先日高校野球夏の甲子園が終わりました。例年の如く、見る人に夢と感動を与えてくれます。特に決勝戦は、公立の佐賀北高校が広陵高校に劇的な戦いで勝利し、優勝しました。
甲子園には『魔物がすんでいる』とよく言われますが、今回は正にそうでした。8回表終了時点で、佐賀北高校の勝利を誰が予想したでしょうか。それまで広陵高校は、12安打を放ちチャンスの連続であるのに対して、佐賀北高校はわずか1安打。バタバタと三振に倒れ4点差。誰もがもう駄目だと思っていた8回裏、奇跡が起こりました。あの逆転満塁ホームランです。佐賀北高校は弱小チームに良く見られる、選手の身長がバラバラです。選び抜かれた選手が集まっているチームでは無いということです。過去2年間の佐賀県予選は、初戦敗退です。しかし今大会は、引き分け再試合、延長戦と、戦った73イニングは何と大会記録です。因みに、2位は昨年の早稲田実業、3位は三沢高校でした。佐賀北高校というからには、東西南北それぞれに高校があるのかなと思い調べてみたところ、佐賀南高校だけがありませんでした。佐賀商業高校は、平成6年に全国優勝しています。
広陵高校は、投打共に素晴らしいチームなのですが、一つだけ足らない点がありました。それは『運』です。この奇跡の大逆転を見て、私は2つの教訓を得ました。ありきたりではありますが、一つは『油断大敵』です。広陵高校は試合経過からして、「この試合は頂いた」という一瞬の気の緩みがあったのかもしれません。そして2つめは『どんな時でも決して諦めてはいけない』という事です。この気持ちがあの逆転を生んだのだと思います。高校野球の特待生制度が何かと問題視されている中で、特待生とは無縁の公立高校が優勝したとは・・・誠に皮肉な話です。
(週報2007/08/31)