雑記(退避所)

個人的雑感と個人的に気になる主に特定地方だったり公共交通だったりするニュースをやる気なく記載(予定)。

早明浦ダムの偉大さを語る会

2013-09-05 18:40:03 | ニュースの時間です
ここ数日、四国内は台風だか秋雨前線だかに伴う、とにかく大雨でした。

そんな中、徳島駅前の水没と並んでネット上で話題となりましたのが、うどん県の水源として著名な早明浦ダムの貯水量V字回復です。
なにかと香川県ネタと絡められることが多い早明浦ダムですが、実際には徳島県の水源でもあり、しかし所在地は高知県、せき止めている川の水系は日本三大暴れ川のひとつ・四国三郎こと吉野川であり吉野川といえば徳島県です。このため「徳島さん、今日もうどんを茹でさせてくれてありがとう」というネタが成立する訳ですが、とにもかくにもいろいろと規模の大きいのが早明浦ダムです。
ただ、全国的に話題になるのは渇水と大雨時の超復活の際ぐらいですので、あまりでっかいという印象がない方も多いのではないかと思われます。そこで、早明浦さんがどのくらい偉大なのか、具体的に数字をひっぱってきて見てみようと思います。


■とにかくでっかい

荒ぶる四国三郎様を押さえ込めるだけの実力のあるダムですので、まずそもそもの貯水量が多いです。早明浦さんを管理する、水資源機構の池田総合管理所のサイトによれば3億1600万m3
ダムマニア」さんの総貯水量ランキングでは第8位となっており、かの有名な黒部ダムの貯水量約2億m3の1.5倍にあたります。

2億とか3億とか言われてもなんだかピンとこないので、よくある例えとして東京ドームの容積と比較してみます。
東京ドームの容積は124万m3だそうです。これで計算すると早明浦さんの中には東京ドーム約255個分の水が入る計算になります。

でっかいですよね。

なお、総貯水量は3億ですが、貯水率の計算には「利水容量」を用いるようです。早明浦さんの利水容量は1億7300m3、それでも東京ドームの容積の約140倍です。


■一日でどれだけ水が溜まったのか

次に、国土交通省のサイトの「任意機関ダム諸量検索」から、早明浦さんにどれだけの水が入ってきたのかを見てみます。

今年の8月はものすごく暑かった割りに雨が少なく、特に早明浦さんのお近くではまとまった降雨があまりなかったため、9月1日の朝7時段階での貯水量は5796万m3、発表されている貯水率は24.5%でした。取水制限中とはいえ、貯水量で見ると東京ドーム約47個分の水が入っています。なお、この段階でまとまった雨が降っていたため、この日の朝9時には取水制限が一時的に解除になっています(PDF注意)
この後も貯水量はじりじりと回復して行き、9月4日午前0時の時点では貯水量7265万m3(東京ドーム約59個分)、貯水率は33.8%となっていました。

そしてその後雨はどんどん降り、水は早明浦さんにどんどん入っていき、24時間後には貯水量が1億7209万m3になっています。その差9756万m3、1億m3に近い量です。あまりにも一気に水が入ってくるので、午前11時には水の放流を始めていますが、それでもこれだけの量が溜まっているのです。
9756万m3を東京ドーム単位に直すと、約79個分となります。

1日で東京ドーム約79個分
サプリメントのCMのような響きがありますが、スケールがまったく違います。

これが昔は手放しで吉野川に入っていたのか…と考えると、そりゃ四国三郎の拝命も当然だし、川の中州に竹植えまくって水の勢いをそごうとしたりもしますよね、という。


みんな早明浦さんをもっと讃えるといいと思うよ!