「お許しください。お許しください。アーシャーラーマラー」
ザンサンシャカレの宮殿の地下。厳重に隠されてた部屋に私たちはきてる。いや、来てるのはそれこそ、ザンサンシャカレの領主と私=ドローンだけである。やっぱりここはずっとそれこそ領主一族しか入れなかったそんな場所なのだ。それは実際、アズバインバカラとかも変わりない。
やっぱり都市核というのは街を支える核だから、秘して祀らないといけないらしい。なにせこれがなくなったら、街は崩壊する。人が生きていくことはできなくなるのだ。だからこそ、万一を考えてもこの場所は当代の領主と次の領主と決められてる子供以外は知る由もないらしい。
まあ教会の奴は多分しってるんだろう。ミレナパウスさんは匂わせてたし、この場所を知ってるからこそ、攻め込んできたはずだ。だから実際ミレナパウスさんは連れてきてもよかったのかもしれない。
でもそれをここの領主は了承しなかった。もしかしたら彼らの方に投降してたら一緒に連れてきたりしたかもしれない。でもミレナパウスさんはこの世界の者たちではなく、私たちの方に投降したのだ。それが彼としてはちょっとプライドが傷ついたのかもしれない。
結局のところ、私たちは外からきた得体のしれない奴らだからね。そんな奴らよりも自分たちは下に見られてるのか――ってことなのかも。私たちのやったこと……そして私たちがいるからこそ、教会にたてつけてるわけだし、それをちゃんと領主の人たちはわかってる。
納得もしてる。理解だってしてるだろう。初めて私……G-01を見たとき、腰を抜かしてた人たちもそこそこいたからね。お披露目……とはちょっと違うか? 顔合わせ……的なそんなのをアズバインバカラでしたのだ。
私がいる庭の方にぞろぞろとやってきて、そこで私は膝を折ってたわけだ。いつものようにね。私がいる場所は広場みたいになってるから、沢山のアズバインバカラの民衆がいた。G-01を拝んだり、その周りで遊んだりがアズバインバカラの日常風景だからだ。
そんなところにやってきて、領主たちはG-01のことを便利に使える人形とかと思ってたのかもしれない。なんかそれこそG-01の前に勇者とかとも挨拶してたわけだけど、勇者は優しいからね。侮られてたんだろう。
そして世間ではG-01は勇者の下の存在となってる。だからもしかしたら領主たちはG-01という存在をどういう風に便利に使えるか……的な皮算用をしてたのかもしれない。
でもそんなのを打ち砕いた。和やかで、にぎやか、そんな広場になってる場所でなされるままにされてるわけのG-01を御しやすそうだと思ったかもしれない。
でもG-01が動き出して立ち上がった時。その大きさに領主たちは驚いて腰を抜かしてた。そこできっと彼らは悟った。
私たちを敵に回したらいけないってね。
「お願いいたします」
そういって台座から取り外したザンサンシャカレの都市核をドローンへと託してくる。それに迷いがないのも、G-01という存在が自分達よりずっと上位にいるとわかってるから。
やっぱり最初の印象って大事だよねって私は都市核を受け取りながら思ってた。
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