穏やかなお正月をお迎えの事と存じます。
2008年がスタートしたわけですが、綾部ロータリークラブと致しましては、和やかな中にも、一本筋の通った・・・そんなクラブになればと思います。
又、今年中に数名の新たな会員を得たい。その為には、我々一人ひとりが増強委員長になったつもりで、真剣に考えて頂きたいと思います。

 ロータリーアクトクラブでは、本年佐々木君が地区代表でありますので、綾部ローターアクトクラブ主催で、地区大会を開催しなくてはいけません。
提唱クラブとしての我がクラブと致しましては、、全面的にバックアップをしていきたいと考えています。宜しくお願い致します。

 私事ですが、新年を迎えて昔は色々と目標を立てたものですが、一度も達成された事がありません。結局10年程前からは、
目標を立てることをやめました。世界を見てみますと、環境問題、金融不安、国内では、年金問題、偽装、汚職等々、問題は山積していますが、
今年こそは、僅かでも光明・希望が見えますようにと祈りまして、年頭の会長スピーチと致します。

(週報2007/1/11)