会長スピーチ

綾部ロータリークラブ会長スピーチを収録します。これは週報に掲載されたものをそのままコピーしたものです。

「偽」

2007-12-26 14:15:10 | 会長スピーチ
   
 本日で今年の最後の例会です。会長としての半分の任務が終了する訳ですが、どうにかここまで大過なく来る事が出来ました。
これも、羽賀幹事はじめ、皆さんの支えのお蔭だと思います。本当に有難うございました。 この半年間、長かったのか短かったのか、
12月1日に行われました、両丹クラブ会長幹事会では、案外短かったなという意見が結構ありました。私も同様であります。
どうか来年も宜しくお願い致します。

 この1年の国内を振り返ってみますと、今年の漢字に選ばれた『偽』という字が、全てを物語っています。清水寺の貫主は、こんな字が選ばれるとは恥ずかしいといっておられました。食品偽装、年金問題、防衛省の汚職等々、そこには道徳、倫理、又仕事に対する誇りのかけらすらもありません。あるのは、金と欲です。子供は大人の背中を見て育つといいます。この様な嘘つきの大人の生き方を見て、まともな育ち方はしないと思えます。

 昔の日本は外国人が訪れて、その気品の高さと礼儀正しさに驚嘆し、尊敬されたという歴史を持ちます。我々の子供の頃には、「嘘をついたり、悪い事をしては駄目だよ、神様がいつも見ているよ」といわれたものです。ひょっとして現代人は、見えない大きな存在を畏敬するということを、忘れてしまったのでしょうか?我々ロータリアンは職業奉仕を看板としています。せめて我々は、その様なことの無い生き方をしたいものだと思います。
今年が底辺であることを祈って、会長タイムと致します。

(週報2007/12/21)

「徳川吉宗」

2007-12-11 14:11:42 | 会長スピーチ
 10月に和歌山に行く機会がありました。その時、未だ行った事がなかった和歌山城を訪れました。
さすがに、徳川御三家だけあって、昭和33年に天守閣は復元されたとはいえ、立派なものでした。

御三家とは、皆さんもご承知だと思いますが、おさらいをしておきますと、家康の9男義直が尾張に、10男の頼宜が紀井へ、
11男の頼房が水戸へ行き、その3つを総称して、御三家といいます。

 紀井より、和歌山5代城主吉宗が、徳川8代将軍になるわけですが、分家の紀井から何故将軍になったのか、少し調べてみました。

家康のあと2代将軍は秀忠です。3代将軍家光の時に、幕府はほぼ確立いたします。家光の後は、長男の11歳家綱が4代将軍となります。
家綱の後は家光の4男である綱吉が5代将軍になります。

 綱吉は、犬公方と言われ、「生類憐みの令」を制定。元禄15年には、赤穂浪士の討ち入りもあった時代です。江戸の大火、利根川の洪水、
富士山の噴火等があって、財政は逼迫いたします。

 綱吉の没後、家宜が48歳で6代将軍になります。大変優秀な人物だったのですが、就任後たった3年で死去しました。
その後、大奥の熾烈な跡目争いの末、家宜の子供である家継が、わずか4歳で7代将軍となるのです。その時の補佐役は、新井白石でした。

ところが家継もからだが弱く、8歳で死去したのです。この頃の財政は最悪で、2代続けて、3~4年で亡くなってしまい、
徳川最大の危機でありました。

 その後、8代将軍は本家にはいません。序列が上の尾張から将軍に出すのか、紀井から出すか、大奥のドラマに良く使われますが、またまた熾烈な跡目争いの末、紀井の5代城主吉宗か8代将軍となります。吉宗は非常に優秀で、歴代将軍の中でも、傑出した政治家でした。
吉宗は「享保の改革」「目安箱の設置」その他、様々な改革を行い、幕府をほぼ建て直します。吉宗は家康のひ孫ですが、徳川幕府が300年も続いたのは、家康が優秀な人間であったからだと思います。

(週報2007/12/7)


「現在の歯科事情」

2007-12-04 13:59:49 | 会長スピーチ
             

 今日は、現在の歯科医療の現状をお話してみたいと思います。
日本歯科医師会は、『8020運動』を展開中です。『8020運動』とは、皆様ご存知だと思いますが、
「80歳になっても20本の歯を残そう」というものです。要するに、一生自分の歯で食べようということなのです。
が、残念ながら、未だ達成されてはいません。

 しかし、この20年間少しずつではありますが、近づいてきています。
厚生労働省のデータがありますが、20本以上の歯が残っている人の%を年代別に見てみますと、
60~64歳の人では、S.62年に40%、H7年では70%。70~74歳の人では、S.62年に15%、H17年に42%。
80歳では、S.62年に9%、H17年に21%です。
約20年間に、実に倍以上の人は、20本の歯が残っているのです。それでも、80歳の人の残存歯数は10本です。
このように良くなっていった原因としましては、国民の口腔衛生思想が向上したという事もありますが、
大きい理由としては、我々歯科医の努力があったからではないかと自負しています。

 では、歯を失う原因を見てみますと、主なものではむし歯と歯周病ですが、歯周病によるものが少し上回っています。
むし歯はむし歯菌(ミュータンス)が糖を摂取し、酸を排出し、その酸が歯を溶かす事によって発生します。
むし歯を作らない為には、ミュータンスがウヨウヨいる歯垢を取ってやる、つまり歯磨きです。もう一つは、酸に溶かされない強い歯を作る事。
一番手っ取り早いのが、フッ素です。最近は沢山の歯磨き剤にフッ素が配合されています。このフッ素の普及と、
先ほどの口腔衛生思想の向上により、若年者や子供のむし歯は減少しています。

 これからもどんどん減少していく事と思います。むし歯になって治療するよりも、先ず予防が大切です。
今日はむし歯について、一言で申しましたが、又の機会に歯周病について話してみたいと思います。

(週報2007/11/30)