ねえ王様。
なに?
お誕生日おめでとう
えへへ
これね、プレゼント。
何それ?食べれる?
外側は食べられないけど・・・サ。
一応、心を込めて作ってみた。寸法もぴったりにしてみた。
ふ~ん
中にイイもの入ってるよ。
これは王様専用のおやつ入れだよ。
王様が大好きなターキージャーキー。
ねえねえ、ウィンちゃん
な~に?
”たんじょうび”って何?
知らな~い。
ウィンちゃんも知らないんだー。
ボクも知らない。
だけど、美味しいモノいっぱい貰ったんだよ。
お昼寝の後で一緒に食べようね
王様が家にやって来た日のこと、私は忘れないよ。
王様が二人も乗れる様な大きなふかふかの新しいベッドと、
沢山の御飯と大きな骨のおやつ。
新しい真っ赤な首輪を付けてたよね。
私のところに来る為に、全部買ってもらったんだね。
あの場所から助けられて、この家の準備ができるまでしばらくの間だったけれど、
彼らの家で愛されて愛されて、大切にされていたことがすぐ判ったよ。
やっと大好きな人が出来たのに、安心出来る場所だと思ったのに・・・・
ある夜車に乗せられて、気がつくと見たことのない家の玄関に立っていた。
どんな気持ちだったんだろう。
不安だったね、怖かったね、また捨てられると思ったよね。
置いて行かないで!一緒に連れてって!
閉まったドアに何度も何度もジャンプしているあなたを見て、私は胸が張り裂けそうだった。
あなたにもう二度と辛い思いをさせない決心をしてこの家に連れて来たはずなのに、
そんな私があなたに最初にしたことは、初めて出来た大好きな人から引き離すことだった。
ごめん。本当にごめん。
だけど王様、ちゃんと見ててね。
私はこれからの一生をかけて、私が王様を絶対に裏切らないことを証明するからサ。
私を許してくれて有り難う。信じてくれて有り難う。
王様、7歳のお誕生日おめでとう
一週間程お休み致します。
季節の変わり目、どちら様もお風邪など召しませぬ様。
では