カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

Coffee Talk

2011年12月17日 | Music

有名コーヒーチェーンには滅多に立ち寄らない私達お気に入りのコーヒーショップです。

インテリアはこんな感じ。

このお店は、ハリウッドの中心にほど近いタイタウンの一角に有ります。

レトロモダンというべきか、エクラクティックと表現するべきか・・・・・

中央の柱の祭壇ご覧に慣れますか?

これがタイを象徴する物で、タイではどこにでもこの小さな祭壇が設置されています。

 ちょうど私達が居た時にもコーヒーと小さなお菓子をお供えしていました。

タイにはこういう雰囲気のコーヒーショップが沢山有るのです。

コーヒーは、こんな風に出て来ます。これ、普通のコーヒーですよ。

グラスマグに入ったのがコーヒーで、デミタスには暖めたミルク、そしてきび砂糖。

私達は普段コーヒーはブラックで頂きますが、

ここまでして頂いたら出された物は全て使うのが礼儀と申せましょう。

入れるんです!それもたっぷりとねっ!

こういった、仰々しい仕掛けも、タイではよくあるスタイルです。

私達がいつも利用するホテルでも、コーヒーをお願いすると、

銀のポットに入った濃いコーヒーに、暖めたミルクと焼きたてのクッキーを添えて、

24時間いつでもバトラーがお部屋まで運んで来てくれます。

往々にして東南アジア諸国では、コーヒーはこれでもか!というほど甘いのが常識。

蒸し暑い国々には、それが一番合うことが私達にも解って参りました。

タイ料理を頂いた後でしたので、こちらのマンゴージェラートをオーダー致しました。

で、出て来たのがこちら。

写真より実物の方がずっと魅惑的なことって、それほど無いのではないでしょうか?

ジェラート自体も、添えられたマンゴーソースもクリームも甘さ控えめ。

お店を切り盛りするタイ人女性が、一生懸命作ってくれていました。

伝票はピンクのバケツに入れられ、金額がで囲まれています。

タイの女性はラブリーな物がとても好きだという印象が有るので、やっぱり!という感じです。

あれっ?ハートだ。あの娘はボクに気があるのかな?

う~ん。多分違うと思う。。。。

まるで、タイの街角に居るかの様な、大好きなお店です。

 

で、我が家のコーヒーショップはバーの一角に有ります。

ここはバーテンダーのテリトリー。

窮屈そうに並んでいるコーヒーマシーンはシングルサーブ・タイプです。

右の機械はエスプレッソにも対応しています。

ゲストの好みに全て即対応するには、両方必要なんだって。

コーヒー類の他、ホットチョコレート、色々な種類のお茶も入れられます。

この様なカートリッジで入れます。右の平らなタイプは、バーコードで情報を読み込み、

そのコーヒーに有った分量や入れ方を機械が判断してくれます。

私より、ずっとおりこうさんデス。

こちらは、朝食に頂くフォームコーヒー。

普通のブラックコーヒーですが、圧力を掛けるので表面にクリーミーな泡が浮かびます。

東南アジアでコーヒーをオーダーすると、このタイプが出て来る確率が高いです。

午後のティータイムにはカプチーノ。

エスプレッソとミルク、二つのカートリッジを使うので二度手間だと言われますが、

私が入れる訳ではないので、知らんぷり。

 

仕事でもプライベートでも自宅で過ごす事の多い私達は、

リズムを取るように、様々な飲み物で気分転換を致します。

サイフォンやドリッパーを使って丁寧に入れられたコーヒーの魅力にはかないませんが、

それでもコーヒーマシーンから漂うコーヒーの香りは、

日常の暮らしを豊かにしてくれる気が致します。

 

Have an aromatic weekend everybody.







焼きキノコのサラダ

2011年12月16日 | Food

前回を少し引きずるお話なのですが、

土井家の若先生が番組中、こんなことを仰っておられました。


「お料理と申しますのは、練習するといったものではございません。

繰り返し作ることで慣れて参りまして、手が動くようになって参りますね。」

 

大変に奥の深いお言葉です。

特に『手が動く』ということは、料理に限らずとても大切かと思います。

手が動くというのは、単に手先が器用であるとか手早いということでは有りません。

『手を動かす』ためには、まず『心を動かす』というのが前提にございまして、

料理をしていて少しでも手が空けば、サッと洗い物を済ませたり、

野菜くずが目についたら、鍋に掛けてスープストックを取っておく。

宴が盛り上がり、テーブルの食べ物が心もとなくなって来たならば、

頃合いを見計らって、一品二品と見繕う。

この様なことは、気働きが出来て初めて行動になるのです。

若先生が仰られた「手が動く」ということは、こういうことではないかと思う次第です。

これは、陶芸を人様にお教えしていても同じです。

最初は皆様同じようにぎこちなくとも、手が動く、すなわち気働きの出来る方は、

いずれ必ず素晴らしい作り手となります。

 

