余禄 家々のランプが電灯に変わった明治から大正の…

家々のランプが電灯に変わった明治から大正の…

毎日新聞2016年4月5日　東京朝刊

　家々のランプが電灯に変わった明治から大正の騒動譚（たん）や笑話が各地で語り伝えられた。主人公は主に当時のお年寄りで、電灯をつける油を探しに行ったおばあさんや、雷様の垂らした線から引いた明かりと信じて電灯を拝むおじいさんたちだ

▲松谷（まつたに）みよ子著「現代民話考１２」が集めた話によると、最初の通電時間は夜だけだった。夕方暗くなると家々で一斉にパッと電灯がつくのに老いも若きも感嘆した。電灯を消そうと懸命に息で吹く年寄りの話も各地に伝わる

▲「電気は不便なものだ」と嘆いたのもお年寄りで、キセルに火がつけられなかったからである。どうやって電気を作るのかにも興（きょう）味津々（みしんしん）だったようで、発電所を見に行く話もある。しかし考えれば、現代の私たちもそれほど電気の素（す）性（じょう）をよく知っているわけではない

▲今月から電力小売りの全面自由化で、新規参入する新電力は２６０社以上という。先日の発表では契約を切り替える家庭はまだ全体の０・４％で、うち９割近くは東京、関西両電力管内のものというが、ともかくも消費者が電力を商品として選択できることになった

▲消費電力の多い家庭の割安料金やポイント制特典などが目立つ新電力の売り込みである。ただ消費者の中には扱う電力が再生可能エネルギー由来かどうかといった電力の素性を問う方もおられよう。なのに事業者に電源構成の開示義務はなく、公表する会社も少ない

▲「民話考」によると、明るくなったりうす暗くなったりする電灯を見て「電灯会社しっかり」と叫んだ明治の子どもらだった。今度はどの会社にエールを送るかを熟慮したい平成の消費者である。

ソース ： http://mainichi.jp/articles/20160405/ddm/001/070/144000c 

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 つぶやき

　なぜか判らぬが停電の前触れでは電灯の明るさが暗くなったり明るくなったりする。パット一瞬で暗くなることはめったにない。瞬間的に暗くなる時は大体　事故か？　別の原因が多い。戦時中や戦後の一時期 よく停電があったが、その時は電灯が ぼやけたり、また点いたりして１～２分の内に電灯は消え真っ暗になる。　然し数時間にわたる停電はあまり経験していない。台風の時でさえ一夜明けると既に正常になっている。

最近では東日本大震災の時に８時間以上も停電した。電気の有り難さを改めて気づいたものだ。

その電気が「小売り」される。時代は変わった。私 ごとき年寄りには想像もできないし理解すら出来かねることだ。

ネットでも「当社へ・・」と姦しく宣伝されているが、内容が理解できないので私は現状維持とする。僅かでも料金が安くなるというだけで変更した時に後で思わぬシッペ返しを食らいそうだ。・・・と言うわけで私は現状維持だ。