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ある日、超能力者に目覚めた件 第二章 第十六話part1

2024-10-01 23:56:04 | 日記
 ゆっくりと建物の屋根へと降りる。瓦に足をついたとき、カン――とちょっと音が出た。夜中だからその音はかなり響いたように思えた。けど人が動く気配ない。まあそもそもがちゃんと家の中では家族みんなが寝てる事はちゃんと足軽は確認してる。家に戻ってくるまでになんとか心の平穏を取り戻した足軽は、家の中に入るまえに力を広く伸ばして周囲を確認してみることにした。もしかしたら逃げたと思ったサルが実は……とかあるかもしれない。
 
「流石にいないか」
 
 結果的には周囲にはサルが潜んでる……なんてことはなかった。流石にあそこまで追い詰めてたんだから、下手なことはしないか――と足軽は思った。瓦伝いに窓へと回って、二階の窓を開けた。
 
カララ――
 
 と小さな音をだして窓が鳴る。実はそこには小頭もいるわけだが小頭はすやすやと眠ってた。一応保険としてさらには安全のためにも、小頭の周囲には小さな結界の様な……そんなのを足軽は張ってた。
 それは音も遮断するようになってる。だから小頭はすやすやと寝てる。
 
(おかえりなさい)
 
 ゆらゆらと揺れる人型の白い存在……アースが誰かの勉強机に足を組んで座ってた。最近は『この星が楽しくなってきた』とかいって、諸国漫遊の食の旅に出てた筈だが……こいつはこうやって突然やってくるから別に驚きはない野々野足軽だ。
 
(来てたのか)
(ええ、大変かな~って思って)
 
 どうやらアースは大体の事をわかってるらしい。流石は地球そのものといえる存在だ。ならば余計な言葉なんて不要だろうと足軽は単刀直入にきいた。
 
(あのサルはなんだ? 化け物なのか? それとも誰かの仕業とか?)
 
 あんなのが昔からいたらなにか言い伝えでもあってもおかしくないだろうと足軽はおもってた。けどそういう話は……足軽は覚えはない。もしかしたら父親ならそういう話を聞いたこともあるかもしれないが、こっちに住んでなくて、年に一・二回くらいしか来ない足軽にはそういう話はおじいちゃんもおばあちゃんもしてこないのだ。
 もちろん父親だってそうだ。だから実は「あの山には神様がおってな~」とかいう話があるかもしれない。けど最近のこの星の事情的に他の可能性もあった。
 そうそれは「力」だ。力に覚醒した超能力者が何かをやった。そのせいであんな化け物が生まれてしまったとか……それか……もしかしたらあのサル自身がその能力者という可能性……今の時点ではどれでもあり得るだろう。
 
(あれは……力を覚醒した存在ではないですか? あれ自体がもっと矮小な存在だったけど以前から存在してたのでしょう。でも大きな力の覚醒がおこった。 
 何が原因なのかはわかりませんが)
(それって俺の……)
(どうでしょうね)
 
 最近の世界中での超能力者の覚醒はあの時……悪魔との戦いを動画配信してたのを観てたその人達が中心で、そしてあの光を受けた人たちが対象になってるんでは? と野々野足軽は思ってた。
 それなら今や世界中でインターネットが出来るから、日本だけでなく世界中で覚醒者が出て来てるのに納得ができる。なにせあの時の同時視聴者の数は数千万人はいた。それは日本だけに限った数じゃないんだ。でも……である。
 
(でも流石にサルはスマホとか持ってないだろ?)
 
 それである。流石にサルまでもスマホを使いこなしてるとはおもえなかった。


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