七草
シチ草と読んだ奴がいた。ナナ草と読んで欲しい。
今日は七草。婆さんが留守なので、今年は七草粥を諦めていた。夕刻外出したときに、行きつけの焼鳥屋へ寄ったら、未だ時間も早いのか、客は誰もいなかった。輩が本日の来店客第一号だ。
焼酎の暖かいお湯割りを頼んだら、大将が一椀の七草粥を‘摘み’として出してくれた。お馴染みの野菜がタップリ入った、具たくさんの粥をフウフウと息を吹きかけながらハフハフ食べた。極々薄い塩味が堪らなく旨い。寒さも何処かへ吹き飛び、体中が芯から暖まってきた。身体にも優しい。先人の知恵に、改めて感服した。お湯割りの摘みとしても悪くない。
急いだので、梅干し入りお湯割り一杯だけで店を後にした。お代は630円也。今日は食さなかったが、この店には焼き鶏をはじめ、いろいろ旨くて安いものが揃っている。「湯豆腐」一人前が400円、「鶏の水炊き」600円はお薦めだ。圧巻は、「鶏のメンチカツ」450円也。何れも、見ている目の前で一から造ってくれる。
もともと「鶏のメンチカツ」が売れに売れて、先代が大きくした店だ。この店は、そこの次男坊が経営する分店。何処にでもある‘こぢんまり’した店だが、筋金入りの大将が腕を振るっている。二千円以内でほろ酔いになれること請け合いだ。店の名は「鳥吉」(トリキチ)。市川・本八幡の本店は、今はもうない。
平成17年1月7日
