カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

フラットシューズの法則

2011年10月16日 | Fashion

私の移動のための交通手段は車です。

車が無ければお手上げなところに住んでおります。

ヒールの靴はフェミニンでセクシーで、とても魅力的ですが、

車を運転するのにはとっても危険。よって普段私はフラットシューズを履きます。

 

ヒールの靴は履くだけて女っぷりも上がりますが、

フラットシューズを大人の女性が履く場合、

色々と神経を使いませんと、ファッション全体が野暮ったくなってしまいます。

私の足は小さくて幅も無く、甲の高さも有りません。

それはそれで、靴を選ぶ際に足に合うかどうかを真剣に考える必要はないのですが、

デザイン選びを間違えますと、なんか、足だけ子供っぽい~!となります。

ハイヒールが女性らしさを際立たせる理由は色々有りますが、

その中の一つは足の甲が醸し出す、そこはかと無い色気ではないかと思われます。

これはヌーディーな甲見せに限らず、ブーティのように肌がカバーされていても同じことです。

地面から斜め上に伸び上がる足の甲は強さと儚さが両立した美です。


舞台で幽霊の役などを演じる女形の皆様は、手の甲に細心の注意を払われるのだそうです。

手の甲は、数あるボディーパーツの中でも時に艶かしく、時にもの悲しく、

時には見る人に恐怖を感じさせる様な、無言でその心情を語る場所なのでございましょう。

幽霊の掛け軸などを拝見しますと、どちら様も手の甲は斜め下向き。

これが地面と平行に前を向いておりますと、

怖いと言うよりカワイイになってしまいます。

例えるならペンギン?

足の甲も、それに準ずる様な気が致します。

 

踵の高さで、甲の美しさを魅せられないフラットシューズの場合、

ハイヒール以上に自分の足と靴の関係を考えて選びたいと思っています。

ふと足を組んだ時、ボトムと靴の間にのぞく甲に、女性らしさを感じるからです。

その分量は、多ければ良いというものでもなく、

かといってスニーカーのように、全てを覆い隠して、紐で縛り上げてしまいますと、

元気はつらつな印象は有りますが、

フェミニンやエレガンスという雰囲気にはならない気が致します。

そんな私のフラットシューズ選びにはちょっとした決まりが有ります。

 

上の写真のように先端が丸い形のデザインは、

履き込みが浅く指の股がしっかり見えるものを選びます。

丸い形は、そうでなくとも小さな私の足をより小さく、子供っぽく見せますが、

履き込みが浅く、甲の露出度が高いものは、

それなりに大人らしく履くことが出来る気が致します。

 

一方、先端が尖ったデザインは、履き込みが比較的深く指の股が完全に隠れるものを。

履き込みが深いことの利点は、靴の先端の三角形の部分が二等辺三角形になり、

スラリと上品なラインを作ってくれると思うからです。

これが履き込みが浅く、正三角形になりますと、ちょっと挑戦的な足元となります。

 

番外編として、かなりデコラティブなものも持っております。

沢山の天然石が足首を取り巻くデザインで、後ろがファスナーになっています。

こちらは印象が強すぎて、それほど頻繁に出番は無いのですが、

旅先で、いよいよコーディネートもネタが尽き、

なおかつ仕事相手など、同じ方に何度も会わなければならない様な、

ファッション・コーディネート的に過酷な状況下で威力を発揮します。

細身のブラックパンツにブラックトップなど、

全くひねりの無いコーディネートにこのフラット。敢えて目立つアクセサリーもナシ。

『この人は、もう着る服が無いのではなくて、狙ってやってるんだ!』

と誤解して頂ける、説得力を持ったフラットです。

 

私にとっては無くてはならないフラットシューズ。

いつまでも綺麗に履く為にシューキーパーは欠かせません。

 

靴底が薄くて地面の凹凸を拾い、長く歩くと疲れそうな靴には、

購入後直ぐにこのように厚めの底を張って頂きます。

縁有って私の元に来た靴達。

色々なところに一緒に出掛け、時には私を助けてくれる頼もしい相棒なのですから、

丁寧にメンテナンスしながら、長くお付き合いして行きたいものです。


では