松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆スペアのない人員体制(本郷台)

2015-07-27 | 地方自治法と地方自治のはざまで

 県下自治体職員との研究会である。数えてみたら、全部で12回あり、今回は3回目である。テーマは、人口減少が著しい、県西地区および三浦半島地区を取り上げている。

 全体では、いまだに人口が伸びている神奈川県においても、これら地区は人口が減少している地域である。神奈川県もいずれは人口減少になるなかで、いわば他の地域の先進事例として、これら地域を取り上げ、こうした厳しい状況を少しでも緩和する方法を考えることになる。

 小さな自治体といえども、フルセットで何らかの担当がある。例えば、どんな小さな自治体でも、誰かが法制担当をやらないといけない。そこで法学部を出たというだけで、担当になってしまうし、下手をすると、若いから柔軟で、新しいことも頭に入るだろうということになって、法制担当になってしまう。

 もともと人員が少ないので、一人何役もやることになる。ますます人員削減が進むなか、一人が抱える役割は、増えるばかりである。法学部を出ても、地方自治の法務は、すぐできるわけはなく、法制執務に至っては、独自のマニアックな世界なので、大学の授業はほとんど役に立たない。

 ちなみにわがゼミの卒業生であるRisaは、神奈川県で唯一の村である清川村に入ったが、総務課に配属されたということで、一人で何役もやっているとのことである。地方自治のゼミを出たということで、ここに配属されたのだろうか。松下先生は、何を教えているのかと言われないように、がんばれRisa。閑話休題。

 もし、この1人しかいない担当が、病気などでしばらく休んだらどうなるのか。他のセクションに移った前任者に手伝ってもらうそうだ。前任者は、現在の自分の仕事と前の担当だった仕事を一人二役でやることになる。長期にわたる休暇の場合は、兼務辞令まで出すようだ。当然残業になるが、その残業代をどちらの課で払うのか、課長同士の協議になる。

 要するに、小さな自治体がフルセットですべて持つというのは、もはや限界ということである。この研究会では、これを乗り越える方法を考えることになる。当面、ターゲットにしているのは、地方自治法で新たに採用された連携協約や事務の代替制度である。例えば、法制担当で言えば、5つの自治体が連携協約し、このうち法制担当を置くのは3自治体にして、この3人でグループ5自治体の法制を見るのである。3人いれば、相談も研鑽もできる。1人で全部やらないといけないというプレッシャーからも、免れることができるだろう。

 この日は、時間が取れたので、久しぶりに、研究終了後、みんなで大船に出て、大いにうだをあげることができた。

 

 

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