『そんな!! 馬鹿な! まて! 待ってくれ!! こんなのは何かの間違いだ!!』
そんな声が頭に響く。そしてそこはまるで宇宙のような……そんな空間? どうやら大きな建物をつなぐ渡り廊下ともいえるそんな場所だった。
天井は透明なガラスか何かで出来ててとても見晴らしがいい。宇宙かと思ったけど、この彼の視界でなんとか周囲を見ると、なにか泳いでた。でも海ではなさそうだけど……
きっとそういう世界なんだろう。まるで水族館の水中回廊みたいな……そんなロマンチックそうな場所なのに、この『彼』はとても必死に彼女を追いかけていた。
てか……
(え? なんであの知的美人が連行されてるの?)
そう、彼と良い感じだった眼鏡で知的美人的な女の人がなんか白い鎧の連中に連行されてる。かなりがっしりとした鎧で統一されてるその人達。なんかとても高貴そうな集団。
ただの警察って雰囲気じゃないってのが私にもわかった。だからって不良とかでもないだろう。変な闇組織とかでもなさそう。明らかに公的機関的なさ……そしてその中でもかなり上位の存在みたいな? そんな雰囲気がある。それに……だ。その先だ。知的美人が連れられて行く先には赤い赤色灯を照らしてる乗り物がみえる。ただの車には見えない。
タイヤないし……浮いたりしそうである。
ああいうのは世界共通なのかな? と思った。明らかに彼らは警察だろう。そしてそれに連行されてるということは……単純に考えたらあの知的美人さんが犯罪を犯した……ということだ。
でもそんなことが? だ。犯罪なんてするような人じゃなさそうだったけど? まあこの映像で見てるだけの私はほぼ彼女をしらないけど……でもそれでも……信じられない。
私でそれなんだから『彼』はなおさらだろう。納得できない感、満々だ。
『間違いではない。彼女の罪状は自在干渉による第二アルハーゼンの崩壊。その被害は推定八億人だ。許されることではない』
『だからそれが間違いだって言ってるだろ!』
私はポカーンだった。だって……え? なに? 推定八億人? え? 嘘だよね? なんだそのバカみたいな数字? 私の記憶にある生前といえるのか、前世といえるのか……その世界の人口が多分70億くらいだったと思う。それで言うとさ……全人口の一割くらい? そう考えると少ないと思うけど、いやいや、八億なんてほぼ十億だからね。どんな戦争でもそんな規模の戦死者はいなかったと思う。
つまりはそれだけありえない数字ということだ。
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