本日は、ランチの集まりがございまして、イタリアンをお腹いっぱい頂きました。

会食続きの今日この頃、せめて自宅で食事の出来る時には、

内蔵を休め、デトックス効果が高くてカロリーの低いお食事を。

こんなこともキッチン担当の私にとっては気働きの一部かと心得ます。

で、本日は焼きキノコのサラダ

ミネラルと食物繊維が豊富で、カロリーは無いに等しいキノコ。

このキノコの旨味を、焼くことで引き出すサラダです。

天板にオーブンシートを敷き、沢山のキノコを並べ軽く塩こしょうします。

本日のキノコは、しめじ、エノキ、エリンギです。キノコなら何でも結構です。

これを高温のオーブンで10分ほど焼きます。

その間にドレッシングを用意致します。

薄切りにしたニンニクを多めのオリーブオイルでカリッと揚げ焼きにします。

ニンニクは焦がすと苦みが出ますが、

焦がさずに中までカリッとさせるコツは低温で少しずつ加熱することです。

刻んだアンチョビ、レモンジュース、バルサミコ

これらをニンニクが程よく揚がった頃合いを見計らって加えます。

これがドレッシングとなります。アンチョビが塩加減をしてくれますので、

これ以上塩気を加える必要は有りません。

キノコが焼けました。

キノコというのは焼きますと、甘みと土の香りが高まります。

炒めたものとは味も食感も全く違います。

お好みの葉野菜と熱々の焼きキノコを大きなボウルに入れて、

上からこれまた熱々のドレッシングを廻しかけて、優しく大きく混ぜます。

私は、暖かいものと生野菜を合わせるサラダを度々ご紹介しておりますが、

私はこの手のサラダが本当に好きなのでございます。

具材の熱が生野菜に程よく味を入れてくれ、ご馳走感溢れるサラダになります。

この種のサラダは前もって作っておくことには適しません。

キッチンに立って、よく手を動かし、楽しく作って楽しく頂きます。

 

では





肉味噌で作る根菜汁&その後のお楽しみ

2011年12月15日 | Food

恩師と申しますのは、やはり直接教えを受けた師を指す言葉でしょうか?

だとすると、私は直接教えを受けた訳ではないので、

恩師と申し上げるのは不適切なのですが、それしか言葉を思いつかないので失礼つかまつる。

 

私の料理の恩師は、故土井勝先生でございます。

テレビを見ないっ子だった私が、唯一食い入るように見ておりましたのが、

当時、恐らく毎日放送されていた、先生のお料理番組でございました。

家庭料理の基本中の基本を判り易く解説して下さる穏やかな口調は、今も耳に残ります。

他の子が漫画に見入るように、先生のお手元を食い入るように拝見しておりました。

その後の私は、同じく先生の弟子?であり、料理好きだった母の妨害にもめげず、

次第に実家の台所を占拠することになったのです。

 

私がのらりくらりと生きております間に、土井家は代替わりをされておりました。

先生のご子息である土井善晴先生を、先日テレビのお料理番組で拝見いたしまして、

何故か胸が熱くなった私でございます。

お父上同様、穏やかな笑顔で素晴らしいお料理をご紹介になっておられました。

私は、レシピ丸写しで料理をするということをあまりいたしません。

理由は、こちらでは手に入らない食材があったり、

同じ食材であっても調理法を変える必要があることが多々有るからです。

本日のお料理も、若先生が紹介しておられた『芋煮汁』の手順から、

”肉と味噌を焼き付ける”というキモの部分だけを使わせて頂き、後は私流でございます。

 

