松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆「市長は議員定数削減条例を提案できるか」雑誌『実践自治』に原稿を送った

2023-12-29 | 地方自治法と地方自治のはざまで

市長は議員定数削減条例を提案できるか。雑誌『実践自治』に原稿を送った。

こんな感じでである。

はじめに
 この問題を考える発端は、広島県安芸高田市の事例である。ここでは副市長の定数2名を1名に減らされたという理由で、市長から議員定数の半減が提案された(結論は否決)。

 これまで、市長による議員定数削減提案の事例は、名古屋市、山口県防府市、安芸高田市の3例が確認できるが(いずれの提案内容が議員定数「半減」というのが興味深い)、事例が少ないのは、市長が一方的に削減提案しても、たいていは否決され、条例が成立することは考えにくいからである。のちの議会運営を考えてみても、関係をこじらすだけなので、提案するメリットが少ないともいえる。

 ただし、安芸高田市の事例は従来とは異なる様相を示している。この3例とも、濃淡はあるが、あえて議会との対立関係をあおりながら、市民の賛同を得るという手法であるが、とりわけ安芸高田市のケースでは、議会をあからさまに「無能、抵抗勢力」と位置づけ、X(旧ツィッター)や動画を積極的に使った「拡散」によって、ネット世論の賛同を得るという手法が採用されている。インターネットの普及に伴う反知性主義、ポピュリズムの懸念が指摘されて久しいが、それが現実のものとなっている感がある。

 今後、高齢者議員が多い地方議会を守旧派と位置づけ、その議員定数を半減するといった、「市民受け」を狙った提案が、首長側から行われる可能性は十分にある。

 この機会に、市長による議員定数削減条例の提案を法制度論からきちんと考えておこうと思う。

 ちょっと、面白い原稿が書けたと思う。発売は、3月なので、まだまだ先。

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