京都の花街、上七軒の芸舞妓、梅嘉さんが、記者の質問にいろいろと答える一つに「けいこ」について語っているのを新聞で読みました。
「おけいことは、あるべき形式美を追い求め、同じ事を何ん度も繰り返すことどす」と。
(H19? 京都新聞にて)
弱冠39才(当時)の彼女が、けいことは自分の弱点と向き合うことなどと、大変重い意味のあることを、紙上からですが、何か簡単そうに語っていることに、まず驚きました。
けいこというものは何度も繰り返さねばならないこと位は承知していながら、いざけいこを始めたら「まあ、これ位でよいか!」と身勝手ないたわりから中断して終うのが常ではないでしょうか。だからその程度のけいこしか出来ない者には、自分の弱点と向き合える筈もないのかも知れません。
梅嘉さんが何才から、どんな思いでけいこ事を始めたのかは知りませんが、決して楽とは云えないけいこから逃げることなく、しかも何度も繰り返す日々の積み重ねてゆくうちに、つかみ得た心境・感慨なのだと思います。
けいこ事の真似をしている一人として、素晴らしい新聞記事に会えたこと、けいこの意味を少しは知ることが出来たこと、驚き教えられ感服したことなど、皆さんにお伝えしたかったのであります。
(週報2007/02/01)