本日は、こんにゃくの下処理から。

このように、出来損ないの盃(そんなものをお持ちでなければコップでも)を使い、

こんにゃくを一口大に切ります。金物を当てないことで味の染み込みが良くなります。

サッと茹でるのではなく、延々と15分程茹で続けます。

一旦お湯を切り、再度鍋に戻して炒り付けます。

独特のちりちりとした音がしますが、焦げませんので執拗に炒ります。

加減は、表面を触って、水気を感じなくなるまででございます。

この処理は、非常に効果があります。こんにゃくが、とにかく美味しくなるのです。

その他の材料は、里芋、ニンジン、笹がきゴボウ、豚ひき肉

ちなみに若先生は、すき焼き用の牛薄切り肉をお使いになっておられました。

鍋に油を引かずにひき肉を平らに入れます。

急いで混ぜ合わせず、片面が焦げ始めるのを待ってほぐし始めます。

鍋にくっつきますし、徐々に焦げ付き始めますが、その焦げ付きこそが出汁の決め手です。

味噌を投入し、味噌とひき肉を焦がしつつ練り上げ、香ばしい肉味噌を作ります。

味噌の焦げる匂いは素敵です。さすがは若先生。

出来上がった肉味噌は、一旦取り出します。

良い感じにこびりついています。間違っても拭き取ったり、洗ってはなりませぬ

この一見汚れた鍋が、根菜に魔法を掛けてくれるのです。

こちらの魔法のお鍋にお野菜とこんにゃくを投入し、一混ぜしてからお酒を加えます。

そして、先日から冷蔵庫で待機していた利尻昆布の2番だしを加えます。

木べらなどで鍋底や鍋肌をこそげながら、こびりついた旨味をしっかりこそげて下さい。

その後みりんを加え、蓋をして中火で煮込みます。

美味しいお出汁を二度までも提供してくれた昆布氏とも今日でお別れ。

フナーレは、細く刻んで少量の塩と沢山の酢で漬け込む浅漬けに

お野菜が柔らかくなりましたら、取り出しておいた肉味噌を加えます。

10分ほど煮込んで火を止めます。火を止めてから最低でも2時間ぐらいは放置。

時間が食材の旨味を引き出してくれますので、この段階で味を決めてしまわないで下さい。

2時間後には、塩気に頼らなくても良くなるはずです。

食べる直前に味を見て、必要ならばお醤油を補います。

根菜などのお料理は、滋味豊かで素晴らしいのですが、色が茶色い・・・・

ですので、色鮮やかなサイドディッシュを添えます。

冬の生野菜は冷蔵庫で冷やしたものではなく、室温で頂くのがよろしいかと思います。

室温のトマトは冷たいものより甘みを、浅漬けは風味を、より堪能することが出来ます。

寒い季節は特に、テーブルの上のお料理の温度差を小さくすることを心がけます。

バーテンダーが、熱燗で一杯始めた様です。

具沢山の汁物はお酒のお伴としても、とてもよく合うのだそうですよ。

大きな塗り碗にたっぷり盛って、青ネギと七味唐辛子で頂きます。

ひと手間掛けて香ばしい肉味噌に仕立てられたひき肉が美味しい!。

煮込んで尚、味噌の香ばしさを保ち、出し殻のようになっておりません。

若先生!大変結構な御点前でございました。しかと勉強させて頂きました。


さて番組の最後で、先生は笑顔で恐るべき一言をおっしゃいました。

「翌日は、これをカレーに仕立てて召し上がっても美味しいですよー

まだ食べたそうなバーテンダーを思い留まらせ、

私自身も後ろ髪を引かれつつ、 明日の分を残しましたとも!

若先生の言いつけ通り、カレーに仕立てさせていただきましたデス。

肉味噌根菜カレー、ここに誕生致しました

言葉不要の美味しさでございました。

「楽しみながら工夫して、最後まで味わい尽くす」

これが私の思う、家庭料理の有るべき姿でございます。

親子2代に渡り、私はこの先も先生方のお姿を追って参る所存でございます。

 

感謝

 

 



日常のジュエリー

2011年12月14日 | Fashion

正式な言葉の違いは別のところに有るのだろうと思いますが、

私にとってのアクセサリーとジュエリーの違いは、

アクセサリーはお洋服の着こなしの延長線上に有り、

ジュエリーは私自身の延長線上にあるということになります。

シンプルなコーディネートにアクセントを添えるアクセサリーのキモはインパクト。

対して日常使いのジュエリーは、自分自身と繋がっていることが私には重要です。

毎日身につけるジュエリーを選ぶときの気持ちは、

下着を選ぶときのそれに似ている様な気が致します。

肌触りの心地よさ、洋服のラインを乱さないデザイン、

足りないものを補ったり、気になる部分を補正してくれたりするものを選びます。

表面的には目立たないけれど、私を支えてくれるものということになるでしょうか。

 

ジュエリーを購入するならクリスマスシーズン。

アメリカで暮らすようになってから、その思いが強くなりました。

クリスマスギフトは恋人だけでなく、全ての愛する人に心を伝える大切な物。

この季節のショッピングには皆様特別な情熱を注ぎます。

そんな情熱をさらにあおり立てるように、お店では熾烈なクリスマス商戦が展開されます。

日頃から気をつけてチェックしておりますと、

考えられない程お値打ちなお買い物が出来る季節です。

プレゼントの代名詞の様なジュエリーも、勿論例外では有りません。

そんな私が考えに考え抜いて今年手に入れた日常使いのジュエリーをご紹介。

一つ目は、様々なバリエーションのある真珠の中で、

今の私のに最もふさわしいと考える、南洋産ゴールドパールのネックレスです。

真珠と申しますと、やはりピュアな白を思い浮かべるのですが、

私自身の個性を考え合わせますと、無垢な白は少し違和感を覚えます。

アクセサリーとしては私も大好きで使用しますが、ジュエリーとしてのパールでは無いのです。

ゴールドパールの輝きには、弾ける様なピュアさは有りませんが悪目立ちせず、

私の肌の色にとけ込み、それでいてデコルテ全体に落ち着いた艶を与えてくれます。

ゴールドパールを日常使いにする場合、デザインは極めてシンプルなものが良いと思い、

一粒パールで、ジョイントに飾り金具の無いスルーホールのものをチョイス。

チェーンは14Kのボックス型ゴールドで、長さ16インチが私にはベスト。

丁度鎖骨の真ん中にパールがぴったりと納まる長さです。

もうひとつが、楕円のダイアモンド・フープピアスです。

フープの長さは1.5インチ弱。大き過ぎず小さ過ぎずというところです。

地金はネックレスと同じ14Kゴールドですが、正面から見るとダイヤの白さが勝り、

プラチナ、ゴールド、どちらとも簡単にコーディネート出来ます。

ダイアモンド・フープはいくらでも見つかりますが、

私がこだわったのは、フープの内側にもダイヤが使われているということ。

とても小さなメレダイヤですが、両側に施されていることで、

どの角度から見ても、その輝きが楽しめます。

 

・・・・・などとブツブツ申しておりましたら、

「それ、プレゼントさせてね。」とバーテンダーからお申し出を頂きまして、

買ってもらっちゃった!クリスマスプレゼントだって。

 

ネックレス、ピアスともに、フォーマルに通用するクオリティーでは有りません。

イブニングドレスなどに合わせるには、格が低過ぎます。

そしてそれが普段の私であり、私自身が一番好きな私でもあります。

どちらのジュエリーも、身につけた瞬間から私の一部となり、

私とともに呼吸を始めました。

全身を鏡に映した時、身につけている何か一つだけが一人歩きをしない。

それが私の思う日常のエレガンスです。

 

では


 



キノコとお豆腐のすり流し

2011年12月13日 | Food

本日は、キノコとお豆腐を使った、山芋のすり流し小鍋仕立てのご紹介。

昆布と鰹で出汁を取り、少し薄めのかけ蕎麦のつゆの様な味付けをします。

煮立った出汁に、絹ごし豆腐を並べて入れます、

これを中火でコトコトと、お豆腐の中まで暖まるまで煮ます。

お豆腐は加熱し過ぎますと、すが入りますので要注意。

しっかり暖まりましたら、火を止め蓋をして休ませます。

ここまでは下ごしらえとして、手の空いた時に済ませてしまいます。

私はランチの洗い物のついでに済ませました。夜まで半日有ります。

この間に、煮込まずともお豆腐に出汁味が染み込みます。

夜~

お鍋を再び火に掛けまして、煮立って参りましたらどっさりとキノコを乗せます。

本日は、しめじ、エリンギ、エノキです。お鍋から溢れるくらいたっぷり用意しました。

このままキノコを抑えるように蓋をして中火でしばらく加熱します。

こう致しますと、キノコは煮えるのではなく、蒸されます。これがポイント。

キノコの嵩が減り、火が通りました。

キノコから沢山の水分が出ますので、あまりにも汁気が多すぎましたら、

写真のようにヒタヒタの分量まで調整して下さい。

ここに、すりおろした山芋を乗せます。

その上から刻んだネギと青のりを振りかけ、蓋をして3分程蒸らして出来上がり。

お好みで、一味や七味、おろしわさび等で頂きます。

 

お豆腐は言わずと知れた良質なタンパク源。

キノコは超低カロリーで、ミネラルと食物繊維が豊富ですので、

沢山召し上がるのは素晴らしいことなのですが、

キノコの食物繊維は消化に時間がかかります。と申しますか、ほとんど消化されません。

そこで、消化を助ける山芋を使うことで、内蔵への負担を抑えます。

 

山菜とろろ蕎麦はお好きですか?私は大好き。

でも、お蕎麦を頂いているうちに山芋がお出汁に溶けてしまい、

お出汁を飲み干さない限り、山芋が最後まで頂けないことがちょっと不満。

この小鍋仕立ては、そんな私の不満を解消する為に考えた一品です。

しっかり味の染み込んだ滑らかな絹ごし豆腐と、食感の良いキノコ。

それらを、お出汁の分量を少なめにすることで、

山芋が溶け出したトロリとしたお出汁とともに、最後まで堪能することが出来ます。

 

では